【独偏ベストテン 27-3】 Winkのシングル作品 (資料編) | 歌謡曲(J-POP)のススメ

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音楽といっても数々あれど、歌謡曲ほど誰もが楽しめるジャンルは恐らく他にありません。このブログでは主に、歌謡曲最盛期と言われる70~80年代の作品紹介を通じて、その楽しさ・素晴らしさを少しでも伝えられればと思っています。リアルタイムで知らない若い世代の方もぜひ!

 今回は、2/17の記事2/20の記事引き続いて、「Winkのシングル作品 独偏ベストテン」の「資料編」ということでお送りしたいと思います

(1)エントリーシングル作品一覧

 いつもと同じく、Winkのシングル作品(A面のみ25作品)の一覧(発売順)を、オリコン最高位/オリコン売り上げ枚数と併せてアップしておきますね。独偏ベストテンの上位3曲を太い赤字で、4~10位にランキングされた作品を太い青字でそれぞれ示しました。データベースとしてご活用下さいね~

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【Wink シングルA面一覧】

アーティスト/タイトル/作詞/作曲/編曲/発売日/オリコン最高位/オリコン売り上げ枚数
Wink/Sugar Baby Love/Joe Lemon/Wayne Bickerton、Tony Waddington/鷺巣詩郎/1988.4.27/20位/6.1万枚 <独偏3位>
Wink/アマリリス/森雪之丞/佐藤健/鈴木茂/1988.9.7/30位/1.4万枚 <独偏1位>
Wink/愛が止まらない ~Turn It Into Love~/及川眠子/Mike Stock、Matt Aitken、Pete Waterman/船山基紀/1988.11.16/1位/64.5万枚 <独偏4位>
Wink/涙を見せないで ~Boys Don't Cry~/及川眠子/Matjaz Kosi/船山基紀/1989.3.16/1位/52.3万枚 <独偏8位>
Wink/淋しい熱帯魚/及川眠子/尾関昌也/船山基紀/1989.7.5/1位/56.4万枚 <独偏9位>
Wink/One Night In Heaven ―真夜中のエンジェルー/松本隆/Steve Lironi、Dan Navarro/船山基紀/1989.11.1/1位/42.3万枚
Wink/Sexy Music/及川眠子/B. Findon、M. Myers、B. Pusey/門倉聡/1990.3.28/1位/32.9万枚
Wink/夜にはぐれて ~Where Were You Last Night~/及川眠子/Alexander Bard、Tim Norell Oson/門倉聡/1990.7.4/2位/29.1万枚
Wink/ニュー・ムーンに逢いましょう/及川眠子/門倉有希/門倉聡/1990.12.21/2位/24.9万枚
Wink/きっと熱いくちびる ~リメイン~/及川眠子/関根安里/門倉聡/1991.3.20/2位/17.5万枚
Wink/真夏のトレモロ/及川眠子/工藤崇/門倉聡/1991.6.19/2位/22.5万枚
Wink/背徳のシナリオ/及川眠子/工藤崇/門倉聡/1991.10.16/3位/19.6万枚 <独偏6位>
Wink/追憶のヒロイン/及川眠子/門倉有希/門倉聡/1991.12.16/5位/13.6万枚
Wink/摩天楼ミュージアム/及川眠子/門倉有希/門倉聡/1992.3.25/4位/14.2万枚
Wink/ふりむかないで/岩谷時子/宮川泰/門倉聡/1992.7.22/7位/13.2万枚
Wink/リアルな夢の条件/及川眠子/Osny Melo/門倉聡/1992.10.21/10位/9.0万枚
Wink/永遠のレディードール ~Voyage Voyage~/及川眠子/Dominique Bubois、Jean-Michel Rivat/船山基紀/1993.2.17/19位/6.9万枚
Wink/結婚しようね/康珍化/門倉聡/門倉聡/1993.5.26/15位/7.5万枚 <独偏10位>
Wink/咲き誇れ愛しさよ/大黒摩季/織田哲郎/葉山たけし/1993.9.8/9位/33.7万枚 <独偏2位>
Wink/いつまでも好きでいたくて/秋元康/加藤和彦/門倉聡/1994.2.23/19位/7.9万枚 <独偏7位>
Wink/トゥインクル トゥインクル/秋元康/ジェイムス下地/ジェイムス下地/1994.5.25/28位/7.4万枚 <独偏5位>
Wink/シェリー モン シェリ/芹沢類/門倉聡/門倉聡/1994.10.26/29位/2.5万枚
Wink/私たちらしいルール/秋元康/杉真理/門倉聡/1995.3.1/46位/1.6万枚
Wink/JIVE INTO THE NIGHT ~野蛮な夜に~/及川眠子/Sergio Portaluri、David Sion、Fulvio Zafret/MST/1995.6.25/92位/0.6万枚
Wink/Angel Love Story ~秋色の天使~/山田ひろし.ハナカツオ/幾見雅博/幾見雅博/1995.9.15/62位/0.8万枚
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(2)カバーに関する与太話

