私は心の中で「おお…やっぱり」と小さく頷いた。

こういうとき、言葉にしなくても通じる“気”のようなものが、家の中には流れている気がする。


娘は珍しく、迷いなくベッドの位置を動かし始めた。

普段なら「まあいっか」と流してしまうような小さな変化に、今日はきちんと向き合っているようだった。


ベッドの脚を引きずる音が、まるで停滞していた空気の膜を破るように響いた。

埃が舞い、光が差し、空間が静かに息をしはじめる。


私はその様子をそっと見守りながら、

「そうか、空間が変わると、気持ちも変わるんだよね」と呟いた。


変化って、誰かに強制されるものではなく、

きっと内側から湧き上がる“そろそろ”のタイミングがあるんだと思う