寄らば大樹の会#10「タソガレファンタンゴ〜薄暮の双子座でお会いしませう~」昼の部の覚書です₍₍ (̨̡ ‾᷄‾᷅ )̧̢ ₎₎

 今回も楽しすぎて記憶を手放しかけているので、覚えているうちに。また思い出したら加筆しますが、すでに物凄い文章量で、自分で書いていて引き気味です笑




 ジェミニシアターは良いサイズ感。広すぎず狭すぎず。いつも(生?)温かい感じの岡崎さんらしいイベント会場でした。客席は市松になっていたけれど番号の振り方が少し独特で迷う方が数名いらっしゃった。多分ゴヤのイメージで、ヨーロッパの南の方っぽい歌曲が流れ続ける客席で待つ。


 しゅんしゅんと徐に上手からスモークをマシンが吐き出したかと思うと、怪しげな赤い照明に照らされる舞台。上手袖からさささっと滑るように走って颯爽と登場するは、本日の大スター岡崎大樹氏。黒のハットに、カーキのジャケット、下には自分で絵を描いたらしいブラウス、茶色のズボン、白い紐の通った黒のピカピカハイカットブーツ。(うろ覚え髪は変わらず黒めで長め。ゆるくパーマのかかったワンレン。


 ミュージカルの一曲めっぽい陽気な曲に合わせて「Welcome  to 寄らば〜♪寄らば〜♪」と華麗なダンスと共に歌う岡崎さん。ポーズの美しい指先と、ツンと立てた爪先、綺麗に曲がるお膝に夢中になる。


 中に着ていらしたのは、3日かけて御自らペイントなさったとかいう、背中に大きな樹の描かれたブラウス。胸元まで葉を生い茂らせている立派な大樹でした。肩のところに大きく「YORABA◯◯(よく見えなかった)」と書いてあって、岡崎さん曰く「読めるもんなら読んでみなー」。前の襟元のカラフルなお花もかわいい。(これは元々のデザイン?)


 まさか緊急事態宣言中にイベントができるとは思わなかったと宣うて、終始感謝の言葉を口になさっていた岡崎さん。こちらこそ、こんな大変な時にやってくださってありがとうという気持ちでいっぱいです。


 そして、ずっとやってみたかった、イベントにゲストを呼ぶことを実現できて嬉しそうな岡崎さん。ゲストは同じ事務所の石井咲さん。はっきりしていて面白くて元気な方で、とっても楽しい時間を作ってくださいました。岡崎さんも石井さんもお喋り好きな感じが溢れていて、軽妙なマシンガントークが延々続く。


 石井さんは『ゴヤ』で岡崎さんと共演。「疲れ取れた?」と優しく気遣う岡崎さんに、取れた取れたと笑顔で話す。「ゴヤ声」(ゴヤに出ていると特別嗄れた声になるらしい?)がやっと抜けたとのこと。


 また、本番中もいろんなところが痛かったらしい石井さん、岡崎さんが「この人最後までやり切れるのかなって思ってましたけど」って笑っていらしたけれど、実は凄いダンサーさんなのね。2歳から踊り始めて(踊らされていたと冗談めかしていらしたけど)もう32年この世界にいらっしゃるらしい。カオスパフォーマーズの代官山スタジオに通っていらして、その縁で児童ミュージカル劇団ミクロコスモスに入りミュージカルの世界へ。タップダンスからフラダンス、タヒチアンダンスもなさるらしい。「タップいいなぁ教えてよぉ」と軽くステップを踏んでみせる岡崎さんの愛らしさよ……。さて石井さんは映画『フラガール』公開後すぐの山田和也さん演出の舞台『フラガール』に出演して以来タヒチアンダンスを続けているらしいけれど、「オシリキタエタから、もったいないじゃん?」という思いからだったらしい。「オシリキタエタ」の言い方が面白いと真似しつつ笑っている岡崎さん、かわいい。


