求む!体育会系 大阪府警が採用方針を抜本変更 | タクティカル コム

求む!体育会系 大阪府警が採用方針を抜本変更

ちょっと古いのですが、産経新聞の記事転載です。

求む!体育会系 大阪府警が採用方針を抜本変更 人文・科学の出題取り止め体力測定重視
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/121108/lcl12110819260001-n1.htm

厳しい訓練や規律が敬遠され、採用後1年以内に警察を離職する人が後を絶たないとして、大阪府警は8日、来年度から採用試験を大幅に見直し、熱意や体力を重視した選考基準に変更すると発表した。
教養試験で人文・自然科学系の出題を取りやめて簡略化する一方、体力検査を細かく点数化。
全国の都道府県警で初めてという「エントリーシート」も導入し、単なる公務員志望ではなく、警察官に対する熱意の有無を判断する。

以上転載でした。

いや、すばらしい!!

というのも、この学力試験に長けた人材が、基礎訓練課程についてこれずに辞めたり、現場にでても使えないというような問題は、警察だけでなく、自衛隊、そして海上保安庁などの現場の方々からも良く聞く事だったからです。

景気が悪い、、、、実際に悪いかどうかは別にして、そういう雰囲気があるなかで、公務員の志望者は年々増える一方。
当然のように競争率は高くなります。
公務員試験は、どの職種であっても、大体、1次試験が筆記の教養試験。
競争率が高くなると当然、試験向きの記憶力が良い人間から採用となります。
そのために、公務員試験に合格することを目指す“公務員予備校”のような専門学校ができ、そこに通って公務員になる人が増えているそうです。

これが問題です。
公務員を選択する一つの理由が“安定した職業”だから、というのは当然のことです。

とはいえ、その延長で、自衛隊・司法警察組織を同じように考えていたら、とても勤まるものではありません。

が、、、現実には、安定した職業だからという理由で、勉強して、志望してくる人が多いらしいのです。
多くの人から、ある一定の能力を持った人を選抜する場合、効率の面から筆記試験が1次試験になるのはやむをえないかもしれません。
この1次の筆記は、どうしても、記憶力が良い人が点数を取り安くなります。
まあ、記憶力を中心とした学力の判定が中心になってしまうわけです。
ということで、試験向きの能力が長けた人が、多く試験に合格して採用されることになります。

ところが、試験向きで、安定した職業を望んでいる人が、自衛隊・司法警察官の現場に役立つか、、、といえば、たぶん難しいところがあります。

まず、体力の問題。
現場で最初に求められるのは基本的な体力です。
それがあって、初めて思考能力が求められます。
ところが、試験勉強を中心に安定した公務員を目指している人の多くは、この体力が人並み以下という方が多いようなのです。
結果、基本教育で重視される体力練成でついていけなくなる、、、というわけです。

次に、熱意の問題。
この世界、やはりそれなりに、仕事への熱意がないと、勤まりません。
とことん、「安定した仕事」だけ求められたら、訓練についていけなくなるのは当然のこと。
「こんなにきついとは思わなかった」という戯けた話がたくさんあるそうです。

さらに、思考能力の問題
言ってしまえば、自衛隊も司法警察官も、職人の世界です。
まずは、基礎的な体力が求められ、初任者の間は先輩の指導に従い、そして仕事をしながら徐々に現場の技術を覚えていくわけです。
職人の世界ですから、中には理不尽な命令等も、、、山ほどあります。
それを乗り越えていかないと、理不尽なことだらけの現場では通用しなくなります。
しかし、試験に適応している人の思考は、「これをやれば、こういう結果がでる」という基準。
何をするにも、「どうして、これをやるんですか?」という話になりがちです。
自分達と同年代の上司からすれば、「だまってやれ!」「やってるうちにわかる!!」ということになるのですが、これが伝わらない。そこで、どうして、、、を説明しなければならなくなるのだとか。
まあ、基礎訓練だけならまだしも、現場や複雑な実働訓練では、そんな悠長なことはしてられません。
結局、現場に対応できずにやめていく人も多いのだそうです。

ということで、現場の人にいわせれば、皆さん共通して、
「理屈はいいから、まず身体を動かす、ガッツのあるヤツが欲しい!!」
という話になります。
要するに、体力と熱意がある「本当にやりたい人材」が、必要ということなのです。

こちらは、アメリカ海兵隊の訓練風景。
まさに、まず身体を動かすガッツのあるヤツ、、、です。
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ということで、、、
学力試験に偏った1次試験を変更したのが、今回大阪府警ということなのです。
学力試験重視だと、本当に現場で役に立つ人材、熱意のある人材が、入ってこないという現状を打破しようというわけです。

いや、あっぱれ。
中途半端に頭だけの人は、現場を続けるのは困難、、、、というわけですね。


さて、話は、変わりますが、人の能力は、筆記試験だけで判断することは非常にむつかしいのが実情です。
人の能力は、思考能力だけでも、様々な能力があります。
論理的に言うのであれば、たぶん“知能”とか“頭脳因子”というのが一番関係してくると思います。
記憶も一つの因子ですが、他にも様々な因子があります。
試験が苦手でも、アイディアを出すのが上手い人や、分析に長けた人、というのは大勢います。
仕事に必要な因子は、記憶だけではない、ということです。
しかし、日本では、差別につながるということで、こうした分野は、あまり公開されていないのが実情です。

まあ、知られてないだけで、色々なところで応用されているようですが、、、、
これからの採用試験は、体力と、熱意に加え、更にこうした分野の応用も必要なのかもしれません。