最新防弾ハードアーマー素材とセラミック アーマー プレートの概要 | タクティカル コム

最新防弾ハードアーマー素材とセラミック アーマー プレートの概要

アメリカのアリゾナにある『バーク インダストリー社』が、『Kryron(クリオン???)』最新の防弾ハードアーマープレート用素材を開発したとのこと。
ハードアーマープレートは、セラミックや鉄板などの硬質素材の防弾板です。
アルミとナノカーボンナノチューブを複合させて製造するそうで、個人用防弾プレートや、車両用のプレートとして使用でき、.50(12.7mm)弾を複数(マルチヒット)防弾できるそうです。

あ、カーボンナノチューブとか言われても、自分はさっぱりわかりません。
一応Wikipediaのリンクでも見てみて下さい。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%83%BC%E3%83%9C%E3%83%B3%E3%83%8A%E3%83%8E%E3%83%81%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%83%96

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  カーボンナノチューブのイメージ図
  ????です。

まあ、これからの素材なので、どうなるかは不透明なようですが。。。。

というもの、最新の防弾素材は、相当試験してみないと実用に耐えられるかどうか、わからない部分があるのです。最新素材は、みんなそうなんでしょうけど。。。
良い例が、日本の東洋紡さんが開発した『ザイロン』という防弾繊維。
販売してからしばらくして、実は劣化が進むのが早い!と言う事がわかり、、、、アメリカの防弾繊維メーカー『セカンドチャンス社』が訴訟を起こしたことがあります。
結局、和解したのですが、『セカンドチャンス社』は、BAE傘下のサファリランド社に吸収されてしまいました。
なんて、ことも起きるので最新素材は、ご用心なわけです。

さて、現在、多くのハードアーマープレートが使用されています。
これは、ライフル弾、、、特に徹甲弾(てっこうだん/AP)を防ぐためです。
素材の多くは“セラミック”です。これは、弾頭に燃焼剤を挿入した徹甲弾、焼夷徹甲弾(しょういてっこうだん/API)に対応するためです。

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  セラミックアーマープレートが弾を止める仕組み

さて、セラミックにも種類があるそうで、、、、
アルミナオキサイトなどの“オキサイト系”と、シリコンカーバイトなどの“ノンオキサイト系”のセラミックがあるとか。
難しい事はわかりませんが、“ノンオキサイトセラミック”の方が、同じ強度なら軽量になるとか。

米軍で使用されているハードアーマープレートは、ESAPI(イーサピ)と呼ばれていますが、これもセラミックプレートです。

当初セラミックは、陶器ですので、曲面を作るのが困難でした。最初のアーマープレートは、単純な局面しかできませんでした。
それも、そのはず!なんと、平面から削りだしていたのだそうです。そのため価格も物凄く高額でした。

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  初期のセラミックアーマープレート
  単純な局面構造です。

現在では、化学反応を利用して製造する新技術が開発されて、本格的な局面構造の製品が製造されるようになっているようです。

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 最新のセラミックアーマープレート形状
 複雑な局面も製造できます。

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  最新のセラミックアーマープレート形状2

ちなみに、一昔前に、曲がる!!セラミックアーマープレートがありました。。。いまでもあるのか。。。
“ドラゴンスキン”という名のセラミックアーマープレートは、セラミックのピースをウロコのように構成して折れ曲がる構造にしたのです。
1つのピースがライフル弾を停弾できる性能を有しており、非常に高い評価を得ていたのですが、軍の試験には合格できませんでした。隙間から弾が抜けてしまったそうです。
しかし、製造会社の社長は、納得できず、「軍の試験が不正に行われた」と言って訴訟を起こし、、、ぐちゃぐちゃになってしまいました。
どこの国でも、国に訴訟を起こした会社の製品は、結局採用されるはずも無く。。。。

新製品って難しいですよね。

中小企業が開発した新製品って、銃や弾の方が採用される確立が高いような気がします。
防弾関係や、繊維って、中小企業が入るのは難しいようで。。。。。(ーー;)


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 ドラゴンスキンアーマープレート
 ピースがウロコ状に重なっているので、曲げることができます。 

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ドラゴンスキンのピース。単体でライフル弾を止めるそうです。