そこに兵庫県警のトップ・村岡本部長(冨岡弘)
新太郎の元同期生・中川監察官(有馬自由)
そして新太郎の三人の姿。
今、この場でレイプ犯の名を知らないのは村岡だけだった。
そしてとうとう新太郎の口から犯人の名が語られる。
目を見開いたまま、我が耳を疑う村岡…。
新太郎が口にしたのは、あろうことか我が息子の名前だった。
眉間に皺を寄せ、苦渋に充ちた中川の表情
だが、彼はとっくの昔に犯人であろう男の名を知っていた。
県警上層部も皆
誰もが知っていながら必死で隠し通してきた事実。
知らないのはトップの村岡本部長だけだった。
自殺した女の子のレイプ犯で薬物中毒
しかも、その父親を拳銃自殺に追いやった男が
実は兵庫県警のトップで、間もなく
警察庁長官になろうとしている人物の息子だったとしたら
国をあげての大スキャンダルになるのは間違いなく
組織の崩壊にも繋がる。
県警の身内から出た不祥事を
彼らは何としてでも闇に葬らねばならなかった。
又、犯人の父親である村岡の心中を考えると
組織の下に仕える人間達はどうしても言えなかったのだ。
自らも警察官であるめぐみの父親は
我が娘を傷め付け死に追いやった犯人が分かっていながら
一生捕まえることが出来ない…
その絶望感から自らの命を絶ったのである。
探偵という仕事の因果さを知り尽くしていた新太郎は
めぐみの父親である友永の気持ちが痛い程分かり
何ともやるせない気持ちだった。