2024年6月21公開されたこの作品。

お父さんの家族想いのパワーが、伊藤家をささえているのか、3人の成人した娘達が人生の課題に向き合いつつも、自由にのびのびと日々生きている。お母さんの存在が醸し出す安定感も凄い。浮気されて離婚した次女の里香が、母と二人っきりになった時、思わず自分のこの先の不安を訴える。「私、大丈夫かなあ…。」

 そんな次女にニッコリ、「大丈夫だよ。」みたいな言葉を軽く伝える。里香は幼なじみのたかおの和菓子屋さんを手伝うことになり、しばらくの間京都へ滞在。たかおの両親に歓迎されて、日々お店のお手伝いをたかおと一緒にやる。何気ない日常の中に、優しさや幸せ感を見つける里香。

 

 お父さんが娘達に言いたいことは、「普通に生きなさい。人生は明日も続くのだから。」そして日常生活の中にある小さな奇跡に気付ける事が幸せなのだと。

 

 物語では、食事を食べる時に感じる「美味しい」という幸せ感が良かった!里香の作る羽根つき餃子は、本当に美味しそうだった!みんなで一緒に食べる喜びが、一層美味しくなるんだね。そうそう、伊藤家のオムライスにもルールがあって、中のチキンライスを目立たせるために、外の卵は1つで薄い。「なあんだ、ふわふわじゃないのか…。」と少々残念そうな三女美香の彼氏候補のイサオ。そんな時、美香が伊藤家由来のオムライスの説明を誇らしくする様が微笑ましかった。

 

 ラストシーンでは、娘に問題が発生したとなれば、ステテコ姿の上に上着を1枚羽織って、外へ飛び出し駆け付けるお父さん。こんなお父さんがいたら素敵だな、と思わずにはいられない。