瀬戸内寂聴
瀬戸内寂聴 「生きることば あなたへ」
あなたが平凡な家庭を守り、平凡な人生を送りたいと思っているならば、別れ道に立ったときに平穏な道を選ぶべきです。そのほうが穏やかに暮らせますし、つらい思いもしないですむでしょう。けれどももし、人よりすばらしい世界を見よう、人の歩いたことのない道を歩いて、そこにある宝にめぐり逢おうとすれば、どうしたって危険な道、剣呑な道、怖い道を歩かねばなりません。いつも断崖絶壁の淵に立って、こっちへ落ちれば身がこなごなになるかもしれない、あっちへ落ちれば獣に食われるかもしれない、そういう道を求めて歩く のが才能に賭ける人の心がまえではないでしょうか。 瀬戸内寂聴
瀬戸内寂聴 「生きることば あなたへ」
仕事に打ちこむためには恋も必要です。恋は人間の情熱をつくる燃料です。燃料がないと、からだも頭もよく動きません。そして新しい恋は、旧い恋を捨てなければ訪れては来ないのです。 瀬戸内寂聴
瀬戸内寂聴 「生きることば あなたへ」
旅は恋と似ています。旅を好む人は、すべて詩人といっていいかもしれません。旅はまた、死にも通じています。還らぬ旅に出る、ということばを考えだしたのは、どこの詩人なのでしょう。