【独偏ベストテン38-3】 渡辺美奈代のシングル作品 (資料編) | 歌謡曲(J-POP)のススメ

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音楽といっても数々あれど、歌謡曲ほど誰もが楽しめるジャンルは恐らく他にありません。このブログでは主に、歌謡曲最盛期と言われる70~80年代の作品紹介を通じて、その楽しさ・素晴らしさを少しでも伝えられればと思っています。リアルタイムで知らない若い世代の方もぜひ!

 さて、今回は予告通り、「渡辺美奈代のシングル作品 独偏ベストテン」の記事(11/19、11/25)の資料編をアップしたいと思いま~す

(1) エントリーシングル作品一覧

 いつもと同様に、今回の”独偏ベストテン”を決めるベースとなった候補作品一覧(発売順)を、オリコン最高位と売り上げ枚数(千枚未満は四捨五入)と合わせて載せておきます。今回の独偏ベストテンで3位以内にランキングされた作品を太い赤字で、4~10位の作品を太い青字でそれぞれ示しておきました。よろしければデータベースとしてご利用下さいませ

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【渡辺美奈代 シングルA面一覧】 【最終更新日:2013年11月28日】
アーティスト/タイトル/作詞/作曲/編曲/発売日/オリコン最高位/オリコン売り上げ枚数
渡辺美奈代/瞳に約束/秋元康/後藤次利/後藤次利/1986.7.16/1位/20.2万枚 <独偏1位>
渡辺美奈代/雪の帰り道/秋元康/後藤次利/後藤次利/1986.10.15/1位/16.6万枚
渡辺美奈代/TOO ADULT/秋元康/後藤次利/後藤次利/1987.1.15/1位/15.1万枚 <独偏3位>
渡辺美奈代/PINKのCHAO/秋元康/後藤次利/後藤次利/1987.4.15/1位/12.7万枚 <独偏7位>
渡辺美奈代/アマリリス/和泉ゆかり/後藤次利/後藤次利/1987.7.29/1位/11.4万枚 <独偏10位>
渡辺美奈代/ガールズ・オン・ザ・ルーフ/遠藤京子/遠藤京子/中村哲/1987.11.18/2位/8.8万枚 <独偏5位>

渡辺美奈代/両手いっぱいのメモリー/小林和子/和泉常寛/中村哲/1988.2.26/10位/7.1万枚
渡辺美奈代/ちょっと Fallin' Love/文園千津子/鈴木慶一、渚十吾/鈴木慶一/1988.5.18/6位/5.6万枚 <独偏2位>
渡辺美奈代/抱いてあげる/滋田美佳世/鈴木慶一、渚十吾/鈴木慶一/1988.8.3/6位/5.0万枚 <独偏6位>
渡辺美奈代/いいじゃない/滋田美佳世/鈴木慶一、渚十吾/鈴木さえ子/1988.11.9/13位/3.2万枚
渡辺美奈代/愛がなくちゃ、ネッ!/滋田美佳世/鈴木慶一、渚十吾/鈴木慶一/1989.1.21/14位/3.0万枚 <独偏9位>
渡辺美奈代/Winter, スプリング, Summer, フォール/覚和歌子/鈴木慶一、渚十吾/鈴木慶一/1989.6.14/14位/2.5万枚 <独偏8位>
渡辺美奈代/恋愛(ロマンス)紅一点/松井五郎/井上ヨシマサ/井上ヨシマサ/1989.11.22/34位/1.4万枚 <独偏4位>

渡辺美奈代/ピチカート・プリンセス/横山武/井上ヨシマサ/ATOM/1990.8.22/43位/1.6万枚
渡辺美奈代/Hanako の結婚/井上ヨシマサ/井上ヨシマサ/井上ヨシマサ/1991.8.23/90位/0.5万枚
渡辺美奈代/オフロでGO!/佐伯里絵.三浦徳子/北野誠/根岸貴幸/1995.4.26/圏外/圏外
渡辺美奈代/いろいろあったけど/秋元康/羽田一郎/樫原伸彦/1996.4.24/圏外/圏外

