繰延税金資産と純利益の急増に注意 | 税理士こーちゃん・たかちゃん・だんちゃんと男女7人の○○な話

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今朝の日経新聞に、865社が繰延税金資産を積み増し、大きく純利益が改善しているとありました。


会計上費用処理していても、税務上損金処理できないものであっても、翌期以降に損金処理できるものは、損金処理した際に法人税等を少なくする効果があるので、一定の場合資産計上することが認められます。


ここでいう、一定の場合という条件の中に、法人が安定して黒字が出る企業である場合というのがあり、その場合には繰延税金資産として計上できる範囲が広がります。


昨年は、多くの企業が業績が改善したので、監査法人が安定的に黒字が出せると判断したとのことで、繰延税金資産を積み増したとのことです。

しかし、私は、こういった処理に疑問を感じます。日経新聞で取り上げられた企業名を見ると自動車関係が多く、消費税の駆け込み需要で急激に業績が回復した企業だからです。


そもそも、法人が安定的に黒字が出るかどうかということの判断は、毎期見直しをするにしても、毎期変わるものであるものではなく、もっと長期的に、もっと緩やかに判断も変わっていくものだと思います。


これが、黒字になりました。だから安定的に黒字が出せる企業になりましたっていってもどうなのかな?と思います。


投資家からしても、実態の損益の改善幅よりも大きく純利益が変動するので、投資判断をする際にも繰延税金資産の部分を考慮しながら判断する必要もあるでしょう。


前期の決算数字に関しては、繰延税金資産の金額の変動である法人税等調整額に特に注目してみる必要があると思います


所長 こーちゃんより


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