今回は書籍 「最高の体調」です。

著者
サイエンスライター

メンタリストのDaigoが推しているので、怪しいと思いつつ手に取りましたが、やはり専門家ではありませんでした。
10万本の科学論文を読んだなど、この手の人にありがちな大袈裟なことがプロフィール欄に書いてあります。どこまで本当なのか分からないし、確認することも不可能です。

プロローグ
狩猟採集民の食事をする事で体調が良くなると記載してあります。よく見かける記述ですが根拠はありません。
狩猟採集生活は600万年間、1-2万年前に農耕生活に移行したそうです。だから食事は狩猟採集生活時代の真似をしろという理屈です。

1日2-3万歩のウォーキングをしているとの自慢が書いてあるが、12000歩以上は身体にとってマイナス効果を齎すというエビデンスもあります。

私は苦労してきました。しかし今は成功しています。だから、この書籍に記載したことを実行すれば私のようになれます。この書き方もお決まりの書き方です。

内容は、ネットのまとめサイトのようなものなので、当然内容は何処かで読んだことがあるものばかりになります。
そして書いてる本人は専門家ではないので専門知識がありません。書いている内容が正しいのか間違っているのかなど、書いている本人にも判別することが出来ません。

内容を軽く紹介します。

スマホ
手元にあるだけで集中力が下がる。

ストレス
近代化された都市に住む者ほど、鬱病に罹りやすくなる。

ダイエット
バイオダイエットを勧めています。旧石器時代の食事法のことらしいです。ハリウッドでは毎年のように〜法のダイエットが現れては消えています。これもその内の1つかもしれません。

現代人の不調
遺伝と環境のミスマッチを探すこと。

長寿な人は炎症レベルが低い。血液検査でのCRP、IL6という炎症マーカーで判断する事ができる。
炎症とは言っても関節炎やアレルギー、風邪の炎症とは異なるもので、肝機能や細胞の劣化を表す。

内蔵の脂肪細胞が分泌する炎症性物質により、動脈硬化、脳梗塞、身体の怠さに繋がる。

鬱病
セロトニン、ドーパミン説を否定。これらの分泌が少ない人は、全体の1/4でしかない。
サイトカインという炎症性物質が脳の機能にダメージを与えている可能性がある。

キタヴァ族という狩猟採集民を例に取り上げて、脳卒中、動脈硬化、糖尿病が少ないとして、その生活をすることを推奨していましたが、それらの疾患に罹らないからといって、必ずしも狩猟採集民の生活が正しいとは限らない。それに弊害がある可能性もあるので、非常に短絡的な結論と言わざるを得ない。

睡眠
1日7-9時間の範囲を逸脱すると炎症マーカーが激増する。

睡眠に関しての記述は約1P。睡眠に関して知りたければ、やはり専門家が書いた睡眠の本を読んだ方が確実。これは食事など他の分野に於いても同じことが言えます。

その他の炎症の理由
トランス脂肪酸、孤独、アルコール、塩分、不衛生、加工食品、慢性的なストレス、化学物質、重金属、抗生物質なども炎症を引き起こす。

不安
記憶力、判断力低下、死期を早める。

発酵食品
脳機能改善(感情、注意力)、心疾患や糖尿病に罹りにくい。早期死亡率低下。

プロバイオフィクス
アレルギー症状の緩和、鬱改善、攻撃的な思考の減少。
生存率の高いものを選ぶこと。と記載してあるが、生存に関しては関係がないと主張する専門家も多い。腸内細菌のエサになれば良いので乳酸菌が生きていなくても問題がないと主張する人もいる。

その他
・自然に触れる。
・仲良くなるには接触時間を増やす。
・集団で同じ行動を取れば絆が深まる。
・ポジティブなことをイメージすることで扁桃体の活動が低下する。
・ウォーキングは脳機能改善効果がある。
スマホ使用で不安が増す。
・未来に目的があれば障害を乗り越えられる。
・マインドフルネスで不安と鬱が緩和する


この手のまとめサイト的な書籍にありがちですが、あれもこれも詰め込んでいるので、その全ての内容が浅くなっています。それでもDaigoよりは随分とましですが。やはり専門家が書いた本を読むことを、オススメします。