 ちょっと踊ってみてという岡崎さんの言葉を受けて、少し踊って「こんなヒールで踊ると思ってなかったから」と笑っていらしたのはここだったかな? タップの時だったかな。


 「咲ちゃんと僕の共演作や関係性、馴れ初めを」と話すお金さんに石井さん(岡崎さんは「咲ちゃん」と呼ぶ)が「馴れ初め⁉︎」と思わず突っ込む笑


 石井さん曰く、本当に初めて岡崎さんと会ったのは、何かのゲネプロを見にいった時だとのことですが、お仕事での初めては『源氏物語×大黒摩季songs〜ボクは、十二単に恋をする〜』らしい。紫吹淳さんの稽古場代役で男役もしつつ一度通したことすらあるという石井さん。この時岡崎さんは弘徽殿(の女御)役。(見たかったなぁ。もっと早く岡崎さんを好きになっていれば……)


 ピアノの真島さん登場。「20201月のシャドアク以来14か月ぶりかな」と岡崎さん。喋りたくないらしい真島さん。「(照明が)眩しいですね!」と笑う真島さんに「これでもだいぶさっきよりマシになったんだよ」と話す岡崎さん。「普段闇に紛れて生きているので」と続ける真島さんを、岡崎さん「えっ?闇の住人?一緒一緒。いや〜(真島さんは)トークも行けるなぁ。次はニコ生で一緒にやりましょう」と誘う。「引き止めちゃってごめんね。じゃあ今日もその役目を果たしていただいて……」とピアノへ促す。


 待ちに待った歌のコーナー。

 岡崎さんに「咲ちゃん(この曲)知ってた?」と聞かれううん知らなかったとあっけらかんと答える石井さん。「きっと咲ちゃんも歌いたいだろうなぁ〜、好きだろうなぁ〜と思って送ったのに、『何それ。知らなーい』って返ってきて笑」と岡崎さん。「そう。知らなーい。URL送ってーってね」と振り返って笑う石井さん。


 なんとなく男女のデュエットだしあれなんじゃないかな〜、なんとなくそんな気配だな〜と思っていたら、どんぴしゃで予想が当たってしまった、ミュージカル『アラジン』より「行こうよどこまでも」。金ローで実写アラジンを見てからというもの、聴きたくて仕方なかった歌だったので、感激……

 アラジンの「ねえ、自由に飛び立って二度と振り返らずにいられたらって、考えたことある?」の台詞からでした。ちょっと照れていらしたのか台詞はおふざけ気味だった岡崎さんもかわいい。

 石井さんのはっきり通る強いハスキーボイス最高にかっこよくて好き。強いジャスミンいいよね。

 岡崎さんはあんまり喉が本調子じゃない感じだったけれど(間違いなく歌前に喋りすぎたせい)、素敵なアラジンでした。

 最後ちょっとふざけた雰囲気でなんだか照れたようにしながら近づいていく2人に見ているこっちが照れてしまったわ´͈  )


 そして「あー!ゲストがいるって楽だなー!」と嬉しそうな岡崎さんのソロ歌唱コーナー。米津玄師の「感電」とミュージカル『ゴヤ-GOYA-』より一曲。

 「感電」は岡崎さんが個人的に歌いたかった一曲らしいけれど、ピアノアレンジもより妖しげな感じになっていて岡崎さんにぴったり。とっても素敵でした。岡崎さんっぽいなって思う一曲。

 『ゴヤ-GOYA-』の曲は言わずもがな素晴らしくて、観にいかなかったことを心から悔やみました。岡崎さんに限らずミュージカル俳優さんあるあるだけれど、ポップスよりミュージカルの曲の方が断然声が伸びやかに表情も豊かになるね。岡崎さんのミュージカル歌唱大好きです。


 Q&Aコーナー。キレのいいニュース番組らしい曲が流れたと思ったら、石井さん改め「滝川プリステル」さんが登場。(オシリキタエタはこの伏線だったみたいです笑茶色のカラーサングラスにアップスタイルの髪でかっこよくキマってました。

