神宮球場

阪    神 001 000 000 1

東京ヤクルト 200 000 01Ⅹ 3 

 

 八回、オスナの打球を阪神佐藤が後逸してスワローズに追加点が入ったことで、空気的には勝利を手繰り寄せた感があった。

 この二試合は佐藤に持って行かれていただけに、鶴の恩返しならぬ、輝の恩返しという感じだろうか。

 取り敢えず勝てたという事で、ホッと一息ではある。

 打つ方ではオスナ。

 守ってもオスナ。

 粘りの投球で試合の主導権を阪神に渡さなかったヤフーレの好投も光った。

 そして、石山が続く救援陣に勇気を与える投球で、負の連鎖を断ち切ってくれたのも大きかった。

 問題なのは、一番慌てふためいているのがベンチという事。

 三回、1点差に迫られて、尚、一死三塁の場面で高津監督は内野に前進守備を指示。

 この時点で1点を守り抜く野球を選択したわけだ。

 高津監督擁護派からは、昨日までの試合展開からして、追いつかれたら流れは完全に阪神に行く場面だから、この試合の一番の肝と判断したからこその決断だったとなるんだろう。

 もしも、前進守備を敷くことで増えたヒットゾーンの為にヒットが産まれて同点にされた上に、クリンナップに廻ってという展開になったとしても、この作戦が間違いではないと言えるのなら、これ以上は平行線だ。

 自分には、これまでの我慢の足りない高津野球の象徴的なシーンに思えるのだ。

 広島との初戦もそうだが、今日も、ベンチの指示で試合を落とすところだったと思うとゾッとする。

 打球的には紙一重だったが、結果的には前進守備が成功した。

 前進守備を取っていなければ、二死にはなったが同点になっていただろう。

 ただ、それは単なる結果にすぎないし、織り込み済みの結果であるわけだから、流れが阪神に移るわけではない。

 自分には序盤からこんなギャンブルを選択するチームが、シーズンを通して成績を残せるとは思えないのだが…。

 敵はベンチにあり。

 今に始まったことではないが、村上が打たない限り、ベンチのミスをカバーしきれない。

 その村上が引っ掛けてのゴロアウトが目立つようになっているのが気掛かりではある。