(ほぼ)月一更新(予定)鑑賞映画ひとことレビュー

(ほぼ)月一更新(予定)鑑賞映画ひとことレビュー

月一で初鑑賞映画の感想を書いてます。
あくまで個人の感想です。立派な考察・評論は出来ませんのでご容赦下さい。

2024年5月鑑賞映画ひとことレビュー

 

5月の鑑賞本数は26本。

 

□「少年たちの時代革命

 非常に胸に迫る厳しい映画ではあるけれど、有体にいってしまえばよくあるお話。ただこれは本当の香港を理解しなければその切なさを厳しさの本質は決してつかめないのだろうと感じました。

【70】

 

■「無名

 第二次大戦下の上海で暗躍する中国共産党・中国国民党・日本軍のスパイたちの攻防を描いたノワール・サスペンス。

とにかくトニー・レオンはもちろん、相手役のワン・イーボーの匂いたつ男の色香がすさまじすぎて、もうそれだけでお腹一杯なのに、三つ巴のスパイ合戦は複雑怪奇な上に濃密かつ重厚。集中していないと物語に置いてけぼりにされること必須。かなり疲れる映画体験でした。

 というか、どうしてこんなに時系列をいじる必要があったのか。なんだかあえてわかりづらくというか、確信犯的に驚きを優先したというような、そこはかとない中二病感が香っているのがどうにももったいないというかイラつくというか。そもそものお話自体は面白いし、役者たちの渾身の演技も素晴らしいのに、何故にこんな構成にしてしまうのか。そこが本当にわかりませんでした。いやまあそんな複雑怪奇なわかりづらさを使ってちょっと違う感じにしたいっていう意図はわかるのですが、だからこそあえて直球勝負をしてほしかったのです。ノーランといい、昨今の時系列いじくり系の、考えの浅さが本当にイラっとしてしまう、そんなオールドファンの泣き言でした。

【70】

 

□「ザ・ハウス 呪縛のAIマンション

 AIハウスが人を襲う!ってな感じのお化け屋敷の別バージョン。可もなく不可もなく。

【55】

 

□「ナイトウォッチメン

 バッタもの感が半端ないタイトルに負けない能天気でおバカなホラー。愛に溢れているので結構観れました。

【55】

 

□「CHASE チェイス 猛追

 ジェラルド・バトラー兄貴版「ブレーキ・ダウン」。というか兄貴の血走った眼と暴走っぷりでお話なんてどうでも良くなるザ・兄貴映画。

【60】

 

■「殺人鬼の存在証明

 かのチカチーロ事件を元にしたロシア産のサスペンス・ミステリー。実録物では無く、事件の裏側で実は!的なフィクションとなっております。

共産主義の中での連続殺人事件の捜査というお話では「チャイルド44」というトップがあって、実録物では「ロシア52人虐殺犯/チカチーロ」なんて大傑作な映画(埋もれているのが本当に惜しい傑作)があるのですが、こちらは趣向を変えて、実際の連続殺人事件の捜査をなぞりつつ、その捜査に人生を狂わされた人々の運命を陰鬱かつ容赦なく描いていきます。実際、本当に胸糞悪い描写の連続で、登場人物もクソ野郎ばかりでしかもかなり人格破壊的なシーンだらけなので、相当心が削られるので、観るには体力が必要なのですが、至る所に張り巡らされら伏線と、結構驚くどんでん返しは、なかなかに計算された感じで完成度高し。他のチカチーロものに比べて共産主義社会での異常さが薄いのは少しひっかかりましたが、これはこれでミステリーとしては十分及第点な映画だと思います。

【75】

 

□「アフター・ヤン

 スノッブでおしゃれ系で切ないSF小話。基本切なくいいお話なんでしょうが、ヤンさんの設定も含め、妙に意識高い系が鼻についてしまいました。

【60】

 

■「胸騒ぎ

 やたら評判が高かったイヤミス系ホラーのベスト級の怪作。

 とにかく人間生きてる上で必ず一度は遭遇するであろう、あのどことなく気まずい雰囲気がこれほど再現されている映画はまあ観たことが無いし、それがここまで残酷なお話になろうとはついぞ想像もしませんでした。

