次第に、看守役は誰かに指示されるわけでもなく、自ら囚人役に罰則を与え始める。反抗した囚人の主犯格は、独房に見立てた倉庫へ監禁し、耐えかねた囚人役の一人は実験の中止を求めるが、そのまま実験は継続された。
精神を錯乱させた囚人役が、1人実験から離脱。さらに精神的に追い詰められたもう一人の囚人役を、看守役は独房に見立てた倉庫へ移し、その囚人に対して、他の囚人役に非難を強制し、まもなく離脱。
実験の中止
看守役は、囚人役にさらに屈辱感を与えるため、素手でトイレ掃除(実際にはトイレットペーパの切れ端だけ)や靴磨きをさせ、ついには禁止されていた暴力が開始された。
牧師がこの危険な状況を家族へ連絡、家族達は弁護士を連れて中止を訴え協議の末、6日間で中止された。しかし看守役は「話が違う」と続行を希望したという。
後の会見で、実験を行ったジンバルドーは自分自身がその状況に飲まれてしまい、危険な状態であると認識できなかったと説明した。
通っていた医療系専門学校も全く同じ、看守役に抜擢された生徒は次第にエスカレートして行き、集団暴行、集団リンチ殺害未遂など様々な犯罪を行っていった。囚人役のその他の生徒は思考停止状態に陥っているので間違っている事などと認識する事なく黙って従い、従わない人を非難し人格否定を行った。教員達もこれらの行為が医療職に成るに当たって必要不可欠なスキルだと本気で信じていた。
問題が発覚してからは、その地域の各医療機関がこの学校の生徒の受け入れを拒否した為に実習を行う事が出来ず、目の前にある系列病院に80人もの生徒が実習に行くという異常事態が生じた。
学校や生徒は犯罪を揉み消す為に、「被害者が非常識な奴だった」「自分達は絶対に正しい」「批判される覚えはない」などと認識しては犯罪行為を正当化し、徹底的に揉み消していった。
このような奴らが医療業界へと入っていくのだから、医療業界から虐待、暴言、虐殺行為がなくなるはずはない。
現場でも患者に暴言を吐く奴は幾らでもいるが、そのような奴らは自分の行為を間違っているとは決して思ってはいない。それが当たり前だと認識している。
今回、19人を殺害した奴がどのような過程を経て、あのような思想に辿り着いたのか知らないが、学生時代にも同じ思想を持っていた奴がいたので大して驚くことができない。そのような奴に限ってボランティア活動を行うなどをしているので周りからの評価は高い。見抜くことは難しいかもしれない。
社会に出ても知識や技術があるように見せかけ、その反面見えないところでは他人の悪評を流して評価を落として回る。ボランティア精神があるように見せかけ、人間愛に優れた人物を演じている。どうやら大半の人は他人の本性を見抜けないらしい。
犯罪が起きれば必ず地域住民はおろか接した事のある人達ですら、「あのような事をする人物ではない」などと話し始める。今回の事件は周りの人達が気付いていたほど露骨に頭のいかれた奴だったらしいが、気付かれないように潜伏している奴なんて幾らでも存在する。
あの下関の専門学校の卒業生達も評価を受けつつ他人を傷付けて生きているのだろうことは容易に想像がつく。こいつらは脳が成熟してはいない。基本的には哺乳類脳のレベルで生きている連中。出来る限り関わらない方がいい。
人を見抜く目を持つことは大事だと思う。人格障害者、サイコパスのようなゴミに利用されるなど被害を受けないようにする為には、経験と様々な深い知識を得て自己判断が出来るようにならなければならない。その分野の書籍を一冊読むのではなく様々な視点から書かれた書籍を多読し、知識を得ないと正常な判断を下す事は出来ないと思う。
よく一冊程度を読んだだけで分かったつもりになり、批判に転じ自分をその書籍を書いた人より上に見立てる奴がいる。そのようなことではそこで終わりであって先に進むことは出来ない。心理的に先に進んでいく事に何らかの抵抗を持っているのだろうから、そのように自分を制限する深層に存在する悪しき心理は解消した方がいい。その場に居続ける事が居心地がいい為に様々な理由を付けては先へ進む事を拒んでいる。これでは成長するわけがない。
しかし人間というのは非常に危うい生き物だと思う。知らず知らずの内に、ある特定の思想を植え付けられて簡単に操作されてしまう。マインドコントロールや洗脳は日常生活に存在している。
これに気付く事が出来るか出来ないかでは、その後の人生に大きな影響を及ぼすでしょう。自分の行動を縛り付けている原因は一体過去の何処に在るのか、それを見つけ出す作業をしてみるのも面白いと思います。