【独偏ベストテン 6-3】 小室哲哉 作曲シングル (資料編 その2) | 歌謡曲(J-POP)のススメ

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音楽といっても数々あれど、歌謡曲ほど誰もが楽しめるジャンルは恐らく他にありません。このブログでは主に、歌謡曲最盛期と言われる70~80年代の作品紹介を通じて、その楽しさ・素晴らしさを少しでも伝えられればと思っています。リアルタイムで知らない若い世代の方もぜひ!

 今回は、独偏ベストテンがらみの追加企画として、小室哲哉作曲シングルの資料編(その2)をお送りしましょうかね。例によって、2013年2月27日の記事「【独偏ベストテン 6-2】 小室哲哉 作曲シングル(資料編)」の続きの形式でいってみましょう


(3)オリコン売り上げ枚数との比較

 前回記事でも触れたように、小室哲哉といえば、1996年のオリコンチャートで、彼の作詞・作曲・プロデュースした作品が1位から5位までを独占したことが何とも印象深いですよね (しかも、これがすべて異なるアーティストの作品だというのがスゴイ)。歌謡チャートを俯瞰してみると、1994年から1997年あたりまで、およそ丸3年の長きにわたって、言わば「小室の時代」とでも呼ぶべき時代があり、この期間に大量のミリオンセラーが生まれています

 それではさっそく、小室哲哉の作曲シングル(A面)を、オリコンの売り上げ枚数に基づいてランク付けした結果のご紹介です
(小室哲哉自身のソロ&グループの作品も含みます)。こんな感じになっていましたよ~()。

【オリコン売り上げ枚数ベスト20 小室哲哉作曲シングル(A面)】
第1位 CAN YOU CELEBRATE?(安室奈美恵)(1997.2.19発売、1位、229.6万枚)
第2位 DEPARTURES (globe)(1996.1.1発売、1位、228.8万枚)
第3位 WOW WAR TONIGHT (H. JUNGLE with t)(1995.3.15発売、1位、213.5万枚)
第4位 恋しさと せつなさと 心強さと (篠原涼子 with t. komuro)(1994.7.21発売、1位、202.1万枚)
第5位 CRAZY GONNA CRAZY (trf)(1995.1.1発売、1位、158.7万枚)
第6位 I’m proud (華原朋美)(1996.3.6発売、2位、139.0万枚[1,390,440枚])
第7位 Don’t wanna cry (安室奈美恵)(1996.3.13発売、1位、139.0万枚[1,389,700枚])
第8位 masquerade (trf)(1995.2.1発売、1位、138.9万枚)
第9位 survival dAnce ~no no cry more~ (trf)(1994.5.25発売、1位、137.6万枚)
第10位 Chase the Chance (安室奈美恵)(1995.12.4発売、1位、136.2万枚)
第11位 FACE (globe)(1997.1.15発売、1位、132.3万枚)
第12位 Can’t Stop Fallin’ in Love (globe)(1996.10.30発売、1位、131.6万枚)
第13位 BOY MEETS GIRL (trf)(1994.6.22発売、3位、128.5万枚)
第14位 Going Going Home (H. Jungle with t)(1995.7.19発売、2位、126.0万枚)
第15位 YOU ARE THE ONE (TK PRESENTS こねっと)(1997.1.1発売、1位、122.5万枚)
第16位 You’re my sunshine (安室奈美恵)(1996.6.5発売、1位、109.9万枚)
第17位 a walk in the park (安室奈美恵)(1996.11.27発売、1位、106.7万枚)
第18位 Overnight Sensation ~時代はあなたに委ねてる~ (trf)(1995.3.8発売、1位、106.3万枚)
第19位 Hate tell a lie (華原朋美)(1997.4.23発売、1位、105.9万枚)
第20位 I BELIEVE (華原朋美)(1995.10.11発売、4位、102.8万枚)


 いやはや、1位から20位まですべてミリオンセラーというのは、なんとも壮観ですねぇ…(しみじみ)。アーティスト別に見てみると、安室奈美恵trfがいずれも5作品、華原朋美globeがともに3作品、ダウンタウンの浜ちゃん(ただいま翼をへし折られて反省中)が2作品、篠原涼子が1作品、TK PRESENT こねっとが1作品・・・とこれだけ。もっとも、“TK PRESENT こねっと”というのは、「WE ARE THE WORLD」の小室ファミリー版みたいなもんなので、事実上、6アーティストで上位20作品を独占していると言ってもいいでしょうね

