彼方の火。 | CeLL=WiRED

彼方の火。

 「同じことを繰り返しながら、違う結果を望むこと、それを狂気という。」 ――アインシュタイン


 ここ最近、今までの自分がしてこなかったいろいろな経験をたくさんしている。

 昨日は15名くらいの同期と一緒に、江ノ島の海で遊び倒してきた。海で遊ぶのなんて実は小学生以来だったりするので、如何にインドアな生き方をしてきたのか思い知らされる。
 台風が近づいているせいで波がメートル級の高さになっていて、僕は恥ずかしながらそのような海を浜辺で目撃するのは初めてだった。

 テンション、上がる上がる。

 父の転勤の都合で一時期田舎で生活したこともあるけれど、所詮は人生の大半をコンクリートで暮らしてきた身。周りにたくさんの人がいようと、実は大したことのない波であろうと(遊泳は許可されていたわけで。まあ怪我人いっぱい出たみたいだけど)、僕にとっては、他の誰でもなく僕自身にとっては、非常に興奮する自然の姿だった。

 時折同期からはぐれながらも、何かもうそんなことはどうでもよくて、押し寄せる波に頭から突っ込んで、波に翻弄されるのがとても苦しくて楽しかった。鼻に水は入るし大量の海水を飲んだ気がするけど、何故かなかなかやめられなかった。

 海に遊んでもらっている感じだった。時に訪れるより高い波に突っ込んだときは、もう上も下も右も左もわからなくなって、水中を何回転も転がされた。海へ戻る波と海から来る波がぶつかる瞬間に遭遇すると、予想もつかない水の流れが出来て、背骨が逆に反りかえりそうになったりした。ホント、よく怪我しなかったと思う(今でも腰が痛いけど)。

 童心に帰ったというよりは、100%子供だった。

 その後は人数がさらに増えて飲み会になり、何故か振りまでついた僕専用のコールが突然開発されて焼酎を一気する羽目になったり(冗談でやってるだけなので飲めなくても怒られないし僕はあんまり空気読まないので問題無い)、その後のカラオケオールではテキーラのショットをみんなで何杯も開けて、夏の曲を続けざまにかけて、飲んで歌って踊って暴れて大変なことになった。

 なんだかんだでまだまだ若いな……海で力使い果たしたあとなのに……(笑

 最終的には全員潰れて、朝に店の人に起こされたので、寮の同期を叩き起こして連れ帰った。酒には弱いけど分解が早いというか残らない体質に感謝。

 かつて思い描いていた社会人の姿とは程遠い楽しさ。というか、大学生と全く変わらない休日。僕の場合、大学の頃より遊んでいるような気がする。

 こうやって、少しでも僕の人生に色がつけばいい、と思った。
 ずっと憧れ続けている遥か彼方の火に近づければいい、と思った。
 あと、海に行ったせいか「彼女欲しいなぁ」とか思った。

 相変わらず、眠ると気が滅入るような悪夢ばかり見る。一体この健全極まりない好青年であるところの僕の精神がどうなっちゃってるのかはよくわからないけれど、いつか悪夢のループから脱け出せた暁には、今よりも上のステージに立てているのだと信じたい。

 おやすみなさい。
 また明日。