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洗車のツボ3

意外と知らない洗車の方法をはじめとして、車の内装や外装を手軽にきれいに保つ方法を、ディティール業20年の筆者がお伝えしていきます。

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ほんじつより有益な内容をお届けできるよう頑張りますのでよろしくお願いします。


それでは本日のテーマは

「物と温度」です。

これは車のボディに限った話ではありません。

あらゆるものにほぼ共通の問題ですので知っておいて損はありません。


というより、みなさんすでに学校で習っていることです。


簡単に言うと物は温度が変動すると体積が変化するということです。

温度が上がると体積が増え、温度が下がると体積が減ります。(多くのものはこの性質を持っています。)


体積が増えることを膨張、体積が減ることを収縮と言ったりもしますね。

膨張収縮する要因は温度だけではありませんが、いまここでは温度によるものと認識しておいてください。


ではなぜ温度によりこういう現象が起こるのかといえば、端的に言ってしまうと分子間の距離が温度を原因と
して広がってしまうからですね。


より詳しい科学的な事柄はさておいてカーディティーリングの世界ではこのことを塗装の目が広がるといいます。

塗装の目が広がる(分子間の距離が広がる)と塗装にとってはいろいろな悪影響が出ます。


その広がった目の間に汚れがたまりやすくなったり、液剤の残留成分が入り込んでしまって白っぽくなったり
します。


ですからカーディティールのプロは夏場の洗車の時はいきなりシャンプーのあわあわをスポンジにとってボディに
こすりつけたりは絶対にしません。

当然のことながらアツアツのボディをいきなり洗車機に突っ込んだりもしません。


多くの物質が分子的に安定しやすい20度から25度になるまでジックリと待つかできるだけ細かなシャワーで
表面の温度を十分に下げてから、シャンプーなどの液剤を使います。


つまり、洗車の時はしっかりと時間をかけて塗装の温度を下げてから洗車に入ってください。

今年も9月に入り少しづつ涼しい日もちらほら出てきましたが、それでも直射日光に当たるとすぐにボディの温度は
50度近くに達します。

いきなり液剤で触ったりすると瞬間的に塗装の分子間に食い込んで取れなくなるので注意してください。


尚、同じことはワックスやコーティングでも言えます。

きれいに洗車して、水を拭き取って、さあ コーティングだ ワックスだ というときに塗装面がアツアツになっていたら
その時点でワックスもコーティングもすでに失敗です。

あと後になってリカバリーにとんでもない時間と労力、またはお金がかかりますので注意してください。



それからこれは実をいうと車の塗装だけの問題ではないです。

内装も、ガラスも、おうちの外壁も、ソファーも、フローリングも同じ問題を抱えています。


常に頭に温度というキーワードを置いておいてくださいね。