『泣いたKちゃん』 | From With

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子供達に、幸せの見つけ方、教えてあげたい・・大丈夫。隣りにいるから。あなたの周りは、ほら、幸せがいっぱい!!(自宅を色んなお子さんに開放して14年。問題のある子 無い子皆一緒に 同じ時代の同じ時間を生きていきたいな~!一歩一歩、 丁寧に・・)



就活たけなわ、いよいよ
ラストスパートのランカンが鳴らされた。


そんな中、卒業生のKちゃんが「話を聞いて欲しい」と連絡してきた。


Kちゃんは 大学に入った頃からブライダル産業か家業を考え不動産産業に就職を希望し、充分に準備もしてきた就活エキスパートのような子だ。(おまけにかなりの美人さん)


そのKちゃんが三月中の就活で数社連続で落ち、終にはAさんが出向している不動産関係の会社も一次面接で落とされてしまった。


(就活はまず問題無く旨くいく)と 自信を持っての挑戦だっただけに 訪ねてきたKちゃんには全くいつもの元気が無かった。


そして、Aさんに無理を頼んで人事課に聞いてもらった 落ちた理由を告げた途端、滅多に泣かないKちゃんが「わっ!!」と声を上げて泣いた。




・思いが強過ぎて、職場はもちろん、対お客様との関係にバランスを欠くかも知れない。


・営業も転勤も問わないという意欲は買うが、夢を描き過ぎて 謙虚な対応、地道な事務仕事などに問題を生じるかも知れない。


この「夢を描き過ぎて」の言葉にKちゃんは「なんで夢を持っちゃいけないんですか!」「他の会社では夢を持て、大きな夢を持って入ってきなさい、って言われ、今度は夢を描き過ぎっているって言われ、どうしたらいいか分からない!!!」


そう言って夕方からのセミナーに合わせて綺麗にお化粧した顔も涙でぐしょぐしょにした。


私は業界によって夢の表現方法が違うこと、今や就活は宝くじで、一つ一つの失敗をマイナスにとらえず 次の面接への鍵と転じていって欲しい、etc etc話をした。


「うちのFもね、連敗連敗で胃が飛び出すかと思うほど泣いたのよ。」とも話した。


3時間ちょっと、充分に話し合い、元気を取り戻したKちゃんを見送って門の前まで出た。


別れ際、「Kちゃん、パワーあ・げ・る!」と言って握手したとき、Kちゃんの目がまた潤んだ。


途端に私はこらえていた涙が溢れ出し、Kちゃんを抱き締めた。私よりずっと背高なKちゃんに「負けるな、負けるな」と言いながら 手を伸ばして髪を撫でた。


もう一度握手をして顔を上げたとき、Kちゃんは初めてWithルームに来たときの一年生のKちゃんに戻っていた。


お母さんがお迎えに来ない、と泣きじゃくる幼ないKちゃんが 私の目の前でしゃくり上げて泣いていた。


そのKちゃんの涙を指で拭いながら、私も もう言葉を持たなかった。



そして、最後に大きくうなづいて、
ひっくひっく
ひっくひっくと
何度も振り向きながらKちゃんは坂道を下りていった。













昨日、Kちゃんのお母さんがいらして、不動産関係は全社落ちたけれど、ブライダル2社は最終面接まで進めたと教えてくれた。


「内定が決まったら 一番最初にN子先生に知らせます。絶対頑張ります!!」と連絡が来てから半月、


電話が鳴るたび、携帯が鳴るたび、何を置いてもバタバタと駆け寄っている私だ。









就活の神様、
Kちゃんをどうぞ宜しくお願いします。


うちのKちゃんは
それはいい子なんですから。








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