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(2) ちょっとした”おニャン子考”・・・


 上の表をざっと眺めると、デビュー
シングルで最大セールスを上げて、その後はリリースを重ねるたびにほぼ単調現象的にセールス枚数を減らしています。おニャン子クラブからソロデビューしたメンツのシングル売り上げの推移は、新田恵利国生さゆり福永恵規高井麻巳子、(渡辺美奈代)、渡辺満里奈岩井由紀子我妻佳代生稲晃子・・・ごく一部の例外を除いて、み~んなこんな感じでした

 「・・・えアイドル歌手なんて、普通そんなもんじゃないのぉ・・・」と言う方がもしおられたら、目の前でチッチッチ~(←ひとさし指のワイパー)ですからね少なくとも”おニャン子以前”に歌手業メインで出てきたアイドル歌手の多くは、1年目から大ブレイクというよりも、デビューしてしばらく経ってから徐々に世間に人気が浸透していく・・・というプロセスをたどっているのです(例:松田聖子、小泉今日子、本田美奈子・・・)

 おニャン子ソロデビュー組が、そういった経緯をたどらなかった理由は割とハッキリしています
。それは、番組「夕焼けニャンニャン」でせっせと名前と顔を売り込んでおいて、人気がある程度盛り上がったところで単品として売り出したからですね。言い換えると、アイドル人気の発力は抜群だけどその分”伸びしろ”はほとんど見込めないということでもあります。となると、いやしくも彼女たちを歌手として長持ちさせたいと思うならば、秋元康大明神を始めとするスタッフ側がもっとバラエティに富んだライター陣を投入するなり、優れた楽曲を手当てするなり、彼女たちをもっともっとフォローすべきだったのではないでしょうか

 ところが、秋元大明神はおニャン子クラブという”打ち上げ花火”を乱発して、どんちゃん騒ぎをしただけ・・・彼女たちを歌手として長持ちさせようという気は微塵もなかったとしか私には思えません。歌謡曲を愛する身としては、この所業が非常にムカつくわけで、私が「おニャン子クラブというシステムが嫌い」と言って憚らない所以なのです。

 話が少し戻るようですが、上に書いた「ごく一部の例外」というのは、河合その子(3作目「青いスタスィオン」がピーク)、吉沢秋絵(2作目「季節はずれの恋」がピーク)城之内早苗工藤静香(「MUGO…ん色っぽい」や「慟哭」などで何度かセールス回復)あたりのことを指しています。このうち城之内早苗は途中で完全に演歌方面にシフトしたので除外しましょうか。また、吉沢秋絵の「季節はずれ・・・」に関しては、テコ入れのためにおニャン子全員参加による「会員番号の歌」をB面に入れたがゆえのヒットなのでこれも”例外の例外”とすると、本当に作品の素晴らしさのみでセールスを回復したのは河合その子と工藤静香の2人だけということになるのですここで私が秋元大明神に問いたいのは、おニャン子メンバーの多くが歌唱力も覚束ない素人の寄せ集めだったことを差し引いても、この確率はいくら何でも低すぎやしませんか・・・ ということです。 ま、それはともかくとして、渡辺美奈代だって河合その子や工藤静香に負けず劣らず楽曲には恵まれていたと思うので、特に鈴木慶一にプロデュースしてもらった一連のシングルが好セールスに結びつかなかったことがつくづく悔やまれるのです

 あ~、何だか後半は特にネガティブな内容ばかりになってしまってごめんなさいm(u_u)m最後は”お口直し”に、美奈代のアルバム『ホッピング』から、私のお気に入りナンバー「異国のタンデム」をお送りして締めとします。この曲で少し明るい気分を取り戻してもらえると、私も本望なのですが・・・。それでは、またお逢いしましょう~