【独偏ベストテン 29-2】 浅野ゆう子のシングル作品 (1~5位) | 歌謡曲(J-POP)のススメ

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音楽といっても数々あれど、歌謡曲ほど誰もが楽しめるジャンルは恐らく他にありません。このブログでは主に、歌謡曲最盛期と言われる70~80年代の作品紹介を通じて、その楽しさ・素晴らしさを少しでも伝えられればと思っています。リアルタイムで知らない若い世代の方もぜひ!

 さて。毎度毎度、私が書きたいと思うアーティストやコンポーザーを俎上に乗せて、需要のあるナシとは無関係にお送りしている「独偏ベストテン」のコーナー(←これが会社だったらとっくにツブれてますな)、今回は浅野ゆう子で3回も書いてしまおうという暴挙に出ておりますが、皆さんご機嫌いかがでしょうか(←言うに事欠いてそれかい

 それではいよいよベスト5の発表です。第5位から一気にどうぞ~



第5位 バレンチノ インフェルノ 【オススメ度★★★】
作詞:阿久悠、作曲:都倉俊一、編曲:都倉俊一
[1981.10.??発売; オリコン最高位-位; 売り上げ枚数-万枚]


 第5位にランクインしたのは、19作目のシングル「バレンチノ インフェルノ」でした~。CMで頻繁に流れていた ♪ 私の私の バレンティーノ の部分だけが何とな~く頭の片隅にあって、「え、これがそうなんだぁ(ポン←膝をたたく音)」と、認識を新たにした方も意外と多いのではないでしょうか

 この頃の浅野ゆう子は、シングルがオリコン100位に入らなくなってから2年以上が経過
。ちょっとアヤしい私の記憶によれば、化粧はどんどん濃くなるわ、水着のグラビアでも生地の面積がどんどん減っていくわでチキンな男どもを寄せ付けない“高飛車”なタレントイメージがすっかり板についてきた時期だったように思います

 んで、この「バレンチノ インフェルノ」は、往年の名コンビ(阿久悠都倉俊一)の手による、映画の一幕を想起させるようなゴージャスでドラマティックな作品
なんですねー。後期のピンク・レディーがシングルとしてリリースしてもおかしくない風情ですが、当時の浅野ゆう子のイメージにもピッタリでまったく違和感ありません。むしろ目を閉じて耳を傾けると、ピンク・レディーの歌声に聴こえてくるから不思議です・・・



第4位 セクシー・バス・ストップ 【オススメ度★★★】

作詞:橋本淳、作曲:J. ダイヤモンド、編曲:高田弘
[1976.4.25発売; オリコン最高位12位; 売り上げ枚数18.9万枚]


 第4位にランクインしたのは、8作目にして浅野ゆう子最大のヒット曲となった「セクシー・バス・ストップ」でした~
。この作品は、もともと“Dr. ドラゴンとオリエンタル・エクスプレス”という謎のアーティストがインストゥルメンタルで発売して話題になった(1976.3.5発売、オリコン最高位25位、売り上げ枚数18.9万枚)ところで、満を持して()浅野ゆう子がリリースしたものです

 作曲のJ. ダイヤモンドというのが、かの筒美京平センセの変名だということは前回記事で触れた通り
。種明かしされれば、「なーんだ」ってなワケですが、当時は『外国人が作曲した』ことにした方が売れる可能性が高かったからという理由が何とも笑えますよネ。そしてこの仕掛けは結果的に大成功(しかも筒美センセは1粒で2度おいしい思いをしたという・・・) これはまさにアイデアの勝利と言えましょう。間奏のところで“琴”や“尺八”をフィーチャーしてオリエンタル風味を醸し出すという、高田弘センセのアレンジも印象深いです

 ♪ いつものジューク・ボックス かけてもあなたはいないのね のところで登場する“ジューク・ボックス”がもはや死語なのはご愛敬といったところでしょうか
。若い読者の方のために急いで補足しておくと、ジューク・ボックスというのは、コインを入れて聴きたい歌謡曲を選ぶとレコードをかけてくれる仕掛けの一種の自販機のこと(黄ばんだ紙に手書きで曲のタイトルが書いてあったのが懐かしい)。私が小学生の頃(’70年代中盤)までは、まだあちこちで見かけたものです・・・(遠い目)



第3位 とびだせ初恋 【オススメ度★★★】
作詞:有馬三恵子、作曲:川口真、編曲:川口真
[1974.5.25発売; オリコン最高位33位; 売り上げ枚数6.4万枚]

 ベスト3の一角に食い込んだのは、【独偏ベストテン8-1 川口真作曲シングル作品】でも第6位に入った、彼女の記念すべきデビュー曲「とびだせ初恋」でした
 やぁ、このメジャーコードとマイナーコードがコロコロと目まぐるしく入れ替わって登場するのが、私の心の琴線に触れるんですよねぇ・・・

 歌詞の方も、アイドル歌手のデビュー曲に相応しく、“彼”の気を引くためにとった行動が、「ミニスカートはいてみたりしたの・・・」という微笑ましいくらいささやかなもので、初々しくておセンチな感じ(←死語
)が何ともgood なので~す

 ♪ 彼のあの素振り 誰を愛してる とても気になるのよ
   特別おすましよ冷たいのよ 挨拶しないのよ 知らん顔よ
   だからミニスカート はいてみたりしたの 彼も気にしてるみたいよ
   今日か明日にも そうよ私から 話しかけてみるわ





