「LOVE~抱きしめたい♪」
曲が進むにつれ、ジュリーの目が赤くなる。
「お願い、泣かないで・・・」
そう心の中で呟いた瞬間、ジュリーは言葉につまった。
ジュリーの涙に触れると
歌の世界に浸っていた私の心は乱れる。
私の知らない、素のジュリーの横顔を感じてしまうから。
今は、少し落ち着いて受け止められるようになった。
ジュリーと向き合うには、こちらの懐も深くなければいけない。
「あなたに今夜はワインをふりかけ♪」
涙を必死に堪えながら、いつも通り明るく唄うジュリー。
唄い終えた時、そっと涙を拭うジュリー。
そんな姿を目にして
思わず「抱きしめたい」と胸が締め付けられた。
若い頃のジュリーの涙は
早春の雪解け水のように清らかで、ひんやりと冷たかった。
今のジュリーの涙はより清らかで、透明な熱い雫となって
人々の心に深く染み込んでくる。
涙のラブソングの後、ジュリーが住む街に初雪が舞い降りた。