【好事家w.w.からの挑戦状 12-2】 オリコンチャートあれやこれや (その2、解答編) | 歌謡曲(J-POP)のススメ

歌謡曲(J-POP)のススメ

音楽といっても数々あれど、歌謡曲ほど誰もが楽しめるジャンルは恐らく他にありません。このブログでは主に、歌謡曲最盛期と言われる70~80年代の作品紹介を通じて、その楽しさ・素晴らしさを少しでも伝えられればと思っています。リアルタイムで知らない若い世代の方もぜひ!

 さて、今回も予告通り、前回記事「【好事家w.w.からの挑戦状 12-1】 オリコンチャートあれやこれや (その2)」の解答編をお送りしたいと思います

 クイズは(その1)と同じく全部で3問でした
。チャレンジして下さった方、難しかったですか~ それでは、さっそく一問ずつ解説を交えながら見て参りましょう


【問題1】
 オリコン史上初めて、「週間チャート1位獲得 かつ 売り上げ枚数10万枚割れ」を記録したシングル作品は、次のうちどれでしょうか?
① 「自分でゆーのもなんですけれど」(ニャンギラス)(1986.6.21発売)
② 「鏡の中の私」(吉沢秋絵)(1986.9.10発売)
③ 「あの夏のバイク」(国生さゆり)(1986.12.3発売)
④ 「かたつむりサンバ」(おニャン子クラブ)(1987.5.21発売)
⑤ 「夏休みだけのサイドシート」(渡辺満里奈)(1987.7.15発売)

【問題1の解答】
④ 「かたつむりサンバ」(おニャン子クラブ)(売り上げ枚数7.2万枚)

解説コメント
 これはですねぇ、難問でした。そもそも、こういう切り口からチャートを眺めている人なんて、マニア以外にいないでしょうからね。ちなみに、その他の選択肢の売り上げ枚数は、それぞれ次の通りです。
① 「自分でゆーのもなんですけれど」(ニャンギラス)(10.0万枚)
② 「鏡の中の私」(吉沢秋絵)(12.1万枚)
③ 「あの夏のバイク」(国生さゆり)(10.9万枚)
⑤ 「夏休みだけのサイドシート」(渡辺満里奈)(8.3万枚)
 ここで急いで補足しておくと、ニャンギラスの(100枚の位を四捨五入して)10.0万枚というのは、正式には100,260枚で、オリコン記録上もしっかり10万枚越えしているのでセーフ
。そんなこんなで、ニャンギラスのメンバーは不名誉記録の達成をスレスレで逃れたのですが、その1年後に“本丸”のおニャン子が“当たり牌”を振り込むことに・・・。まぁ正直言って、記録の達成は時間の問題だったと思います。それくらい、シングルレコードが全然売れない時代だったんですよねぇ(遠い目)。


【問題2】
 オリコン史上でミリオンセラーを達成したシングルのうち、週間チャート最高位が最も低い作品は、次のうちどれでしょうか?
① 「CROSS ROAD」(MR. CHILDREN)(1993.11.10発売、売り上げ枚数125.6万枚)
② 「DA. YO. NE」(EAST END×YURI (from T. P. D.))(1994.8.21発売、売り上げ枚数101.8万枚)
③ 「シングルベッド」(シャ乱Q)(1994.10.21発売、売り上げ枚数120.2万枚)
④ 「ゆずれない願い」(田村直美)(1994.11.9発売、売り上げ枚数109.2万枚)
⑤ 「めざせポケモンマスター」(松本梨香)(1997.6.28発売、売り上げ枚数112.8万枚)

【問題2の解答】
③ 「シングルベッド」(シャ乱Q)(オリコン最高位9位)

解説コメント
 オリコンシングルチャートの長い歴史の中で、週間チャートのベストテンに一回も入らずにロングセラーを続けてミリオンセラーとなった作品は、実は一作もありません ’70~’80年代に、それに近いチャートアクションを見せたのはもっぱら演歌だったのですが(例えば「北国の春」(千昌夫)(1977.4.5発売、オリコン最高位6位、売り上げ枚数130.9万枚)、’90年代に入るとチャートの様相がガラッと変わって私も驚きました・・・。各選択肢のオリコン最高位は、それぞれ次の通りです
① 「CROSS ROAD」(MR. CHILDREN)(オリコン最高位6位)
② 「DA. YO. NE」(EAST END×YURI (from T. P. D.))(オリコン最高位7位)
③ 「シングルベッド」(シャ乱Q)(オリコン最高位9位)
④ 「ゆずれない願い」(田村直美)(オリコン最高位7位)
⑤ 「めざせポケモンマスター」(松本梨香)(オリコン最高位7位)
 中でも特に粘り強いチャートアクションを見せたのが、①、③、⑤で、週間チャート100位以内登場週数は、それぞれ50週、54週、56週・・・つまり、丸1年間通してヒットし続けたということになります
まるで演歌のような売れ方ですよね~


