この映画は、2018年6月15日に公開されました。

ある晴れた日の午後、それは突然起こりました。赤松運送のトラックが走行中、タイヤが突如理由もなく外れてしまったのです。運悪く、道路の近くにはお母さんと男の子が手を繋いで歩いていました。外れたタイヤは飛んでお母さんを直撃し、彼女は命を落としました。

 赤松運送会社の赤松社長は、とても人情味のある方で、社員を家族のように大切にしていました。事故が起こったその日、赤松社長は整備士の門田さんとお昼休み中のキャッチボールを楽しんでいました。電話を受け取り、目の前が真っ暗になる赤松社長。初めは、門田さんの整備ミスを疑いましたが、トラックを運転していた従業員が、「運転中に突然タイヤが飛びました。」と報告するのを聞いて、原因は他にあるのではないか?と思い直します。世間からは運送会社の整備ミスが指摘される中、車両の構造そのものに欠陥がある、と赤松社長は気付きます。

 そこで赤松社長は、製造元の大手自動車会社「ホープ自動車」へ再調査を依頼します。ホープ側では、販売部カスタマー戦略課長の沢田さんがとても不機嫌に対応。沢田さんは、自分の会社を信じていました。しかし、余りにもひつこく赤松社長から依頼が来るので、同僚と内密に調査を始め、会社の秘密であるリコール隠しに辿り着きます。

 「俺が闘わなくて、誰が闘うのか!?」と、自分の信念を貫き真実を追求する赤松社長。自身の身に起きた逆境にも折れることなく、彼は行動しました。彼にとっての一番の味方は、妻の史絵さん。夫を100%信じて、いつも明るく迎えてくれます。息子が学校で、タイヤ事故の件でイジメに遭っても、夫には愚痴一つ漏らしませんでした。赤松社長は、自分を信じ支えてくれる妻と愛する息子を守りました。社長にとって二番目の味方は、宮代専務。彼は頭が良く、何時も社員とその家族の生活を配慮します。三番目の味方は、週刊誌記者の榎本さん。彼女は、ホープ自動車のリコール隠しを知り、記事を執筆しますが、発売寸前に掲載が見送られてしまいます。四番目の味方は、銀行融資係の井崎さん。井崎さんは赤松社長にとっては間接的な味方になりますが、ホープ社の経営不振と営業活動の怠惰をはじめ、脱輪事故の原因はホープ社にあることを突き止める人物です。

 五番目の味方は、ホープ自動車会社の沢田さん。初めは赤松社長を敵対視していたのですが、事故で亡くなった女性の遺児が書いた追悼文を読み、「一体、何が真実なのか?」を知りたくなります。

 物語終盤、赤松運送会社の社員全員が、会社の為に残る決意を表明するシーンは感動もの。会社とは大きな家族であり、社長とは、家族に支えられているお父さん的な存在であると感じます。赤松社長は何があっても逃げず、諦めず、周りを責めず、真実を追及しやり遂げました。