 ある場所で意気投合した他人の家にお呼ばれに行ったら思ってた人達と違ってて居心地超悪いけど帰るに帰れないなんてのは気遣い過多の日本人だけかと思ってたら世界共通のようで、一歩間違えればコメディになるところを、この映画はその違和感と罪悪感をちょっとしたところから大きな事件へと展開、そして驚愕かつ極悪なラストへ傾れ込むわけですが、細かな嫌悪感が大きな違和感につながるその構成の妙はお見事。主人公夫婦のスノッブ感と対する相手夫婦DQN感もまた何とも言えない絶妙さで、とにかく全てが気まずさと違和感、嫌悪感に満ちた非常にそこ維持の悪い映画です。ラストについては正直違和感もありますが(主人公夫婦があまりに虚弱すぎる気がしてしまいまして…)それでもその凄まじい絶望感と虚無感で納得せざるを得ないのかもしれません。

【75】

 

■「またヴィンセントは襲われる

 目があっただけで人々に襲われる男の必至の逃亡劇を描いた不条理スリラー…と思いきやなんだか違う方向へ進んでしまった詰め込みすぎて失敗した映画の典型。っていうほど悪くは無いのですが、最初の方の不条理さが非常に良かっただけに尻すぼみ感が否めない残念な出来となってしまいました。

まあやりたい事はわかるのです。ちょっとした歪みから世界が崩壊していくようなお話はそれこそこの手の映画好きには大好物だし、その出だしとしてはこの映画は非常によく出来てますので、その不条理さが世界滅亡へ繋がっていく様は何とも楽しいのですが、あまりに設定を難しくしたせい(実際、目を合わせたら襲ってくるなんてのは物語においては非常に扱いづらい設定)で辻褄が合わないというかおかしなところが続出。大体、そんな主人公が恋愛出来るっていうのがそも無理ゲーなわけで、それだけで結構興醒めでした。実際、90分間ひたすら襲われまくて逃げまくるっていう方がよっぽど面白かったような気がします(もちろんやりたいことでは無いでしょうが)。それも踏まえてシナリオの練り込む不足が目につきました。

 傑作になり得る題材だっただけにちょっと残念な映画でした。

【65】

 

□「ヴァイキングダム

 観たまんまのザ・B級映画。でもそれでいい。

【55】

 

□「フォービア 4つの恐怖

 タイ産のホラーオムニバス。東南アジアのホラーってほんと湿度が高くて素晴らしいです。4本目がお気に入り。

【70】

 

□「バッド・デイ・ドライブ

 困った顔が至芸となりつつあるリーアム・ニーソン主演のパニックアクション。ありきたりなお話だけど、それなりのスリルとサスペンスが楽しめます。とりあえずマシュー・モディーンの老けっぷりが見どころ。

【65】

 

□「シャイロックの子供たち

 池井戸原作の中でもかなりシビアでビターなお話。爽快感は無いけれどいかにもな勧善懲悪よりは深みはあるかと。とはいえ流石にお腹いっぱい感が。

【65】

 

■「猿の惑星 キングダム

 「猿の惑星 聖戦記」で、なんとも言えない微妙な感じで終わってしまったリブートシリーズの続きかつ新シリーズの始まりとなるであろう「猿の惑星」新作。

 300年後の地球。荒廃した世界で人類は退化し、高い知能と言語を得た猿たちが地球の新たな支配者となっていた。そして、その一部の野心的な猿たちが巨大な帝国(キングダム)を築こうとしていた。帝国の冷酷な独裁者であるプロキシマス・シーザーによって故郷の村を滅ぼされ、家族や友と離れ離れになってしまった若き猿ノアは、旅の途中で出会った年老いたオランウータンのラカから、猿と人間の共存についての昔話を聞かされ、ラカがノヴァと名付けた人間の女性と出会う。ノヴァは野生動物のような人間たちの中で誰よりも賢いとされ、プロキシマス・シーザーの一派から狙われていた。彼女と一緒に行動することになったノアだったが、プロキシマス・シーザーにとらわれ、ノヴァとともに彼の帝国へ連行されてしまう…(映画.comより)

