2016年12月 WIN&WINセミナー塾長の手紙 | 月に一度のご挨拶 WIN&WINセミナー 塾長の手紙

塾長の古田修一です。

 12月になりました。寒さもこれから一段と厳しさを増してきます。冬になると空気が乾燥し、インフルエンザも流行します。特に受験生の皆さんは大切なときでもありますので、十分に予防し、体調にはお気をつけください。私も生徒たちとこの冬をしっかりと乗り切れるよう、予防に努めていきます。

 今月から冬期講習が始まります。受験生にとっては追い込みになります。志望校の合格を勝ち取るためにも、一日一日を大切に取り組んでほしいと思います。

 

<「凡事徹底」実践2つの理由>

今年度は3月から新たな取り組みとして、毎月「凡事徹底」をするためにも、目標を掲げて、それを生徒・講師と共有できるようにしてきました。徹底目標を毎回の授業で意識してもらうように、チェックシートを用意し、毎回授業が終わるときに、A~Dの自己評価を記入するようにしました。自己評価だけではなく、講師から見た評価も記入しました。月の終わりには私から、生徒一人ひとりに対してメッセージを書き入れ、それをご自宅へ送ってきました。

 このような活動を始めてからもうすぐ1年がたとうとしています。今月号では、まずこれまでの取り組みを振り返ってみようと思います。

 私がこの活動を始めた理由が二つあります。一つは、この塾長の手紙でも何度も取り上げさせていただいたイエローハット創業者の鍵山秀三郎さんの本に出会い、「凡事徹底」の考えに感銘を受け、今後の教育で一番大切になるのではと思ったからです。先月号でも紹介させていただきましたが、鍵山さんは次のように言っています。

誰もが特別なことをしたがりますが、世の中に特別なことなんてありません。ないものを探しているうちに、一生が終わってしまいます。でも平凡なことならいくらでもある。その一つ一つを大切にしていけば、やがて大きな力になります。

この言葉を目にしたとき、「これって、精神面だけではなく、勉強面でも当てはまるのでは」と思いました。凡事を徹底している生徒の成績は伸びています。私が思いつくだけでも次のような姿勢がある生徒です。①あいさつがしっかりとしている。②授業のときの姿勢がよい。③返事がよい。返事がはやい。④文字が丁寧。⑤聞いたことをしっかりとメモを取る。(先生の話をよく聞いている)⑥間違えた問題は繰り返し解く。⑦英単語や漢字などの練習をまじめにやる。などが上げられます。どれも特別なことではありません。これらのことは、毎月の徹底事項として、生徒の皆さんと実践してきました。これらの凡事をその月だけの目標で終えることなく、常に意識し続けることで、きっとこれまでにない力を付けることができると信じています。

二つ目の理由は、生徒たちと共に実践をするということに意味があると感じたからです。講師は教えるだけではいけないと常々自分自身を戒めています。まずは私から変わらないといけません。生徒に言うだけではなく、言っていることが果たして自分自身は実践できているのか。このように生徒と講師が共に成長できる環境にするためにはどうするか考えた結果、月々の徹底事項を教室内に掲示し意識するようにしました。一番変わらないといけないのは、誰よりも塾長である私だと思っています。毎日教室内の徹底事項の掲示物を見ながら、自分自身を振り返っています。このように生徒と私たち講師が共によくなろうとの気持ちが芽生えれば、きっと「塾風」が良くなると信じています。

「風」という文字から

「塾風」と書きましたが、「風」という字は他にも、「校風」「社風」などという言葉も作ります。この「風」という字に関して鍵山さんは次のようにご著書の中で書かれています。これは今年度始めの保護者会でも紹介させていただいた一節で、今年一年の私自身の目標の参考にもさせていただいたものです。ご存知の方もいらっしゃると思いますが、今一度紹介させていただきたいと思います。

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 社風を語るとき、もっとも分かりやすい西郷隆盛のエピソードがあります。

 西郷隆盛は、明治6年10月23日、(けん)(かん)使節論争に愛想を尽かし、郷里の鹿児島にさっさと下野しました。下野した西郷は狩や農業をしながら、私学校を創設しました。

 私学校創設に当たり、西郷は校長として篠原(しのはら)(くに)(もと)を任命しました。その篠原が「校則はいけんし申そうかい(いかがいたしましょうか)」と西郷に相談したことがあります。

 そのとき、西郷はしばらく考えたあと、篠原に言いました。「おはん(貴君)が校則にないやんせ(なりなさい)」まことに短い西郷の言葉でしたが、重い一言に篠原はドキッとしました。「はい、わかり申した」篠原は返事をするのが精一杯だったのです。

 つまり西郷は、校則を作ればそれだけ違反者を作ることにもなる。校則がなければ秩序が守られない学校では、どうしようもないではないか。校則ではなく、校風で学校が運営されるようにしなければ本物ではない。その校風を作るのは、おはん(貴君)自信が模範を示しなさい、といいたかったのです。

