我儘歌姫の戯言

我儘歌姫の戯言

味可のオフィシャルブログ。
歌って鍵盤弾いてる人。

今年も二月がやってきた。

二月なのに君はもう歳を取らなくて、私はもう年上の君の歳をとっくに超えてしまった。





そうか二月か、と君のことを思い出しながら、外を見れば晴れていて、今日も君が私に書いてくれた歌のとおりになってるな、と感傷に浸る。




ふと思い立って今日歌おうと思った歌は元々は君のために書いた歌だった。あの時も私は自分の無力さと音楽の無力さに打ちひしがれたんだった。




それでも、君は被災していた時、この歌をずっと聞いていてくれていたね。

お守りがわりだと言ってくれたね。頑張って生きるって言ってくれていたね。




その年に君はうっかりいなくなってしまって、未だに嘘なんじゃないかなって思ってるけどさ。

怒らないからさ、嘘でした!ってあのヘラっとした笑顔を見せてくれないかなって、ずっと思っている。




君と毎日世界を恨んでいた頃より、私はだいぶ強くなってしまったし、色んなことを諦められるようになってしまった。あの頃の純粋さは多分もうない。




君は変わらないまま、そのガラス玉みたいな目でいるんだろう。私の目はもう濁っている。





何度君に届かない手紙を書いているだろう。

何度あの夜を悔やんでいるだろう。

何度君に会いたいと泣くのだろう。




私は少女のままではいられなかった。

君は少年のままだった。






今日も私は月に向かって泣く。