 という訳で新たな主人公の自分探しの大冒険が始まるわけですが、今回のミソは「人間」の扱い方。ネタバレなので詳しくは言えませんが、今までのリブート作とは違う、なるほどわかりやすい展開になっていきます。悪く言えばありがちな展開なのですが、まあそこはハリウッド大作。なんだかこれはこれで安心感を感じてしまうのはおっさんだからでしょうか。裏を返せばなんだかよくあるハリウッド産のYAもの(「ハンガーゲーム」とか「メイズランナー」とか)になってしまった感もあるのですが、よく考えればただおサルさんなだけで、少年の旅立ちと成長を描いた映画な訳ですので、そういう意味では結構オーソドックスな冒険SFなのかもしれません。まあ二つの異なる文化の対立を和解を描いていくであろうシリーズの1作目としてはシンプルな構成も含め及第点。現実世界を反映していくであろう分断と和解の物語としてこれからも期待したいと思います。

【70】

 

■「ありふれた教室

  ある中学校で起こった小さな盗難事件から、学園の秩序が崩壊していく心が痛いヒューマンサスペンス。

とにかくシナリオが素晴らしい。最初の事件の対応から始まり、盗難事件の犯人探しがあらぬ方向へと展開。それらが絶妙に絡み合い、徐々に学園内に蔓延する問題を浮かび上がらせる構成はお見事の一言。主人公は熱心で真面目、そして美人の新米先生。犯人探しのために彼女がとった行動が巻き起こす彼女対する様々な反応は、感情移入の対象であるが故に憤りと怒りを感じるけれど、事なかれ主義の校長、皮肉屋で使えない同僚、ここぞとばかりに幼稚な正義を振り翳す生徒たち、そして犯人と目される元同僚とその息子など、それぞれが各々の理があり、それを納得させられてしまうのが何ともお見事(とはいえやっぱりかなりムカつきますが)。

 ひたすら異様過ぎる緊張感が支配する99分。教育とは、人間とはをひたすら考えてしまう極上のサスペンスです。

【80】

 

□「世紀の取り引き

 なんともいえない時代を感じる(主演チェビー・チェイスがものすごく時代を感じます)コメディ。だけれどそれなりに辛辣で捻りが効いているので飽き無いのは流石にフリードキン。ただコメディセンスは無いかと…

【55】

 

■「ソイレント・グリーン

 はるか昔にビデオで鑑賞したのみだった本作(なのでほぼ覚えてなかった)。まさかのリバイバルで映画館にレッツゴーしたわけですが、こんなにリアルかつ絶望的なお話だったのかと、改めてフライシャーをはじめとするスタッフの慧眼にリスペクト。とにかくすさまじい映画でした。

【75】

 

□「最終絶叫計画5

 なんか妙に懐かしい気分になりました。

【50】

 

■「関心領域

 ホロコーストや強制労働によりユダヤ人を中心に多くの人びとを死に至らしめたアウシュビッツ強制収容所の隣で平和な生活を送る一家の日々の営みを描く、非常に評価の高い新たなタイプのナチス収容所映画。

監督が怪作「アンダー・ザ・スキン」のジョナサン・グレイザーという事で一筋縄ではいかないだろうと思っていましたが、やっぱり。なんというかとにかく異質で異様で恐ろしい映画でした。

 主人公は実在したルドルフ・ヘスとその家族。ストーリーの芯だけ取れば、「前途有望な中間管理職とその家族の日常をえがいたホームドラマ」。なんですが、その仕事がユダヤ人虐殺のための強制収容所の所長で、一家が住むのがアウシュビッツ収容所の隣。異常過ぎるシークエンスの中で映画は淡々とヘス一家の日常を描いていきます。直接的な虐殺シーンは一切無く、上映中延々と流れるのは銃声と悲鳴と得体のしれ無い重機の音。澄み渡る青空と丁寧に手を加えられた庭に彩られた映像とはあまりに相反するその雰囲気がこの映画の全て。その異様さにまず頭がやられます。