 「みなさん岡崎大樹のことをもっと知りたいと思うので、今日は特別なゲストを呼んでいます! 岡崎大樹の髪の毛を一本抜いて、毛根を育てて育てて、岡崎大樹のサイズになりましたっ! 岡崎大樹の毛根さーん!」という石井さんの謎のフリで、岡崎さんは右手を頭の上に伸ばしてうねらせながら岡崎大樹の毛根として登場。「ああっ風が強い……普段靡いているものですから……」みたいなことを呟きつつ笑

 ひと段落したところで、「こんなフリある? リハーサルと違うことやって」と言う岡崎さんに「どうしても、毛根さーんいらっしゃーい!がやりたくて」と石井さん。岡崎さんが「うまく行ったの?」と突っ込むと、「あんまりうまくいかなかった。こういうのって難しいね。やりたいと思ってもなかなかうまくいかない」と石井さん。岡崎さんはその言葉にかなり賛同していらっしゃった。お二人とも勢いも凄くて面白かったけどね。


質問の順番は忘れてしまったので思い出せる限りで書きます。


 「今回はゲストがいるから、深い話も話せる。いつも一人で喋って一人で回収しないといけないからそこまで深く喋れないんだけど」とうんうんと頷きながら語る岡崎さん。

 いつもは朝起きると「僕は誰なんだ……? 人はなぜ生きているんだ……?」と考え始めてしまうけれど、今朝は起きた瞬間から「感謝。この日を迎えられたことに感謝。」という気持ちでいっぱいだったとお話ししていらっしゃった。こちらこそありがとうという気持ちでいっぱいです


・「本番前のルーティーンはありますか?」

『ゴヤ-GOYA-』ではバーレッスンをするのが本番前のルーティーンになっていたけれど、感染症対策の関係からホールのロビーでアップができず、決まった小さい部屋でアップをしていたとのこと。その部屋の天井が低くて、手を伸ばすと天井に着いてしまっていたらしい。岡崎さんが「手がぶつかっちゃうんですけど」と制作さんに訴えるも、「あー!そっかー!(カンパニーに)でっかい人いたかー!」と、しまったー!という雰囲気で言ったきり特に何もなく、斜めに伸びてみるなど工夫しながらアップをしていたそう。


・「これから新しい部署に移動になり、最初の挨拶などをどうしようか悩んでいます。新しい舞台の顔合わせの時はどうしていますか? アドバイスをお願いします。」

 岡崎さんは自分が一番後輩の時はみんなに挨拶しなくちゃいけないからよかったけれど、自分より下の後輩が出るようになって、挨拶回りが難しくなったとのこと。舞台の最初の顔合わせの時に、マネージャーさんや事務所の関係者の人などどこまで挨拶をするか迷うとのことでした。石井さんはにっこり笑顔を絶やさないようにしながらやり過ごすらしい。

 でも、感染症対策でまずその大きな(マネージャーや事務所関係者も来る)顔合わせはなくなったねと、お二人で話していらっしゃいました。今は役者とスタッフだけの顔合わせくらいしかしないらしい。


・「『ゴヤ -GOYA-』で印象に残っているシーンはどこですか?」

 岡崎さんは場転が印象に残っているらしく、この場で再現することに。公爵夫人の合図で2×8の間に大道具を出してハケるというのが大変とのこと。そこで真島さんが大きめの段ボール箱を担いで、重そうな芝居をしつつヨロヨロ歩きながら登場。袖の中から芝居を始めたらしく「(袖で)そんなプルプルしてるの見えてないから笑」と突っ込む岡崎さん。「この段ボール、立派なソファーに見えますね!」と言いつつ段ボールを下手へ。