 '70年代あたりから現在までの歌謡曲シーンをざっと眺めてみると、だいたいいつの時代にも、誰かがどこかから昔の曲を引っ張り出してきて、カバー(リメイク)しています。しかし、
アイドル歌手に注目して見ると、カバーが最も盛んに行われて成功例もそれなりに多かった時代というのがありました。そう、皆さんもご存知の通り、'80年代中盤から'90年代中盤にかけての時期のことで、今回記事で取り上げたWinkはその一番の成功例(ヒットの規模だけでなくカバーヒット曲数も恐らくトップ)ということになります

 ちなみにWink以外の成功例を挙げると、だいたいこんな感じになるでしょうか(
)。

「ダンシング・ヒーロー」(荻野目洋子、1985.11.21発売、オリコン最高位5位、売り上げ枚数32.4万枚)
「ヴィーナス」(長山洋子、1986.10.21、10位、16.0万枚)
「Give Me Up」(BaBe、1987.2.21、8位、12.7万枚)
「夢の中へ」(斉藤由貴、1989.4.21、2位、40.8万枚)
「17才」(森高千里、1989.5.25、8位、19.5万枚)

「Stop the music」(安室奈美恵、1995.7.24、4位、52.8万枚)
「MUSIC FOR THE PEOPLE」(V6、1995.11.1、3位、52.8万枚)
「TORA TORA TORA」(MAX、1996.2.21、19位、18.9万枚

 一見、売り上げの規模にばらつきがあるようですが、その大部分は各アーティストにとって「起死回生の一作」になったケースなんですね(BaBeとV6はいずれもデビュー作なので例外
)。その意味からすると、どれも十分に「商業的に成功した」と言って良いだろうと思います

 もう一つ、データを見るとすぐお分かりの通り、ほとんどがユーロビート系のカバーなんですね
。いま現在20歳代より下の方にはきっと想像もつかないことでしょうが、この時期は本当に日本中がユーロビート一色でした・・・(90年代に入ってからは、個人的にはさすがに「エエ加減にしてくれいっ」と思ってましたね毎日ステーキばっかじゃ、そりゃ飽きるわい)。

 オリジナルが
ユーロビート系ではないのが2つ、すなわち「夢の中へ」と「17才」なのですが、何と両方ともユーロビート調のアレンジでお化粧してるんですね。森高千里の方はユーロビート調にしたことで南沙織のオリジナルにはない新たな魅力が加わっていると私も思うのですが、斉藤由貴の方は・・・ お好きな方には先に謝っておきますが、正直言って私にはあんなにヒットした理由がさっぱり理解できないのですねぇ(そもそもフォークをユーロビートにしたことに無理があるような気が・・・)。

 ま、そんなことはともかくとして。この「カバー(リメイク)」というヤツは、うまく工夫すれば他の歌手と差別化するための強力な”武器”になることは間違いない
と思うのですが、実は「成功確率」の点から見ると、なかなか厳しいものがあるように思います。というのも、上に挙げた成功例の蔭には、現にマイナーアイドル達による死屍累々の巨大な山があるわけですよ(えっ、具体例を挙げろって いやいや、さすがに”死者”に鞭打つような可哀想なことはしませんよ・・・。その中には、例えば”アーティストの独自性を打ち出してみる”などの工夫もへったくれもなく、ただ漫然と「昔の歌を歌っただけで~す」みたいな代物も結構多かったりするのです。でもそんなんでは、なかなか売れるもんじゃないですよねぇ

 さて、それでは今回はこの辺で
 またお逢いしましょう~