成形炸薬 ドア ブリーチング弾 ・・・・・ M100 GREM | タクティカル コム

成形炸薬 ドア ブリーチング弾 ・・・・・ M100 GREM

ブリーチングと言えば、使い物になるかどうかは別にして、イスラエルで開発された鉄扉を開けるブリーチング弾があったのを思い出しました。

アメリカ軍でM100GREM(Grenade Rifle Entry Munition)として少量採用されたような話を聞きましたが、実際大量購入されたかどうかは、、、、わかりません。

  タクティカル コム

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というのも、これ、どう考えても運用が難しいかと。。。。

これは、M4の空包等で、爆薬の入った特殊弾を発射して扉を変形させて開けるものです。

弾頭は、成形炸薬弾でいわゆるモンロー/ノイマン効果を発生する形状になっていて、爆流の主たるエネルギーをドアの方向にむけて、ドアを変形させることができます。
ただ、貫通力を高めるノイマン効果を発生させるライナーが入っているかどうかは、不明です。
あくまでドアを変形させるのが目的なので。。。
成形炸薬弾は、対戦車火器の弾頭に使用されてるモノと同じです。
これがそのイメージです。

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  タクティカル コム
  成形炸薬弾であるRPG-7の弾頭断面イメージ図です。

爆薬を円錐形にして後方から起爆するとエネルギーがメタルジェットとなって1方向に集約され貫通力が高まるのがモンロー効果。。。。
それに金属製のライナーを入れるとより一層貫通力が高まるというのがノイマン効果。。。。
らしいです。。。
こちらのページに詳しい解説があります。
http://sus3041.web.infoseek.co.jp/contents/shell_var/heat.htm


ライナーの有無もそうですが、大きく違うのは、先端の着発信管と爆薬本体の先端部距離です。

最も高い貫通性能を発揮するためには、爆薬に合った適切な長さ(スタンド オフ)を取って信管位置が設定されます。
弾頭先端の信管と爆薬の先端距離が適切でないと、高い貫通性を発揮できません。
M100は、あえてこのスタンドオフを長く取って貫通力を弱めて、鉄扉を変形させるくらいのエネルギーに設定してあるわけです。

確かに、鉄のドアを開けるのには有効かもしれませんが。。。。

幾つか難点が!!??

まず、ドアが鉄製と判っていないとえらいことになります。建物の情報が的確に得られていれば良いですが、情報収集している時間が無い時は、現場で判断しなければならなくなります。
すると、実際にドアまで誰かが行って材質を確認して、それからM100を発射する事になります。
そんなんだったら、最初から適切な量の爆薬でカッティングチャージしてしまえば???と思ってしまいますが、、、どうでしょう。。。

運用場面があるとすれば、時間があって、かつ、他の部屋に極力影響を及ぼさないように、1部屋を殲滅しなければならない時でしょうか。。。

M4等の空包で発射し、射程は、15mから30mです。
まあ、世界には、珍しい道具もあるってことで。。。。

ちなみに、個の製品、日本に持ってくるのは、とんでもない手間がかかります。
成形炸薬弾ですので、爆薬になり、運ぶのは船、、、ですが、最終的に運ぶかどうか決めるのは、船長の権限です。
OKしてくれる船長見つけるのがたいへんでしょう。最小ロットも莫大な数量になるでしょうし。。。

参考映像です。
  

ちなみに、こんなのも、、、、

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  M100の親玉、
  “マタドール(RGW-90)ウオール ブリーチング スタンドオフ ミニュション”
  つまり、壁用ブリーチング弾!!です
  これ使うなら、建物ごと、、、、の方が。。。。(ーー;)