書いている人:未苑真哉(みそのまや)
・働きながら📖年間読書数 約100冊
・己も小説書き。2023年に大賞受賞🥇で 苦節◯◯年、商業書籍デビュー😭✨
・最新作📖☕文芸社文庫NEO小説大賞優秀賞受賞
こんにちは、未苑真哉です。
明日はクリスマスですね🎄
私はキリスト教徒でもなければ、イルミネーションと浮かれた雰囲気の街が昔からちょっと苦手(陰キャだから😅)
⋯⋯のくせに、クリスマス映画は昔から好きです。ギミック多い作品が多いからでしょうか、ガチガチ宗教色濃いめのものからラブロマンス、コメディ、ホラー⋯⋯どんなジャンルでも人間臭さが際立つのが面白いです♪
そこで今回は、私イチオシ☆クリスマス映画を紹介&勝手に考察🧑🎄
🎬️個人的お勧め🎄クセ強(?)クリスマス映画
『ホールドアップダウン(HOLD UP DOWN)』
V6とSABU監督がタッグを組んだ
ブラックユーモア&本格カーチェイス&アクションク万歳のクリスマス映画です。
実は今年、弾丸で聖地巡礼してきました💕
ロケ地巡りレポはこちら↓

私は公開当時から2025年現在もファンです。
学生時代こそアイドルを好きにならなかったのに、ちょっと渋い演劇作品に出演された際の役者としての顔に陥落しました。
メインロードでがっつりアイドルしつつも、根が職人気質でいらっしゃる6人はサブカルと相性良く、熱狂的ファンが多いSABU監督の色にとても合ってます。
シネコンじゃなく単館もの、それもB級映画に映えるアイドルグループ。
噛めば噛むほど美味しい6人のクリスマス作品
王道ストーリーなわけがありません😂 そこが良い✨
あらすじ (※内はキャスト名)
クリスマス当日。
サンタクロースの衣装で銀行強盗する二人組・木俣(井ノ原快彦さん)佐川(三宅健さん)は、逃走車をレッカーされ無一文で追われます。盗んだ大金をコインロッカーに隠そうするもお金がなく、駅構内で歌うイエス様似のストリートミュージシャン・沢村(岡田准一さん)から小銭を強奪。
無事に預けて一旦逃走、と思いきや、そのコインロッカーの鍵がひょんなことから沢村の手に。強盗事件の速報を耳に、「一攫千金!」と喜んだのも束の間、刑事の星野(長野博さん)の運転するパトカーと衝突し、はずみで鍵を飲み込んでしまいます。
人を轢いてしまった星野の弱みにつけ込む相方の刑事・木場(坂本昌行さん)は、死体を捨ててやる代わりに拳銃を買う金をゆすろうと画策。同時に、強盗二人組を見つけ、コインロッカーの金も狙うことに。木場の策略通りに⋯⋯と思いきや、誤ってパトカーから意識不明の沢村を落としてしまいます。
そこで待っていたのは、入水決意をしていた元牧師のデコトラ運転手・平松(森田剛さん)。運命の出会いと直感した彼は沢村をある場所へと連れ去り、そこへ強盗二人組、警察コンビも加わって⋯⋯。
荒唐無稽な展開ですが、予想通り(?)破天荒な結末が待っております。
それゆえか、ネットのレビューの中には「よく分からない」とやや不評な声も見受けられます。
しかし、しかーーし!
脇を、香椎由宇さん、伊藤歩さん、古田新太さん、宮﨑吐夢さん、森本レオさん、バナナマンのお二人、高橋ひとみさん、伊武雅刀さん⋯⋯と渋い面々が固め、
不謹慎なくらいコミカルな会話劇に、徐々に6人が絡み合っていく群像劇、
何よりこの物語はクリスマス作品。SABU監督の意図があるはずです🎄
まず、本作のポイントとして、
メイン登場人物のほぼ全員が
罪を犯している
ということ。何なら、香椎由宇さん演じる警官=ヒロインさえも!
と言うことで、
私の全力考察付きで
以下、ネタバレです。
続きが気になる方は飛ばして&ぜひご視聴ください♪
OKな方はどうぞ!!

