少年ジャンプなどの漫画が好きで全くのド素人から同人誌を作ることに成功し多くのファンに読んでもらえる方法

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富樫先生が1994年にコミケで配布した「よしりんでポン」を
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「あれ?」 

先ほどまで、すぐ側にいたはずの大柄の男がいないことを不審に思った、雪菜は辺りを見回した。

「和真さん!」

男の名を呼ぶが、辺りは人ごみで溢れ返っている。透き通るような淡い色の髪が不安そうに揺れる。

屋台から威勢のいい声が盛んに飛び交う中、見知った男がいないだけで、全てが遠のいていくような気がする。笑い合いながら、通りすがる子供の声さえ虚しい。

どうして、離れ離れになってしまったのだろう。 

雪菜は歩みを進めながら、ぼんやりと思った。 

もしかしたらあの時、金魚すくいの中の金魚が気になって、夢中になっていたから、何か買ってくるつもりで側を離れたのかもしれない。

気が付いたとき、人ごみが増して見知った人影はなくなっていた。
不安も最高潮に達し、居ても立ってもいられなくなり、いっそこのまま帰ってしまおうかという思いが拭い去れなくなると、足は自然ともと来た道を逆に辿ろうとしていた。

「雪菜」 

ポンッと、肩を叩かれたのを感じて、雪菜はハッと顔を上げると、すぐ側に別の気配があるのを確認した。普段は黒の衣装に身を包んでいる、というイメージしかない男が立っている。 

「飛影さん…!」 

「どうした? 一人で来たのか?」 

紅い瞳が、穏やかな光を放っている。 

「あ、…いえ。和真さんとはぐれてしまったみたいなんです…。人多くて…」 

雪菜は、迷子になってしまった恥ずかしさからか、赤面していた。 

「ああ…。ヤツなら、もっと奥にいたぞ」 

飛影は、青のタンクトップ姿にいつものズボンの格好だった。護身用の剣は提げていないが、右腕に包帯が巻かれてある。 

「もしかして、飛影さんもお祭り、楽しんでいらっしゃるんですか?」 

「オレはパトロールだ…」 

「人間界で、ですか?」 

飛影は黙った。最近、雪菜は話術に長けてきたようだ。 

「…あ、飛影さん。私、りんご飴食べたいです」 

再び祭りを楽しむ気になったらしい雪菜に、飛影は内心で動揺していた。
先ほどまで、桑原がいなくて泣きそうな顔をしていなかっただろうか。それに、一度引き返そうとしていたような気もする。
雪菜に向けられた柔らかな笑顔に、どう応えていけばいいのか分からないが、とりあえず側にいれば不安にならずに済むのだろうか。