ビジネスパーソンの味方、“ブドウ糖”をうまくとる方法

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ブドウ糖は唯一の脳のエネルギー源

できる人の脳が冴える30の習慣:

 朝食は食べた方がいいのか、食べない方がいいのか。答えは「食べた方がいい」。朝食を抜けばブドウ糖の補給が不足し、その結果、記憶力が低下し、仕事効率が下がってしまう。そこでブドウ糖を上手に補給するポイントを紹介しよう。

 脳のエネルギー源はブドウ糖だけです。血液中にあるブドウ糖の約50%は脳によって消費されているのです。脳を回転させるにはエネルギーが必要です。具体的には脳には1日120グラムくらいのブドウ糖が必要です。

 糖にはいろいろな種類がありますが、ブドウ糖以外の糖は、脳のエネルギー源にはなりません。

 糖尿病の治療をしていると、ときには食べる量と血糖値を下げるインシュリンの注射の量のバランスが悪くなって、低血糖といって、血液中の糖がゼロくらいにまで(正常の場合、空腹時で100?/dlくらい)下がってしまうことがあります。

 そこまで血糖値が下がってしまうと、脳へいくエネルギーもほぼゼロになってしまうので、脳は機能停止になってしまいます。これは危機的状況です。

 血糖ゼロの状態が数分続けば、脳の神経細胞は壊れてしまい、再生することができなくなってしまうのです。低血糖は時間を争う問題なのです。

 いかに脳にとってブドウ糖が大切なものか、分かると思います。

 そして困ったことに、これほど重要なブドウ糖であっても、脳の中には糖をためておくことができないのです。常に血液から糖を得るしかないのです。

 また、このブドウ糖ですが、普通に食事をしていても、口からそのまま入ってくることは少ないのです。食物を通じて体の中で作られていくのです。

 何から作られるかというと、主食となっているご飯やパン、めん類などのデンプン質の食物がメインになります。ご飯やパンを食べて30分くらいたつと、血液中のブドウ糖(血糖)の量はピークになります。そして次々と脳に送り込まれていくのです。

 また、脳に供給されずに余ったブドウ糖は、筋肉には筋グリコーゲン、肝臓には肝グリコーゲンという形で備蓄され、それが体を動かすときの運動のエネルギー源になっています。ただその量はそれほど多くありません。

 夜11時に寝て朝7時に起きれば、8時間は食事からのブドウ糖の補給がありませんから、筋肉や肝臓にためていたブドウ糖を脳は消費しています。睡眠中も脳はブドウ糖を使っていますから、早朝はブドウ糖不足に陥っています。早朝から頭の働きがなかなか全開にならないのは、ブドウ糖が少なくなり、エネルギーが切れた状態だからです。

 それを実証する実験があります。

 健康な老人と大学生について調べたものですが、夕食を食べないで、早朝に50グラムのブドウ糖入り飲料を飲ませた場合と、ブドウ糖の入っていないプラセボ(偽薬)飲料を飲ませた場合との2つのパターンを準備して、文章の一節や単語リストからの自由想起によるテストを行いました。

 すると、ブドウ糖入り飲料のときの方が、そうでないときに比べて、同じ人でも成績が40%も高くなったのです。

 この実験で、いかにブドウ糖の補給が重要か分かります。だから、朝食抜きで会社へ行くのはやめましょう。エネルギーの補給が十分ではないため、脳が十分に機能しません。そのために、記憶力は低下し、仕事の能率も下がってしまいます。

●甘いものばかりでは脳によくない

 ブドウ糖をとると、記憶力を高めたり、注意力や忍耐力を必要とする作業の効率をアップさせられます。これは、英国のウェールズ・スワンジー大学心理学部のベントン教授の研究でも、証明されています。

 また、彼はこのブドウ糖が脳に影響を与える理由として、エネルギーだけの問題ではなく、脳の中の潤滑油の役目をする脳神経伝達物質であるアセチルコリンの生成が高まるからではないかと推論しています。

 こうしたブドウ糖の影響は、若い人よりも中高年に出やすいようです。

 ビジネスマンはブドウ糖の働きを知り、仕事の効率をアップさせるのがいいのです。ただ、食後に上昇した血糖値をすみやかに基準レベルに戻すことができる耐糖能の高い人の方が記憶力がよいといわれています。したがって、糖をどんどんとって、血糖をやたらに上げていけばいいというものではないのです。

 また、糖分が多すぎる食事の後は、動作が鈍くなり、集中力が低下してきます。いくらブドウ糖が脳のエネルギー源になるとはいえ、甘いものばかりを食べるのは逆効果なのです。記憶力をアップするには、やはり適度の摂取を心がけましょう。

 ブドウ糖を上手に補給するポイントをまとめます。

(1)規則正しい食事、とくに朝食は必ずとること

 前述したように、早朝にはブドウ糖が足りなくなり、脳の働きが鈍くなっています。ブドウ糖を摂取することが1日の仕事効率に大きく影響します。朝食を抜く子どもは成績が悪いというような研究報告は、いくつもあります。

(2)朝食にはご飯、パンなどのデンプン質の含まれたものを食べる

 3度の食事は主食をしっかり食べて、ゆっくり血糖値を上げていくことで、脳もエネルギー補給が適度に行えます。

(3)頭を使う仕事の前は運動しすぎない

 せっかく摂取したブドウ糖も、過度の運動によって消費されてしまうと、脳の働きは下がってしまいます。頭を使う仕事の前は運動はひかえめにしておくことも大切です。

(4)仕事に疲れたときに脳を活性化する方法を知っておく

 ただ単に仕事に疲れたら眠ったりしてリラックスするだけではなく、そんな休憩時間にもチョコレートなどの甘いものを食べて、脳を元気にさせておく必要があります。それに関しては、次回、詳しく述べます。

【米山公啓,Business Media 誠】



朝食はとるけど、鈍いのはブドウ糖たりないのかなf^_^;