あの日、何がきっかけだったのか、今ではもうよく思い出せない。

でも、確かに私は、自分の内側に向かって旅に出たのだ。

誰にも見えない地図を片手に、心の奥へと足を踏み入れた。



変わらなくてはダメだともがいていた時期があり、

そのままの自分でいいんだ。

「これでいいのだ!」と思えたあの日。

あの日から私は、内面の旅をしはじめた。


なにが足りないのか分からないまま、

不安で押しつぶされそうになったとき、

少しでも光が見えるならと、いいと言われることは何でも実践した。

100日続けたこともあった。


けれど、「足りない」と思い続けている自分のままでは、

どれだけ行動を積み重ねても、心の奥は満たされなかった。


「もっと頑張らなきゃ」

「もっと成長しなきゃ」

そう思えば思うほど、心は置き去りになっていった。


そんなある日、ふと力が抜けるような瞬間が訪れた。

まるで、やさしい誰かがそっと耳元で囁いてくれたように、

こんな声が聞こえたのだ。


「もう、がんばらなくていいよ」

「足りないんじゃなくて、もう十分だよ」


その声を受け入れたとき、

私はようやく旅のスタートラインに立った。


本当の旅は、

何かを「得る」ためではなく、

すでにここにあるものに気づいていく旅だった。


こうして私は、自分という名の世界を歩きはじめた。

その旅の続きを語るのは、また明日という光の中で。