国の経常収支が40カ月連続で黒字だそうです。それ以前も、東日本大震災後に原発を止めて、燃料輸入が増えて一時赤字になった時期を除けば、40カ月どころか、何年も黒字が続いてきたんですよね。

それが積み上がった日本の対外純資産は300兆円以上。毎年、過去最高を更新していて、その額は世界一なのです。
対外純資産というのは、日本国全体の資産から負債を引いた額で、いわば、国全体では資産が借金を300兆円以上、上回っているわけです。

日本は財政危機と言われる一方で、実は儲かってる国なんですね。

先日取材した、元財務官僚で数量政策学者
の高橋洋一先生がおっしゃってましたが、いわゆる「日本の借金問題」というのは、国民に危機を煽って、増税やむなし、という世論を形成するためのプロパガンダだそうです。
よく耳にする「国の借金1000兆円」といのは、正確には国全体でなく、政府の負債が1000兆円あるということなのですが、実は政府はほぼ同等の資産も持っていて、借金と資産のバランスで言えば、全く問題ないそうですよ。

新聞報道などで「国民一人あたり800万円の借金」という言い方もよくされますが、そもそも政府の借金は国民の借金ではないですし、借金だけを取り上げるなら、某経済新聞社などは社員一人あたり1億円の借金があるんですよ。そこだけ見たら、国の10倍以上ヤバイのに倒産してません。それは借金もあるけど資産もあるから。当たり前ですね。

企業や家計の財務健全性を測るときは、必ず保有資産と負債(借金)のバランスを見るのが常識なのに、日本ではなぜか国の財政を語るときは借金だけに着目して、ヤバイヤバイと煽るんですよね。
でも統計の数字は正直です。日本は、世界一の資産超過国であり、だからこそ危機の時に「安全通貨」として円が買われるわけです。外国人投資家はわかっているんですね。日本が財政危機だと心配しているのは、実は増税プロパガンダを刷り込まれた日本国民だけかもしれません。

https://r.nikkei.com/article/DGXLASFL06HMS_W7A201C1000000