 会社も、この「風」の質を高めることが発展のカギを握っていると確信しています。

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 特に波線部が私の心に突き刺さりました。上にある文章の中で出てくる「校長」と「校風」の「校」の字を「塾」という文字に置き換えて考えてみたのです。そうすると、篠原が言われたことはまさに私に対しても同じことが当てはまるのではと考えたのです。「塾則(塾の規則)ではなく、塾風で塾が運営されるようにしなければ本物ではない。その塾風を作るのは、おはん塾長である古田自身が模範を示しなさい」と。これにはハッとさせられました。この本に出会うまでは、先代塾長の意思を継ぎ、塾是というWIN&WINセミナーのミッションの達成に向け努力をしようと考えていました。この塾長の手紙でも何度も紹介をさせていただきましたが、塾是は次のようなものです。

―塾是―

         人格を向上させるとともに

                     社会に貢献する人財の育成

 でも、ちょっと待てよ。と思ったのです。人格の向上?社会に貢献する?では、そんなことを語っている私の人格は?そう考えると、今まで私が語っていたことに対して恥ずかしくなりました。自分自身を振り返ることなく、先のことばかり考えていたのでした。それからは自分自身の足元の確認をするようにしています。生徒に言う前に自分自身はできているのかと。そこで今自分自身が意識していることは、11月の目標にもした「心をこめたあいさつ」と「すばやい返事」です。これを私自身がしっかりと実践できればきっとこの塾の雰囲気も明るくなり良き「塾風」ができると思います。

 

<あいさつに関するエピソード>

あいさつに関する最近私が感心したエピソードがありますのでご紹介したいと思います。

 私は少し腰が悪く、しばしば腰を痛めることがあります。これを書いている今も、少し腰に違和感を覚えています。今年の自然塾開催の前に私は腰をかなり痛めました。ぎっくり腰のような痛烈な痛みです。これでは富士登山に差し支えるし、治療をしてもらわなくてはいけません。私は以前より行きつけの接骨院があり、そこに行って直してもらおうと思ったのですが、あいにくその接骨院が閉院となってしまい、どこがいいのか分からず、北浦和の平和通りにある「鈴木接骨院」に思い切って入ってみました。

 扉を開けると、スタッフの方々が一斉に笑顔で「こんにちは!」と挨拶してくれたのです。それも大きな声で。少し圧倒されましたが、なんだか嬉しい気持ちになりました。さらに驚くことに、2回目に通院したときには、「古田さん!こんにちは!」とこれまたスタッフ全員から声をかけられました。2回目にして名前を覚えてくれていたのです。これには感動しました。それと同時に私自身の学びにもなりました。挨拶だけではなく、名前までつけてくれると、親近感も沸き、ここだったら大丈夫との気持ちになります。いろいろと考えてみましたが、名前を付けることにより、「あなたに関心を持っていますよ」という気持ちが伝わるのでしょうか。安心に近いものを感じることができました。凡事ではありますが、こんなにあいさつというものが気持ちを伝えることができるのか、と再認識させられた体験でした。

 この接骨院には驚かされることがいっぱいあります。12月に入って寒さのためか腰がまた痛くなりました。久しぶりに行ってみようということで、治療を受けてきました。たまたまその日は12月8日。私の40歳の誕生日でした。治療が終わってお会計を済ませ、さあ塾に戻るか、思ったそのときです。「古田さん、お誕生日おめでとうございます!」とスタッフ全員一斉が拍手をしてくれました。そのときこんなプレゼントを贈っていただいたのです。↓↓

これ、何だと思いますか?そうシップです。それも10枚入り。腰が痛い私にとって嬉しいものですが、それよりも、スタッフの方々の純粋な「心」を感じることができ、これまた感動でした。先月号の塾長の手紙で、私の来年にかけての目標は、「与える」ことだと書きました。そんなことを考えているときでしたから、「この人たち与えまくってるな」と思いました。

 ちなみに鈴木接骨院さんの腕前ですが、素晴らしいです。自然塾前にいためた腰。実はあまりにも痛くなったのがちょうど日曜日だったので、日曜診療をしている他の接骨院にいって針治療をしてもらったのですが、全く回復しなかったのです。それで場所を変えて見てもらいました。手で私の腰を触るだけで、「○○番と◆◆番の骨がずれていてそれが神経に触れています。ここのずれを矯正すれば治ります」と明確に原因を突き止めてくれました。そこでグキっと一発。音がなるほどですので当然痛みも感じる矯正です。しかし、その後先生から「体を左右に回旋してみてください」との言葉に、恐る恐る今まで痛みのあった腰を回してみました。すると、あら不思議。あれだけつらい思いをしていた腰に何も違和感がなくなりました。こんなに瞬間的に治るなんて。本当に驚きでした。

 もし体の動きが悪かったり痛かったりしたら一度お試しください。

 

 

 私の身の回りでの出来事がすべて学びになっています。こんな体験を自分自身のものにすべく、今後も努力していきます。

 

~最後までお読みいただき、ありがとうございました。~

 

【参考文献】