 彼らが無関心では無く、あくまで事情を知っていてこの日常を生きている事自体異常なのですが、映画はそれを強調する事無く、あくまで一歩引いた目線を貫いているので、却って協調されるという手法。実際奥さんは開き直っている(かのよう)し、子供たちは無関心(のよう)。家自慢のホームパーティや下女に対する姿勢など何をしていても狂気を感じてしまうのは凡百のホラーより遥に恐ろしく、観る側の想像力と道徳を刺激しまくります。途中黙って帰ってしまう祖母や、やたら吐き気を催すヘスなどに(作り手の)若干の姿勢を感じたりしますが、あくまで判断を観客に委ねるその方向性はこの映画を一味違うものにしています。

 だからこそ途中の収容所に侵入する女の子のシーンとか、ラストの現代パートの必要性に疑問があるのですが、それはあくまでこちら側の意見。異常過ぎる音と映像のコントラストから作り手たちの姿勢は充分感じる分、そのパートは無用だったのでは無いかなあと感じました。

 いずれにしても淡々と進む分だけ、感じようによっては退屈かもしれないこの映画、作り手たちの静かな怒りと憤りを五感フル活用で体験すべき映画です。

【75】
  

□「シャドー・チェイサー

 スーパーマン前夜のヘンリー・カヴィルが初々しいサスペンス。よくあるお話にブルース・ウィリスといういかにもB級スリラーなのでそう思えば十分楽しめます。

【60】

 

□「ラ・スクムーン

 ジャン・ポール・ベルモンドの渋さ爆発なカッコよすぎなノワール。こういう落ち着いた渋さと凶悪さと冷酷さを持つ映画って最近本当減りました…

【75】

 

■「帰ってきた あぶない刑事

 我々の年代であぶ刑事を知らない人はいないだろうくらいの超有名コンテンツですが、なぜに今更あぶ刑事の映画なんて。そんなに東映苦しいのかしらとか、お金持ってる年代狙い撃ちなのかしらなんて穿った見方してました。タカ74歳、ユージ72歳。まだまだ現役とはいえ流石にご老人すぎるでしょなんて思ってました。ほんとごめんなさい。まさにあぶ刑事。昔と変わらないあのダンディさで帰って参りました。

 基本的にファン向けのご褒美映画なので細かいことは言いっこなし。タカがユージが決め台詞やお約束アクションを決めて、トオルが後輩感丸出しで可愛くて、カオルがぶっ飛んでて、そして舞台が横浜なら問題なし。そんなお約束をきっちりしっかり見せ切り、きちんとあぶ刑事に作り上げたスタッフのリスペクトに感動。実際主役二人も年齢を感じさせないキレっぷりで、個人的には柴田恭兵の化け物ぶりに驚愕。ここまで動ける70代はほんと素晴らしいです。

 やたら偉そうでちょいうざな土屋太鳳(あくまで個人的意見)やいかにもや吉瀬さんや岸谷さん(いや良かったですが)にはちょっと失笑気味でしたが、それも含めてのプログラムピクチャー(個人的には16ミリフィルムっぽい画質も良)。往年の東映アクション感満載で非常に楽しませていただきました。

【75】

 

□「リーサル・バレット

 やたらオシャレでカッコつけまくりでクールな感じで誤魔化されてる感が不快な駄作。メル・ギブソン脇も脇です。

【50】

 

□「セキュリティ

 バンデラス主演、一夜ものワンシチュエーションサスペンスアクションの怪作。低予算だけれど、イカしたキャラや泣けるシーンがたくさんの、これぞB級映画の醍醐味!な感動が味わえる楽しい映画。やたら早い展開とラストのしょぼさはそれはそれで良い感じです。

【65】

 

□「あの頃。

 まあこういう映画に弱いのは年寄りなんで仕方無いかと。この手の男子わやくちゃバカ物語はやっぱりおっさんにはたまらないのです。松坂桃李をはじめ役者たちの充実ぶりと仲野太賀のクズっぷりが素晴らしい。ただ松浦亜弥を代役まで立てて出したのは失敗だと思います。

