『灯火と桜と息子』 | From With

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子供達に、幸せの見つけ方、教えてあげたい・・大丈夫。隣りにいるから。あなたの周りは、ほら、幸せがいっぱい!!(自宅を色んなお子さんに開放して14年。問題のある子 無い子皆一緒に 同じ時代の同じ時間を生きていきたいな~!一歩一歩、 丁寧に・・)



今年もNの桜が咲いた。


毎年、誕生日には鉢植えを買うのが恒例で4歳の時、初めて自分でジュリアンを選んでから15年がたつ。


チューリップ、パンジー、紫陽花、ライラック、ミズキと色んな草木を庭に残したが、


中学に入ってからはもっぱら桜にご執心で、以来 この7年はひたすらサ・ク・ラ・・・


河津桜、彼岸桜、
八重桜、御殿場桜etc
種類を違えて集め、



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去年、糸桜、つまり垂れ桜にすると言ったときは さすがに 置き場に困るから 垂れだけはやめようよ、と頼んだのだった。


が、結局 その垂れも大きな鉢に植え替えられ門から階段を上がったコーナーにしっかり納まっている。



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その垂れ桜が 今年初めて花を咲かせた。悔しいくらいに可愛い八重で 初咲きを見つけたときは 思わず立ち止まって眺めいった。


ひとつ、ふたつ、と
小さな姫カンザシが色づくようで 風に揺られる様などは ため息が出るほど愛おしい。



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それがまた、夜になって
階段のポーチ灯に明かりが入ると雅びな影絵となって浮かび上がり、ゾクッとするほど美しい。















昨夜、11時も回ってから Nが玄関を出て行った。しばらく戻ってこないのでFが「あ~~~、Nったら 彼女でも出来て 外で電話で話してるんじゃな~い?」とニヤニヤした。


(えっ、まさか!?あっ、でも 確かにそんなシチュエーションかも・・・)と私もドキッとしたが、それならそれで、高台の庭で話したら声は筒抜け、ご近所迷惑よ、と思って庭に出た。



















Nは見事な姫カンザシを咲かせた垂れ桜にカメラを向けていた。


私に気付くと
「夜桜、綺麗だよね・・・」と小さく言って また シャッターを切った。















(な~んだ、彼女だなんてね~)と、ちょっとホッとしながら(桜がサクラちゃんになるのはいつのことや・ら・・・)と


「垂れだけはやめようよ」と言った桜がくれた
灯火と桜と息子のシルエットを苦笑いしながら眺めた春の夜だった。












でも、N君、綺麗なはずよ、1年お世話して咲かせたのは母さんですよね~。








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