ここからネタバレ&勝手に考察
デコトラ運転手・平松は元牧師で、教会でのお務め時に失態を犯したことから自己肯定感下がりっぱなしでした。
「神様の役に立てない」と嘆き、自死を覚悟した最中、容貌がイエス似で意識不明中の沢村を助けることで「自分は試されているのでは」と運命を感じてしまいます。
そして〈神様〉を助けるべく、自身の良いクリスマスの思い出の地と思われる古びた洋館のホテル(上記写真)へと連れていくことに。
ところが、到着したものの何も起こらない。
ホテルではウェディングパーティーの最中で、ハレの舞台で輝く人々に引け目を感じ、バーカウンターで酒に手を出してしまいます。
と、人生の不平等さに悪態をついて〈神様〉の試練を投げだそうとした時、妖しげな女性が現れ、籠絡されそうに。
ピンときた方もいらっしゃるかと! こちらは、
太宰治の小説『春の枯葉』内の台詞です。
しかもこれ自体が、
ルカ伝7章47のイエスからシモンに伝えたとされる言葉です。
本作『ホールドアップダウン』がいかにクリスマス精神に満ちた作品と判明するシーン。
なるほど、登場人物達が罪深いわけだ、と納得。
この直後、女性もウェディングパーティーの新郎新婦や招待客も全員○○(ここだけ伏せ)だと判明。
そこへ強盗二人組と警官コンビ、ヒロイン警官も巻き込まれ、とんでもない事態を引き起こしますが、収拾するのは〈神様〉の使命を忘れなかった平松の行動です。
彼は○○達に聖書を読み上げます。
そもそもクリスマスの意義について調べると、
“神が人類の罪を償うために人の姿でこの世に現れたことを信じることが、クリスマスを祝う最大の目的であると考えられている”
とあります。
全員(ただし、意識不明の沢村以外)が我欲でしか行動しておらず、キリスト教において人間は原罪を背負っているもの。
誰もが生の苦難にもがいている中、〈神様〉のパンチを受けたことで(※映画ではコミカルに表現)平松は目を覚まします。
そして、
他者のために祈る=他者のために行動したのです。
結果、エンディングでは6人がそれぞれの日常に戻ります。改心した、と言える人もいれば、相変わらずだなぁ、と苦笑したくなる人もいますが、穏やかな人生が続いていく⋯⋯と分かります。
人間はいつからでも悔い改められる。
他者の為に行動できる。
他者を愛せる。
そんなメッセージが聴こえてくるようです。
エンディングに流れる、岡田准一さん演じるストリートミュージシャン・沢村の楽曲「ユメニアイニ」はSABU監督作詞。
詞を読むと、ますます伝わってきます♪
そう言えば、肝心の銀行強盗のお金は、誰の手に⋯⋯?
おっと。
これは伏せておきますね。

ちなみに⋯⋯
題名『ホールドアップダウン』の〈hold up〉の意味は〈強盗〉。そして〈耐える、持ち堪える〉。
キャスティングについては、ホームレスと見紛う汚れ役を敢えて岡田准一さんに演じさせたのがいい😂
演出面では、SABU監督はひょっとしてキューブリック監督リスペクトなのかしら?
『シャイニング』オマージュっぽいとこも見逃せません!
今回レビューするにあたり再視聴しましたが、エンディングまでドタバタでやっぱり荒唐無稽😂
だが、そこがいい!!
やっぱりB級映画、C級? いえ、ここはファンとして
V級映画ということで🧑🎄🎬️

↑館内にある吹き抜けの三角屋根がツリーに✨✨🎄
☆★メリークリスマス 良い休日を☆★