【75】

 

■「マッドマックス フュリオサ

 さて。今年前半一番の期待作にして一番の問題作。実際本国での評判は今ひとつで、興行成績は惨敗。前作の続きではなくスピンオフ。しかも前日譚という、なかなかに高いハードルがあったのですが。なるほど。前作とは一味も二味も違うけれど、これもジョージ・ミラーという怪作でした。

 幼いフュリオサが誘拐され、デスロードで反乱を起こす寸前までの18年間を描いた本作。デスロードとの整合性という難題を抱えながら、映画はフュリオサが復讐と通じていかにしてフュリオサと成ったかを、血と破壊と情念と怒りと狂気に色どられた英雄譚として描きます。そう、これはおとぎ話。なので、話の整合性とか伏線とかに謎な部分があったとしてもあくまで伝承・口伝なわけで、そこを突っ込むのは野暮ってものかと。主要人物の生死がはっきりしないとか、ディメンタス気づかんか?とか、イモータンの目は節穴か?とかそこここの構成については色々思うところはありますが、あくまでフュリオサの伝説を語る物語なので、そこはきっちり意識していると思われます。実際、フュリオサ自身に関する箇所についてはしっかり伏線も回収されているし(義手なんてそうですね)、これはデスロード後に語られる英雄フュリオサの物語としての立ち位置として正解かと。そういう目線でみれば18年間のフュリオサのすべてを(行動・感情含め)懇切丁寧しっかり描いて、しかもデスロードの行動の動機を、後付けと感じさせないのはものすごく上手いなあと思うし(とはいえ整合性を重視した部分については強引さも否めないところはありあます)、一貫して観客に対する真摯な姿勢が見えるのが素晴らしいです。

  かなり増えた(であろう)予算を使いまくってスケールがめちゃ大きくなって一層狂気度が増したウェストランドの中(ガスタウンとか弾薬畑とか完全にヒャッハーすぎる夢の世界ですよ)で、かなり複雑怪奇なようで小物なディメンタス(クリヘムほんと楽しそう)と、貫禄充分カリスマイモータンとの戦争を描きながらあくまで映画がフュリオサ目線から離れないという構成にしたのもなるほど。実際結構とっちらかりそうになるのですが(正直時間の扱いはうまくなかった)、強引にフュリオサの話に持っていく事で欠点を解消。サービス精神旺盛であるが故の欠点なのですがそこはもう大目に見るしかないです。

 もちろん狂気溢れるアクションは健在。前作以上に気合の入りまくった職人たちが全人生を賭けてやり切ったアクションはもはや至高の芸術。そんな芸術が、ものすごく見やすい画面構成(これ本当、このシリーズ一番の素晴らしさだと思う)で見せて頂けるだけで、もう充分満足(ファーストシーンの母親アクションのカッコよさと言ったらもう失神レベルでした)。前作もそうですが、アクションがしっかりと物語に結びついて、登場人物の感情にきっちり紐づけされているのがほんとにお見事だし、監督以下スタッフのストーリーに対する姿勢が昨今の映画にはない崇高な意思を感じさせてくれます。

 やはり2泊3日のデスロードと比較すると18年の物語はスピーディさに欠け、正直前作が良すぎた上の弊害もあるのですが、それでもこれはミラー師匠のサービス精神と思想と根性と狂気が生み出した至高の傑作。興行成績不振で危ういかもですが、企画があるらしいマックス版の前日譚、絶対に観たいです。お年もお年ですので、本当健康で長生きしていただきたいです。

【85】

 

ここでお得なポッドキャストをご紹介!台東区の銭湯「有馬湯」をキーステーションにお送りする映画やその他社会のもろもろについて私の友人であるアラフィフ男どもが熱く激しく語りまくるポッドキャスト「セントウタイセイ.com」。かなりマニアックなものから有名どこの邦画を独特すぎる視点で時に厳しく、時に毒々しく、だけど基本は面白おかしく語りつくしておりますので、是非聞いてやってくださいませ。

よろしくお願いします!