1月の初見鑑賞本数は28本。

 

年始からなかなかに濃い映画がたくさん公開され、胃がもたれました笑。

 

■「ダーティハンター

 2026年1発目は、みんな大好き人間狩りin70th。これ、題名だけはその昔とある本で見かけて知っていたのですが、鑑賞機会が皆無だったので、今回のリバイバルはほんとに楽しみにしておりました。

 ベトナム帰還兵のケン、グレッグ、アートの3人はそれぞれ結婚し、子どもも生まれ、社会的成功者として絵に描いたような幸せを手に入れていた。しかし彼らには、「人間狩り」という誰にも話すことのできない趣味があった。ある時、弾丸と食料を買い込んだ3人は獲物を捜しながら狩猟場へと出発する。途中でカップルを誘拐し、目的地の無人島にやってきた3人は、カップルの女に料理を、男に給仕をさせ、何事もないように数日を過ごす。そして、ついに獲物であるカップルを解き放ち、狩猟を始めるが、島にはもうひとりのハンターがいた…(映画.comより)

 よく映画で見かけるザ・アメリカンな友達家族同士のBBQパーティからの狩りへの流れ。人間狩りものと知っていなければいかにもアメリカな感じで進んでいきます(とはいえどこか不穏な空気が流れているのが70年代)。3人のハンターはそれぞれいかにもな個性の持ち主で(ある意味ものすごくパターン的なキャラ)、それが戦友という、ある意味一番強い絆で結びついているのもいかにもな設定。しかし、その標的が人間のカップルだと判明したところから、ストーリーや雰囲気含め、全てが異常になっていくその様がものすごく不快かつ快感。ピーター・フォンダの空虚な色男ぶりに象徴される時代の空気。これぞ70年代、ベトナム戦争下のアメリカ映画の真骨頂。極悪人達の胸糞悪い内面が、理解出来そうにない、でも理解出来てしまうというそのアンビバレントな感情の誘発度合が半端ない、それこそ70年代のニューシネマの真骨頂だと改めて感じさせてくれました。

 現代のポリコレ事情では絶対に無いであろうカップルの女のあまりなビッチぶりや(多分今ならこの女性、最後まで戦うんだろうなあ)、3人の散り際のあっけなさなんかもまさにこの時代。久しぶりに映画にハマった後で中二病を発症してしてしまった自分を思い出しました。

【75】

 

■「マッド・フェイト 狂運

 あの2025年最大のバズリ映画にして個人ベスト1の「トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦」のソイ・チェン監督作品。映画のヒットだけにとどまらず、香港映画の復権と新たなファンを開拓した「トワウォ(この略し方嫌いですが長くなってしまうので…)」の功績はここで語るにはあまりに多すぎるので割愛しますが、そんな「トワウォ」ブームに乗って、ソイ・チェンさんが「トワウォ」の前に手掛けた映画が公開されるとあればそれはもう観るしかないわけで。「トワウォ」で、かの魅力的すぎるキャラたちをきっちり整理整頓の上、圧倒的な熱量で描いた監督の力量に疑問の余地は無いでしょう。で、この映画。ジャンル的にはクライムスリラーというかサイコスリラーなんでしょうか。娼婦を標的にした連続猟奇殺人事件に巻き込まれた人々の運命を、圧倒的に作りこまれた超絶ダークで耽美的な世界感の中で、時にグロテスク、時にコミカル、時にエモーショナルに描いているという、なんとも複雑怪奇な怪作となっておりました。