 場面転換の段取りはこう。まず別のアンサンブルさん二人が舞台奥から絨毯を敷き、そこへ岡崎さんと岡田さん(って聞こえた気がする)がソファーを運びつつ登場。途中で進行方向の方を持つ岡崎さんが一度ソファーに轢かれるというコミカルな小芝居があり、岡崎さんが手で端まで伸びていない絨毯を伸ばして綺麗に敷かれた状態にしつつ、ソファーを移動させて設置。大道具のロックは普通だったら足で掛けられるようになっているけれど、足が入らない大きさの穴なので、手でソファーのロックをする。それが完了したらハケる。

 真島さんがそのシーンのBGMをピアノで弾き始め、「じゃあインテンポ(実際のテンポ)でやってみます!」と再現スタート。まず石井さんが公爵夫人の掛け声をし、岡崎さんと二人で別のアンサンブルさんの絨毯敷きの振り、その後ソファー設置。

 見事2×8で完了!と思いきやその続きをノリノリで歌い始める石井さんwwww すかさず「何小節いくらとかでお金かかってくるんだから!」と突っ込む岡崎さんに、石井さんは「えー!でもさっき歌ってたじゃん!あれはいいの?」と笑顔で返す。なんて贅沢な……。石井さんのお歌超かっこよかった。


 「最後ラスイチで答えますか? すぐ答えて終わりにします!」と岡崎さん。

 最後の質問は「47都道府県でまだ行ったことがないけれど、行ってみたいときりはありますか?」

 これには宣言通り「北海道!」と片手をピンと上げ即答して、「ありがとうございましたー!」と質問コーナーは終了‼︎


 岡崎さんの準備の間には、真島さんのピアノ演奏が鮮やかに響き渡る。何という曲なのかとても気になる、切なくも、情熱的で、また心躍る、刻一刻と自然に目まぐるしく変わる人の心を映したかようなメロディーで、惚れ惚れとする演奏でした。歌を歌うように自由に奏でられるピアノの音に、夢中になって耳を傾けました/////


 そして、ダンスパフォーマンスのコーナー。音楽とともに、裸足に白いシャツ、白いズボンで静かに登場する岡崎さん。切なく少し苦しいようなそんな表情。狭いステージの中でしなやかに伸びやかに踊る岡崎さんは、浮世離れ、そして人間離れした美しさ。

 そこに石井さんも白のトップスに白のズボンで登場し、なんとも言えない優美なペアダンス。リフトをしたり、対になって踊ったり。

 二人とも切ない表情で、悲しい運命の恋人同士にも見える。でも、これは私の先入観もあるとは思うけれど、「ジェミニ」つまり「双子」がテーマとして透けて見えるように感じた。二子玉川のジェミニシアターが会場だから、「タソガレファンタンゴ 〜薄暮の双子座でお会いしませう〜」というサブタイトルを岡崎さんがつけたのだと思うけれど、ダンスにもそのニュアンスを入れたのではないかな。上手く表現できはしないけれど、恋人にしては素っ気なく、あまりに同じ色で、動きも恋人というより兄妹のようなシンクロ具合だったから。身長もお顔立ちも全然違うのに不思議な感覚だった。解釈が合っているかはわからないけれど。恋人以上に信頼感と絆を感じる表現で、俗っぽさがなく神秘的で、双子座の星々の煌めきそのもののようにも見えて。その物語の真相を知りたいなぁ。


 最後の挨拶では、「本当は時間ギリギリまでイベントをやって急いで帰っていただくのでもいいのですが、皆さんの足腰が心配なので、余裕を持ってゆっくり帰っていただいて……」と、優しいんだか馬鹿にしてるのか謎のいつも通りの岡崎節でさようなら。


 五月病を引き摺る身体と心に、刺激的な光の差し込むような、そんな感覚を覚える最高に楽しいイベントでした。夜の部も行きたかったなぁ。岡崎さんのイベントは古川雄大さんのイベントと似たシュールな楽しみがあって、毎回実家感があるというか、ドキドキしつつもリラックスできるのが好き。また寄らば大樹の会、参加しちゃおう。


**ゆうふじ(*´ω`*)**