【お薦めシングルレビュー 14】 暑い季節に聴きたくなる夏女&夏男たちの嬉しいコラボ作品! | 歌謡曲(J-POP)のススメ

歌謡曲(J-POP)のススメ

音楽といっても数々あれど、歌謡曲ほど誰もが楽しめるジャンルは恐らく他にありません。このブログでは主に、歌謡曲最盛期と言われる70~80年代の作品紹介を通じて、その楽しさ・素晴らしさを少しでも伝えられればと思っています。リアルタイムで知らない若い世代の方もぜひ!

 東京は2週間ほど前に梅雨明け宣言が出されて、いよいよ夏真っ盛りとなりました特にここ一週間は、夜中に全然気温が下がらなくてなかなか寝付けません・・・! これまでウチの家族の中で唯一、「自分の部屋にクーラーをつけない」主義をかたくなに守り続けてきた私も、数日前についにギブアップ宣言。先週末にあわててクーラーを手配して、設置工事の予約を取りつけたのでした・・・

 さて余談はこの辺にして、今回は暑い季節になると私が決まって聴きたくなるゴキゲンな名曲をご紹介したいと思います。コレです

「DAY IN VACATION」(渚のオールスターズ)
作詞:亜蘭知子、作曲:織田哲郎、編曲:織田哲郎

[1989.7.21発売; オリコン最高位35位; 売り上げ枚数2.3万枚]
[歌手メジャー度★★★; 作品メジャー度★★★; オススメ度★★★★]




 渚のオールスターズは、1987年に、TUBEの仕事に関わっていた織田哲郎亜蘭知子栗林誠一郎伊藤一義らにより結成されたスペシャルユニットです。その半年後には「わが良き友よ」のかまやつひろし、さらに翌年にはのちにB・Bクイーンズを結成することになる近藤房之助坪倉唯子らが参加して、2枚のシングルと3枚のアルバムをリリース。結局、2年間という短い活動期間で解散することになるのですが、2006年には、愛内里菜ZONEmiyu(長瀬実夕)を新メンバーに加えて17年振りの再結成を果たし、根強いファンを喜ばせたのは記憶に新しいところですね

 作曲の織田哲郎は、'80~'90年代にかけて、TUBEWinkZARDWANDSDEEN大黒摩季酒井法子相川七瀬・・・など数多くのアーティストに曲を提供して、そのほとんどが大ヒット。特に'90年代には「辣腕コンポーザー」としての地位を小室哲哉と分け合うほどの存在となりました。しかし、両者が作り上げるサウンドの志向はかなり違っていたように思います。デジタルサウンドをひたすら駆使することで独自の世界を作り上げる小室哲哉とは対照的に、ギター・サックス・ピアノを中心とする「生の音」の良さを生かすのが織田哲郎のサウンドの特徴。小室哲哉のサウンドが時として「間口が狭く」て冷たく突き放すような印象を与えることがある一方で、織田哲郎の作品の多くが「えも言われぬ包容力」をもって聴き手を温かく受け入れてくれるような感じがするのは、両者のサウンド志向の差が大きく作用しているのではないかと私は推測しています


 「DAY IN VACATION」は、彼らの2作目のシングルです。発売当時、個人的には1作目の「Be My Baby」よりもヒットするだろうと密かに期待していたんですが
、なぜか売り上げの方はパッとしませんでした・・・。そんなわけで、今回初めて耳にする方もおられるかも知れません。実は今回も、1作目と2作目のどちらを紹介するか少し悩んだんですよ。・・・でも結局、「ハイテンションで切なくメロディアス」という、典型的「織田哲郎」節が存分に炸裂しているこの曲をセレクトしたという次第。いかがでしょう、目をつむると青々としたビーチが広がってすがすがしい気分になってきませんか・・・?

 この曲のように「メンバーがワンフレーズずつ交替でリードボーカルをとる」という手法は、小室ファミリーも「YOU ARE THE ONE」(1997年)で採用していますが、両者では意味が少々異なるようです。小室ファミリーのはもちろん、1985年に世界的な大ヒットとなった「We are the world」に全面的に倣ったもの。一方この「DAY ・・・」では、適材適所で一番効果的と思われるメンバーにリードボーカルを担当させるという意図があったようです。ふ~む、なるほどねぇ

 最後に、誰がどのフレーズを歌っているかを歌詞と一緒に載せておきますね。ヴォーカルの主を確認しながらYouTubeを聴いてみるというのもまた一興ですよ
前田&織田がガンガン飛ばす中、伊藤、栗林、亜蘭のしっとりと落ち着いたヴォーカルが「一服の清涼剤」のような役割を果たしてます。その辺りのコントラストもなかなか面白いところですね~

[2014.9.17追記&修正] 私の確認不足で、下のパート割りに誤りがありました。ごめんなさい…m(u_u)m確認の上訂正いたしました。ご指摘下さった”たか”さん、ご丁寧にありがとうございましたm(_ _ )m

♪ (前田亘輝) 夏の日の A Day In Vacation 眩しさに息を止めて
  (織田哲郎) 抱きしめた A Day In Vacation やさしさが怖かったよ
  (前田亘輝) 風のルーフ シャツをなびかせ 泳ぎ続けた陽炎の街
  (
織田哲郎) おまえが欲しくて逢いたくて 他には何も見えなかった
  (
織田哲郎) 駆けぬけたA Day In Vacation 輝きははかなすぎて
  (前田亘輝) 想い出は A Day In Vacation 永遠に夏のままさ
  (伊藤一義) 波打つ髪不意にほどいて 悲しい秘密打ち明けたね
  (栗林誠一郎) 出会いが遅いと嘆くより めぐり逢えた…それだけでいい
  (亜蘭知子) 夕立が二人の未来(あした)を 離ればなれ連れ去っても
  (全員) 忘れないよ A Day In Vacation さよならは 言わずにおくよ
  (前田亘輝) 夏の日の A Day In Vacation 眩しさに息を止めて
  (
織田哲郎) 抱きしめた A Day In Vacation やさしさが怖かったよ
  (全員) 夏の日のA Day In Vacation




 ん?今回は「お薦めシングルレビュー」なのに、中身の解説もそこそこに随分とあっさり終わるんだなだって・・・?そりゃ暑くてめんどくさ今回の作品は私があれこれご託並べなくても、聴いてもらえば良さが分かって戴ける名作ですから・・・。それではまた~