 シンプルに言うと、”サイコパスを狂人が救う”お話。何を言っているかわからないかもしれないけれど、ありのままに言ってしまえばこれ。自身のサイコさんな本能を押さえきれず懊悩する男と、他人の運命を読めるが故に苦悩しまくる男が、連続猟奇殺人事件を通じて出会い、それぞれの運命に抗いつつお互い助け合うという、何故にこんな話を思いついたのか全く理解出来ない程におかしなお話。それをソイ・チェンさんの濃密(物理的に)過ぎる狂気の美術世界で描いているものだから、鑑賞中の感覚は今まで経験した事が無いほどに異常で異質。「トワウォ」での九龍城砦がある意味主役だったように、ここでは運命(神様と言ってしまっても良いかと)の存在を感じさせまくる舞台装置や映像美がある意味主役以上の存在感を見せ、その中でもがき苦しむ登場人物たちのドラマを一層狂気なものへと昇華させます。アクションでもスリラーでも、圧倒的に意思と存在感のある舞台装置を構築した上で、その効果を最大限に活用の上、物語を語り尽くすというその手法はお見事。昨今稀に見る異質な映画体験が出来る映画です。ただ、登場人物全員がしっかり狂っているので(ラム・カートンさんを始めとした役者さんたちの怪演がもうすごくって…)かなりキツいですが(苦笑)。

【75】

 

■「ワーキングマン

 お正月はステイサム!を恒例行事にしたいという配給の思惑なのか、今年もわざわざこの時期公開というジャンル・ザ・ステイサム映画。働くステイサムおじさんの今回は建築工事の現場監督。もちろん正体は最強の元特殊部隊員です。そんなステイサムおじさん、今回は誘拐された恩人の娘さん救出のために、世界的な人身売買組織に戦いを挑みます。

という訳で、今回も安定のステイサム劇場。前の「ビーキーパー」とは違い、今回はどストレートでエモーショナルなステイサム映画となっておりますので、ある意味見やすい楽しみやすい感じとなっております。作り自体も特に変わった事、目立とうとするとこもあまり無く、シンプルな感じだったのも好感度は高めでした。

 シナリオにスタローンが絡んでいるからか、お話から何からまんま「ランボー ラスト・ブラッド」なのはご愛敬ですが、直系の後継者たるステイサムへの、正式なバトンタッチのような気がしてなんだか涙が出そうでした。

 次回作は元警官の警備員らしいですが、「ビーキーパー」も続編決定しているようですし、この働くステイサムおじさんシリーズはぜひ続けていって欲しいです。清掃員とか、電気工事の人とか、鳶とか、植木職人とかで。

【70】

 

□「ラストサマー リターンズ

 そもそも1作目がそれほどだったのでリターンズて言われても…そんな感じですがファンだったら楽しいでしょう。

【65】

 

□「インビジブル・エネミー

 変わった事をやってる俺たちかっこいいって言って失敗してるイタめなやつ。

【60】

 

□「ナイブズ・アウト ウェイク・アップ・デッドマン(NETFLXオリジナル映画)」

 本格ミステリファンとしては、1作目、2作目の出来が良かったので今回も期待したのですが、ちょっと期待外れ。映画としてもミステリとしてもちょっと中途半端な感じというか、細部の詰めが甘い感じで、本格ミステリで一番大事な謎解きの甘さと伏線の張り方の下手さがちょっと目立ってしまった感。ちょっとイメチェンでまんまフィル博士なダニエル・クレイグも精彩を欠いた感じだったし、全体に雰囲気に覇気が無いように感じるのは物語のせいなのか、はたまた慣れなのか。ライアン・ジョンソンちょっとこのシリーズから離れた方が良いかもです。

【65】

 

□「ダーク・プロトコル

 いかにもB級な感じは微笑ましいです。

【55】

 

■「コート・スティーリング

 癖ツヨ監督ダーレン・アロノフスキーの新作は90年代のNYを舞台にした巻き込まれクライムサスペンス。

 1998年、ニューヨーク。かつてメジャーリーグのドラフト候補になるほど野球で将来を嘱望されたハンクだが、運命のいたずらによって夢は潰え、今はバーテンダーとして働きながら恋人のイヴォンヌと穏やかな日々を送っていた。そんなある日、変わり者の隣人ラスから突然ネコの世話を頼まれる。親切心から引き受けたのもつかの間、街中のマフィアたちが次々と彼の家に殴り込んでくる。ハンクは、自分が裏社会の大金絡みの事件に巻き込まれたことを知るが、時すでに遅かった。警察に助けを求めながら逃げ回る日々を送る中で、ついにある悲劇が起こる。ついに堪忍袋の緒が切れたハンクは、自分を巻き込んだ隣人やマフィアたちへのリベンジを誓う…(映画.comより)

