平成21年度の短答試験が終わりましたが、合格率(13.2%)の低さに少し驚きました。またこれからの試験制度の方向性が見えたような気がしました。そこでこれからの会計士試験について勝手に予想してみます。


 まず短答式試験は今後一律70%を合格ラインとして、難しい年簡単な年に関わらず、機械的に合否を決定すると考えられます。なぜなら短答式は今年から年2回と受験しやすくなったことから去年のように論文受験者数を調整するような合格ラインの調整をする必要性が低下したこと、米国CPAも同様に一律の合格率を設けていること、及び当然ですが金融庁として予め70%を合格ラインと明示していることからです。

 

 次に論文式試験は、合格者数は前年同様(合格者人数による合格ラインの設定)となると考えます。新試験制度発足に当たり金融庁は毎年3,000名の合格者を輩出するとしており、その点について直ちに修正を行うとは考えずらいためです。ただし、公認会計士協会会長から合格者の増加に伴う会計士の質の低下についてのコメントが数ヶ月前にありましたので、それを受けて合格者を例年より若干減少させる(2,500人程度)可能性はあると考えます。


 最後に修了考査ですが、これは現状の70%の合格率から徐々に減少し、最終的に60~40%程度になると考えられます。これは上述の会計士協会会長のコメントから容易に推測されます。


 結果として、公認会計士試験合格者は増加の一途を辿りますが(金融庁が当初予定していた5万人程度まで)、業界全体に占める修了考査合格者すなわち公認会計士の割合は減少していくこととなると現状では想定されます。