第2位 青い誘惑 【オススメ度★★★】

作詞:落合武司、作曲:ダニー石尾、編曲:竜崎孝路
[1975.9.??発売; オリコン最高位-位; 売り上げ枚数-万枚]


 第2位に入ったのは、浅野ゆう子版「青い性典」路線の最高峰に位置する(←たったいま私が決めた
)シングル6作目の「青い誘惑」でした(←タイトルもそのまんまやんけというツッコミは全く正しい)。とにかくこの曲は歌詞がエ□すぎてヤバいんですよー。・・・だってねぇ、一番からしてこうなんですから()。

 ♪ ダメね男のクセに ダメね勇気がないわ
   くちづけもまだよ 物足りないわ
   遊び好きな男のコに あげちゃうかも
   どうする気なの yayaya yayaya yayaya
   遅くなってもいいの 帰らなくてもいいの
   メチャメチャにして欲しいの 子供じゃないわ


 いかがですか。メチャメチャにして欲しいのってあーた・・・
 アイドル歌謡の歌詞にしてはあまりに露骨な表現が次々と容赦なく畳みかけられるもんで、いまキーボードで歌詞を打ち込んでる最中もちょっとニヤニヤハラハラ・・・(うそ)。いくらデビュー2年目で勝負の年といったって、アイドル歌謡の歌詞というのは、もう少し“隠喩”的な表現を駆使して「チラリズム」の醍醐味を提示するのがフツーだと思うんですが・・・ねぇ

 でもでも、そんなエ□仕様の歌詞を、まったく物怖じすることなく歌い上げる彼女のプロ根性に乾杯っ
 特に ♪ どうする気なの yayaya yayaya yayaya~ あたりの可愛らしい歌いっぷりなんかたまりません

 ちなみに、この曲のリリース時、浅野ゆう子がまだ14歳の中学生だったことを忘れちゃいけません
。自己申告では「子供じゃないわ~」とのことですが、どう考えてもまだ十分にコドモです、ハイ



第1位 ひとりぽっちの季節 【オススメ度★★★★】
作詞:有馬三恵子、作曲:川口真、編曲:川口真
[1974.12.??発売; オリコン最高位-位; 売り上げ枚数-万枚]


 栄えある(
)第1位を飾ったのは、デビュー3作目の「ひとりぽっちの季節」でした~ ・・・と、ここですかさず、「あれっ オマエは川口真センセが浅野ゆう子に提供したシングルの中では『とびだせ初恋』が一番好きなんじゃないのかよ・・・」とツッコミを入れたあなたは鋭すぎです。まぁ要するに、川口センセの独偏ベストテン記事を書いてからこの1年のうちに、「ひとりぽっちの季節」が私の中でするするっと急上昇して1位になっちゃったってことで、どうかひとつ・・・m(_ _ )mm(_ _ )mm(_ _ )m(←結構エエ加減やなぁ)。

 この曲は、ロシア民謡風のメロディがいかにも私好み
ということもあるんですが、もどかしくも切ない歌詞の内容が思わずグッとくるんですよねぇ・・・

 ♪ 覚えたての歌を あなたに教えてあげた
   あの日うしろから 二人を抱いた夕暮れ
   何にもせずに馬鹿ね 来てもいいのに駄目ね
   ためらうなんて多分 私好きじゃないのね
   カバン提げた日暮れ 心は傷ついている
   気まずい顔して 二人は通り過ぎるの

 ♪ 何になりたいのか たびたびお喋りしたわ
   図書館の裏は 優しい風の音だけ
   照れてるなんて馬鹿ね 簡単なのに駄目ね
   おびえるなんて多分 どこか子供なんだわ
   帰り道のひとり 今でもまだ泣きたいの
   好きだなんてこと思わなければよかった・・・


 特に、♪ ためらうなんて多分 私(のこと)好きじゃないのね と ♪ 好きだなんてこと思わなければよかった・・・ の部分の“超”ネガティブ思考なことと言ったら・・・
 思わず、黒子になって後ろから二人の背中を押してあげたい気分になってしまうのは私だけではないのでは まぁ、この「ウジウジ感」が性に合わない人もいそうですが、まだ経験の浅い若い時分は、男女問わず誰だって恋愛に対して多かれ少なかれ臆病になってしまうもの・・・ですよね

 ・・・しかし、この曲のたった半年後に、方向性が160°くらいは優に違うエ□歌謡を歌うことになろうとは・・・(←そのことはもう言いっこなし




 ・・・それでは、今回はこの辺でおしまいということで長い記事を最後までお読み下さった皆さん、本当にお疲れさまでした~m(_ _ )m。次回は 【独偏ベストテン 29-3】 浅野ゆう子のシングル作品 (資料編) と銘打ってお送りしますので、皆さん引き続きお付き合い下さいね。いつものように、記事の最後に今回の独偏ベストテンを上位から順に整理してご紹介しておきます

 それでは、またお逢いしましょう~



【wishy-washyの独偏ベストテン 浅野ゆう子シングル(A面)】
第1位 ひとりぽっちの季節 【オススメ度★★★★】
第2位 青い誘惑 【オススメ度★★★】
第3位 とびだせ初恋 【オススメ度★★★】
第4位 セクシー・バス・ストップ 【オススメ度★★★】
第5位 バレンチノ インフェルノ 【オススメ度★★★】
第6位 ストップ・ザ・カンバセーション 【オススメ度★★★】
第7位 太陽のいたずら 【オススメ度★★★】
第8位 彼 【オススメ度★★★】
第9位 ムーンライト・タクシー 【オススメ度★★】
第10位 恋はダンダン 【オススメ度★★】