 大まかなお話的には結構定番な巻き込まれ系のサスペンスで、展開的にもそれほど目新しいところも無い(ハヤカワ文庫NVとかでよく見るお話ですな)安定のエンタメ作と言えばそんな感じではあるので、アロノフスキーみたいな変人監督作としては非常に観やすい、楽しみやすい映画とはなっております。とはいえ腐っても癖ツヨ。親しみやすいとはいえ全体のエッジの掛け方や、キャラ設定のとんがり具合なんかはなるほどアロノフスキーな感じでちょっと面白。ユダヤ人の殺し屋二人組(超有名どころなのにヒゲで顔が今ひとつわからないのがなんとも贅沢笑)をはじめ、キャラが全員きちんと立ってるのはさすが。なのでやっぱりそこらのこの手の映画に比べるとレベルは段違いであります。そんな中、この映画一番の見どころはやっぱり主役のオースティン・バトラー。やさぐれ負け犬を演じていても半端ないイケメンぷりで、その演技力やオーラも含め、いかにも主役なその佇まい。さすがハリウッド次世代イケメン枠を背負うスター。なので彼の姿を堪能するだけでも結構満足したりします。それら諸々も踏まえ、安定して面白さのある良作だと思いました。

 まあアロノフスキーがほんとにやりたかったのは1998年のニューヨークを映像化したかったのかもですが。物語も含め、9.11以前、世界一の都市と言われていた大都会の街の佇まい、洗練と猥雑、絶望と希望のカオスだったニューヨークを記録として残したかったのがほんとの意図だったのかなあなんて感じたりもしました。

【75】

 

□「六人の嘘つきな大学生

 根本のところで就活ミステリーに無理があるように思えて乗り切れず。キャラが全員パターン通りなのもなんだかきつい。

【60】

 

■「ウォーフェア 戦地最前線

  アレックス・ガーランド絡みの2作が同日公開なのがなんだか面白いというか狙ったのかはわかりませんが、とりあえずこちら。「シビル・ウォー」の軍事アドバイザーを務め、米軍特殊部隊として従軍経験を持つレイ・メンドーサを共同監督で手がけた、最前線の極限状態を可能な限りリアルに再現した事がウリの実録戦争映画。
 2006年、イラクの危険地帯ラマディ。アメリカ軍特殊部隊の8人の小隊が、アルカイダ幹部の監視と狙撃任務に就いていた。ところが、想定よりも早く事態を察知した敵が先制攻撃を仕掛け、市街地での全面衝突が勃発。退路を断たれた小隊は完全に包囲され、重傷者が続出する。部隊の指揮を執ることを諦める者、本部との通信を断つ者、悲鳴を上げる者など、現場は混迷を極めていく。そして負傷した仲間をひきずり、放心状態の隊員たちに、さらなる銃弾が降り注ぐ…(映画.comより)

 この手のリアルさを追求した戦争アクション映画って、エポックメーキングな「プライベートライアン」結構作られていて、比較的低予算で製作出来るからなのか、アクションメインな戦闘シーン満載なB級的なものが多いのですが、今作についてはさすがのアレックス・ガーランド、それらとは一線を画す出来とはなっております…と言いたいところなのですが、そこまでのインパクトは…というのが正直なところ。まあ「プライベートライアン」以降山のように作られてるので、物語や映像的なところで今更新機軸は難しいのは仕方無いのだけれど、なんというか、最前線を極限まで映像化した事が逆にものすごく映画的だった事がある意味確かに恐ろしいとは感じました(もしかしてそれが狙いなら凄まじいですが)。ただ、確かに音の演出についてはかなりの衝撃。爆音と静穏というか、爆発音や発砲音が凄まじいのは言わずもがななんだけれど、戦闘状態ではない時の静穏の処理がものすごく上手で、”ジェットエンジンの大轟音から針の落ちる小さな音まで”を表現できるIMAXにはピッタリの映画だし、それも含めての臨場感は映画館じゃないと味わえないプロのお仕事ではありました。

【70】

 

