歩兵戦闘の重要性 | タクティカル コム

歩兵戦闘の重要性

非対称戦争の時代になって、歩兵の戦闘力強化が進んでいます。

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   アフガン山岳部における戦闘で、M4で応戦するアメリカ陸軍歩兵

非対称戦争(Asymmetric War)は、戦闘するもの同士が、対称でない戦争、ということです。
つまり、正規軍と正規軍が戦うのではなく、正規軍と同じ戦術では勝てない少数軍、テロ集団が、正規軍が苦手とする戦術で戦闘を行うわけです。少数部隊での一撃離脱を繰り返す、ゲリラ戦、テロによる戦闘と言うことです。

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   アフガンの村落をパトロールするアメリカ陸軍歩兵部隊

非対称戦闘では、民間人が点在する状況で戦闘になることもしばしばです。

民間人が存在する状況での戦いは、大砲、戦車、航空機などによる大規模攻撃が困難であり、歩兵が戦闘の主力となる場合が増えているようです。
つまり、歩兵が直接敵を確認して、1つ1つ拠点をクリアーして確保し、警備して維持する、と言うことが繰り返されるわけです。

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   アフガン山岳部の丘陵から監視するアメリカ陸軍歩兵部隊

無論、これだけではないので、総合的な軍事力が必要となっているわけですが、アメリカ軍を中心にイラク、アフガンで戦っている国では、歩兵1人1人の戦闘力の向上に力を入れているようです。

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   アフガン山岳部をパトロールするアメリカ陸軍、第503歩兵連隊員


さきにアップしたように、アメリカ軍における歩兵の支援火器の更新などは良い例かもしれません。

さて、わが国の場合は、どうなのでしょうか?

長年、陸上自衛隊は、敵国が上陸部隊をもって我が国を攻撃してくる事を想定して“着上陸防衛”が作戦の中心でした。
近年、工作船事件等から、敵の特殊部隊などによるテロ・ゲリラ攻撃も想定してきました。

で、今は、諸島防衛および奪還作戦がこれに加わっていると思います。
いずれにしても、基本的に、日本は島国ですから“着上陸防衛および奪還作戦”と言う内容は変わらないものと思います。

さて、その中で、民間人が点在するような状況があるのでしょうか?

今回の震災を考えていただくと可能性が十分あることがわかります。
震災直後、多くの人が一斉に避難しました。しかし、普段訓練をしているにも関わらず、短時間で全員が避難することは非常に困難だったようです。

これを、敵国の少数部隊による攻撃にあてはめてみると、、、、

敵は奇襲攻撃を加えてくるわけですから、通常の着上陸防衛とは異なり民間人の事前避難ができなくなります。つまり、地震直後の避難とまったく同じ状況になるわけです。
当初は警察が出動することになるのですが、警察で対応できなくなると陸上自衛隊が出動します。

その間に、民間人が避難し切れればよいですが、それが簡単に行かないことは、今回の震災が教えてくれています。
自衛隊は、民間人と敵部隊がぐちゃぐちゃになっているところで、戦わなくてはならないのではないでしょうか??

この話を、とある関係者に聞いてみたら、
「避難が終わっているところに出動するのだから、心配ない」
と、応えてくれましたが、、、
(本当かぁ???)
と、思ってしまいました。

加えて、我が国は、地震の避難訓練はしたことがあっても、敵国からの攻撃での避難訓練なんぞしたことはありませんし、たぶん計画もないかと。。。
地震の避難は近所ですみますが、戦闘の非難は、全員がなだれのごとく遥か後方に避難することになります。

正直、どうなるんでしょ??
というところですが、普通隊員は、こうした状況の中、敵部隊から民間人を守りつつ、殲滅しなくてはなりません。ヘリや特科の支援は限界があるかも、ではないでしょうか?

となれば、後は普通科隊員の戦闘能力と、装備がカギです!
が、、、しかし、、、、こんな話、誰も聞いちゃくれんでしょうねえ。。。。(ーー;)


参考までに、イラク、アフガンで民間人がいるなかで活動するアメリカ軍の映像です。


アメリカ歩兵のイラクでの活動です。
  
  
同じく、イラクでのアメリカ歩兵の活動
  

アフガンでのアメリカ海兵隊のレポート
  

同じくアフガンでのアメリカ海兵隊です