第2回日本・台湾親善ブラインドスキー教室 | ウイズ東淀川のブログ

ウイズ東淀川のブログ

平成6年7月から、東淀川区において結成された、コミニケーション・ボランティア・グループです。
奇数月の第二日曜を定例会とし、【共生】を理念として、共に語り・共に学び・共に遊んでみませんか「をキャッチフレーズに、誰もが集える」場を提供しています。


「第2回日本・台湾親善ブラインドスキー教室」
報告  KABS&CVJ  西正次(弱視)


 平成31年1月18日より、皆様のおかげをもちまして「第2回日本・台湾親善

ブラインドスキー教室」を開催する事が出来ました。
 平成最後のスキーシーズンの初滑りが、このプロジェクトとなり、

待ちどおしさもいつもとは、また一味違う気がします。
 台湾メンバーは、視覚障害者が7名、サポーターが9名の16名が当日のお昼に

関西空港へ到着し、大阪城などを見学した後に、集合場所の日本ライトハウス

「情報文化センター」へ向かいました。
 集合場所を情報文化センターにしたわけは、ここにはブラインドに便利なアイテム
が数多く展示され、販売されているからです。
 一方、日本人ブラインドとサポーターは金曜日と言う事もあり、仕事を終えた後に
急いで駆付けてきた人が多かったです。
 バスは予定通り20時に出発し、目的地の岐阜県にある流葉スキー場へ到着したのは
深夜の1時で、予定より30分早い到着です。
 翌朝19日は7時30分起床、やや遅めですが夜行バスの疲れを考慮し、出だしは

ゆっくりのスキー教室でした。
 去年の反省を活かし、出来るだけスムーズに事が運ぶようにレンタルのブーツと

ウエアのセットは宿に運んでいただき、スキーとストックはゲレンデに運んで頂くと言う

事もしていたのですが、とにかくお互いに目が見えない者たちで、通訳は何人かいる

とはいえ、直接話す事も出来ない事が多い為、苦労は絶えません。
 しかし、皆持ち前の明るさと日本語・中国語・英語の単語を並べ、ポジティブ思考
で乗り切っていきます。
 スキー教室の始めは雪どころか冬と言うものを知らない台湾メンバー全員と一部の
日本メンバーを連れてリフトを使い山頂へ行きました。
 そこは昨夜のうちに降り積もった、ふわふわの美しい銀世界が私たちを

出迎えてくれたのです。
 台湾メンバーは初めて見る雪に、とても感動し両手ですくって丸めてみたり、

上に高く放り投げたりと大喜びでした。
 中には雪だまりに飛び込んで、身体を揺さぶり、泳ぐようなしぐさをしてみたりと
大興奮です。
 いつも思う事は目の見えない相手に、どんなに上手な言葉を百並べようが

千並べようが実際に体験することにはかなわない事なのです。
 この美しい雪山の中で、積もったばかりの雪に触れてもらった事も

とても大きな収穫だと思います。
 スキー教室のプログラムですが、スキー経験のある日本人ブラインドは個々の

レベルに合わせてサポーターと相談の上、レッスンをする者やフリー滑走をする

者たちに分かれます。
 台湾のブラインドは7名ずつしか受け入れが出来ない為、2回目となる今回の

参加者は全てが全くの初心者となります。
 私たちの仲間には元プロスキーヤーでスキーインストラクターでもあるメンバーが
いて、目の見えない全くの初心者に対し、一人一人と向かい合い、恐怖心を

抱かないようにバックボーゲンで誘導して行きます。
 そして、まだリフトに乗れない参加者を私たちが上まで押し上げて行きます。

こうやってコミュニケーションを図りながらスキー教室は進んで行きました。
 スキー教室の初日が終わり、お風呂に入って食事をすませてから一同が集まり、

懇親会をするのですが、その前に反省会として今日一日のレッスンの感想や

希望を聞いたり、指導員の方からもワンポイントアドバイスをしたり、その後は

フリーで質疑応答をしました。
 懇親会では、お互いの国でよく歌われていた歌を披露したり、日本人ブラインドの
一人が三線(さんしん)を演奏し、それに合わせて皆で歌を歌いました。
 2日目は7時に起床し、8時50分には準備を整え、宿舎前に集合し、9時から教室の
開始です。 まずはじめは、昨日の復習をし、そして左右に曲がる練習をしました。

上達に個人差はあれ、台湾ブラインドの方も徐々に自信が付いてきたのか積極的に

滑ろうとします。今日は、午前で終わらなければならないので終了時間が迫っている頃、

指示通りに右に曲がったり、左に曲がったり出来るようになってきました。
 そして11時30分に惜しまれながらスキー教室を終了いたしました。

これで終わりますと伝えた時に、あちらこちらから「あ、あー」と言うため息がもれ、

もっと滑りたいと言う気持ちが伝わってきました。
 次の順番が回ってくるのは数年先ですから無理もなく、その気持ちは痛いほどよく
判ります。しかし、台湾の視覚障害者やそれを支援している皆さんに日本の冬や雪を

知っていただき、スキーを体験していただきながら、日本の視覚障害者とボランティア

団体との交流が深める事が出来ました。
 どの国にも障害者はいて、それを支援する人々がいます。私たちはこの経験を

生かし、それらを結びつける役割の一端を担う事が出来ればと思いました。
 ご支援いただきました皆様のおかげで目的を果たす他、新たな勉強も

させていただきました。
 私たちの活動に御理解を賜り、ご支援・ご協力を頂きました皆様、

心よりお礼申し上げます。