「ふぁ〜、よく寝た…」


そう言い、目を覚ました私は平手友梨奈。今年から都立欅坂高校に入学する新1年生だ。


「今日は入学式だっけ。確か12時からスタートだったよね」


時計に目をやると、針は12時20分を指していた


「遅刻!? 入学式もう始まってるじゃん!! やばいやばい! 急がなきゃ〜!」


……………


全ての準備を終え、制服の袖を通して鏡の前に立つ。


「これがセーラー服か〜、初めて着るなぁ… うん!すごくいい感じ! 可愛い〜!準備はできたし、行くか〜!」


いってきま〜す


そんな間の抜けた声が、誰もいない家の中で木霊した。



……………


「やっと着いた〜」


自販機で水を買い、一息ついてから入学式が行われているであろう体育館のドアを開けた。


「…」


「あれ?」


そこにはただ1人の少女が佇んでいた。


場所を間違えたのかなー、と思いその少女に聞いてみようと思った。



「すみません、入学式ってどこでやってるんですか??」



そう言うと少女は、今気づいたようにこちらの方を向いた



「ん? あぁ、入学式ならとっくに終わったよ? 多分今ごろみんな教室だと思うよ。」


「そうなんですか、ありがとうございます! ところで、あなたは?」



「私? 私は渡邉理佐。 あとタメ語でいいよ。 入学式終わったあと、そのまま帰るのもめんどくさくて、ここで寝てたの。w あなたは?なんて名前なの?」



「渡邉さんね。 ってことはサボりじゃんw 私は平手友梨奈。 寝坊したのw 」



「まぁ、そうとも言うねw 平手さんか…ん?もしかしたら同じクラスかも。 名簿のところに平手って名前があった気がするもん。 寝坊って私よりひどいんじゃない?w 」



「あ、ほんと!? じゃあ教室まで連れてってよ〜w あと、サボりの方がいけません〜w」



「はいはいw んじゃ戻ろっか。 あ、なんて呼べばいい? 」



「うん! ん〜、そうだなぁ…じゃあ、中学の時はてちって呼ばれてたし、てちで!」



「おっけー、てちね。 じゃあ私のことは理佐って呼んでね。」



「りょうか〜い! これからよろしくね!」



「うん! こちらこそよろしくね。」


そう言って理佐が笑った。 とても綺麗な顔だと、そう思った。