【問題3】
 オリコンのシングル週間チャートの最高位が“2位止まり”の連続作品数の最高記録を持っているアーティストは、次のうちどれでしょうか?(そのアーティストの最高位“2位止まり”が連続何回なのかも、合わせて予想して下さい。)
① 郷ひろみ
② Wink
③ 倉木麻衣
④ 松浦亜弥
⑤ Perfume

【問題3の解答】
⑤ Perfume (連続作品数: 7作) 

解説コメント
 これも難問でした・・・というのはですねぇ、実は数年前まで本問の答えは ④松浦亜弥 だったんですが、昨年2月にPerfumeが記録を塗り替えてしまったのです
。ちなみに、オリコン最高位の推移はこんな感じです()。
【「ワンルーム・ディスコ」(最高位1位)→】 「不自然なガール」(2位)→「VOICE」(2位)→「ねぇ」(2位)→「レーザービーム」(2位)→「スパイス」(2位)→「Spring of Life」(2位)→「Spending all my time」(2位)→「未来のミュージアム」(2位) 【→「Magic of Love」(3位)】
 連続作品数7と聞いて、皆さんはどうお感じになりましたか
 「うわっ、かわいそう・・・」、「そんなもんじゃないの」、「意外と少なかったなぁ」・・・、きっと感じ方は様々でしょうね。でも、ちょっと考えてみて下さい。連続作品数7となると、シングルのリリース間隔を考えれば、少なくとも2年程度にわたって“売れっ子”で居続ける安定感が求められますし、かといって何かのはずみで1位を獲得してしまったら即アウト。また、この記録は他のアーティストのリリースタイミングに大きく左右されるという難しさがあり、1位連続記録のように“本人が頑張れば達成できる”タイプの記録ではありません。さらにこの記録が出にくい理由として、“どのアーティストもこの記録を狙っていない(できれば避けたい)”という点も無視できないでしょう。そんなこんなで、我々が想像する以上に“出にくい記録”だと言うことがお分かり戴けたでしょうか。参考までに、Perfume以外の選択肢についても、オリコン最高位の推移を以下に書いておきますね。
① 郷ひろみ (連続作品数: 4作)
【「天使の詩」(最高位17位)→】 「愛への出発(スタート)」(2位)→「裸のビーナス」(2位)→「魅力のマーチ」(2位)→「モナリザの純愛」(2位) 【→「花とみつばち」(3位)】
② Wink (連続作品数: 4作)
【「Sexy Music」(最高位1位)→】
 「夜にはぐれて」(2位)→「ニュー・ムーンに逢いましょう」(2位)→「きっと熱いくちびる」(2位)→「真夏のトレモロ」(2位) 【→「背徳のシナリオ」(3位)】
③ 倉木麻衣 (連続作品数: 4作)
【「Reach for the sky」(最高位3位)→】
 「冷たい海」(2位)→「Stand Up」(2位)→「always」(2位)→「Can’t forget your love」(2位) 【→「Winter Bells」(1位)】
④ 松浦亜弥 (連続作品数: 5作)
【「LOVE涙色」(最高位3位)→】
 「100回のKiss」(2位)→「桃色片思い」(2位)→「Yeah!めっちゃホリディ」(2位)→「The 美学」(2位)→「草原の人」(2位) 【→「ね~え?」(3位)】
 倉木麻衣は、上の連続作品数4作とは別に連続作品数3作という記録を2回も出すというアンラッキーぶり
ですが、それでも「Stay by my side」と「Winter Bells」で1位を2回ゲットしてますからまだマシかも結局一番かわいそうなのは、これまでソロシングルで1回も1位を獲れていない松浦亜弥・・・なのではないでしょうか


 それでは今回の記事はこの辺でおしまい またお逢いしましょう~