 さてここで、ちょっと比較のために、私が2012年4月21日付けの記事で発表した小室哲哉作曲シングルベスト20(この回は対象曲があまりに多いということで、第20位から発表したんでしたね・・・
)を、再披露してみましょう。こんな感じになっておりました

【wishy-washyの独偏ベスト20 小室哲哉作曲シングル(A面)】
第1位 海とあなたの物語 (未来玲可)(1998.11.4発売、7位、31.3万枚)
第2位 WOW WAR TONIGHT (H. JUNGLE with t)(1995.3.15発売、1位、213.5万枚)
第3位 Lady Ganeration (篠原涼子)(1995.8.2発売、5位、53.4万枚)
第4位 I BELIEVE (華原朋美)(1995.10.11発売、4位、102.8万枚)
第5位 Kiss You ~世界は宇宙と恋におちる~ (TM NETWORK)(1987.10.1発売、4位、11.1万枚)
第6位 Let’s Play Winter (hitomi)(1994.11.21発売、-位、-万枚)
第7位 My Revolution (渡辺美里)(1986.1.12発売、1位、44.5万枚)
第8位 50/50 (中山美穂)(1987.7.7発売、2位、21.1万枚)
第9位 How to be a Girl (安室奈美恵)(1997.5.21発売、1位、77.2万枚)
第10位 alone in my room (鈴木あみ)(1998.9.17発売、3位、35.3万枚)
第11位 Feel Like dance (globe)(1995.8.9発売、3位、95.2万枚)
第12位 ダイヤモンドは傷つかない (東京パフォーマンスドール)(1993.11.10発売、34位、1.7万枚)
第13位 EZ DO DANCE (trf)(1993.6.21発売、15位、78.4万枚)
第14位 ふわふわふるる (tohko)(1998.7.15発売、16位、6.7万枚)
第15位 恋をするたびに 傷つきやすく… (翠玲)(1995.7.19発売、59位、3.8万枚)
第16位 oh-darling (convertible(ヴォーカル:観月ありさ))(1998.7.8発売、23位、10.7万枚)
第17位 Girls, be ambitious! (TRUE KiSS DESTiNATiON)(1999.5.12発売、9位、22.6万枚)
第18位 Only You (内田有紀)(1995.4.21発売、2位、44.5万枚)
第19位 Process (Ring)(1998.4.23発売、14位、7.1万枚)
第20位 Good Morning-Call (小泉今日子)(1988.3.9発売、2位、17.0万枚)


 これはまた、オリコンの売り上げ枚数とはまるっきり違いますねぇ。あとは、若干アイドル系が多めにランクインしてます。まぁ、私の独偏ランキングでは1アーティスト1作品という制限を付けているので、今回は最大でも7作品しか重複しようがないといえばないのですが、よーく見てみると、オリコン売り上げ枚数ベスト20と重複しているのは、浜ちゃんの「WOW WAR TONIGHT」と、華原朋美の「I BELIEVE」の2作品だけでした

 でもね、私の独偏ベスト20の方をよ~く眺めてみて下さい
。一点だけいつもの結果とは全く違う点があるんですよ。それは、オリコン圏外のマイナー作品がたった1曲hitomiの「Let’s Play Winter」しかないってことです。・・・とは言っても、この回に限って、私が売れてる曲だけを意図的に選んだということではありません(マニアックな私は、売れない作品も当然の如くしっかりチェックしているので)。

 なぜこんなことになったかと言うと実は簡単な話でして、小室哲哉が手掛けたシングル(A面)作品は、その大部分がヒットしている
というワケ今回対象とした約300曲のシングルA面のうち、オリコンチャート圏外の作品は何とたったの30曲程度・・・ってことは、言い換えると9割はランクインしている計算になりますね。私はコンポーザーごとのシングルデータベースを作成しているので分かるのですが、これって実はとんでもなく高い確率なんですよね そんなこんなで、‘90年代の歌謡界で“小室ブランド”がもてはやされた理由は、実はこんな所にもあったのではないかと私は思っているのです

 それでは、今日のところはこの辺で
 またお逢いしましょう~