■「28年後… 白骨の神殿

 個人的には非常に楽しんだ「28年後…」3部作の2作目。古来より3部作は2作目が一番面白いという言い伝えがありますので、今作も過度な期待を込めてしまっておりました。

 映画は前作の直後から。白骨の神殿で病気の母親を看取り、ウイルスに覆われたイギリス本土で生きる道を選んだ前作の主人公・少年スパイクは、感染者に襲われかけたところを、ジミー・クリスタル率いる全員金髪の暴力的なカルト集団「ジミーズ」に救われる。しかし、彼を待っていたのは救済ではなく、救いのない世界で味わうさらなる絶望だった…という訳で、今作はスパイク少年(=ジミー)の底なし沼な地獄巡りと、前作で強烈なインパクトを残した、白骨の神殿の製作者で、死と生の探究者ドクター・ケルソンと28年後世界の”バブ”である異形の怪物サムソンとの交流の2本立て構成。

 全体として、非常に良く出来てます。生と死、正義と悪、暴力と救済、本能と理性、それらの相反する概念の関係を哲学的な思索を持ちつつ、あくまでエンタメホラーとしての基盤を外す事無く描いているのはさすが。白骨の神殿の荘厳なるビジュアルが象徴する、相反する境界が最早崩壊し、融合している世界の中で、あくまで境界を確固たるものとして対立し、エゴと欲をむき出しにした小物ジミーズ統領と、理性と知識で境界を越えようとする清廉ケイレブとの対比と、その二つの邂逅がもたらす悲劇を、血と脳漿のグロオンパレードで描くという、いかにもなシリアスホラーでありながら、ラストに漂うそこはかとない浄化の空気は、このシリーズの特徴であり白眉。その救いがこのシリーズを特別なものにしているのでしょう。まあめちゃカッコいいい登場をした割に、思想も含めやたらに軽いジミーズ(ジャック・オコンネルの小物感は最高)や、”バブ”枠サムソンの扱いについてちょっと思うところはあるけれど、それらも含め3作目。完結編の展開が非常に楽しみです。

【75】

 

□「雪風 YUKIKAZE

 やたらCGがけなされてるけれど、そこも含めて浅めくてちょっと古めかしい映画。軽く観るにはいい映画ですが。

【60】

 

■「クラーケン 深海の怪物

 戦争のため、新作がほとんど公開されないロシア映画。一時期流行ったロシア製ハリウッド映画も今では配信で細々と観ることしか出来ないこのご時世、久しぶりに劇場公開(とはいえ特集上映ですが)されたのは、今作があんまり軍事的というか政治的なお話じゃあないからなんだろうなあなんて事を感じながら観させていただきました。

 海の怪物VS原子力潜水艦!いやもうそれだけで面白さ確定なのですが、まあよくあるお話って言えばお話(というか海底2万マイルだから)なのですが、金の掛け方とスケールの大きさはさすがおそロシア。原潜が対峙するのは島より大きいクラーケン=超巨大ダイオウイカ。全貌がわからないほど巨大すぎる怪物はもうそれだけで大満足なのですが、兄弟愛を軸としたドラマも、怪物に頼る事なくきちんとしていてなかなか。しっかり作り込んだ映像も含め、充分鑑賞に足るエンタメ大作です。

まあ欲を言えばラストの怪物退治の方法がいきなりでイヤイヤそれはなのが勿体無いといえば勿体無いのですが、そこも含めてロシア製ハリウッド映画として楽しめる快作でした。

【75】

 

□「でっちあげ 殺人教師と呼ばれた男

 “一番怖いのはやっぱり人間”を、これほど思い知らされる映画もまあ無いなあというくらい、とにかく恐ろしい映画。綾野剛の普通の人っぷりと柴咲コウのサイコさんっぷりが職人三池監督の静謐だけれど熱い演出で見事にドラマ化。フェイクと真実、世間と言う名の暴力と信じる心の美しさ、相反する事柄を声高に叫ぶでもなく淡々・粛々と描いた非常に映画IQの高い映画でした。

【75】

 

□「エンド・フロム・ディープ 終末の海域

 セイレーンVS原潜という、めちゃくちゃ燃える設定なのですが、如何せん何もかもがチープすぎ(登場人物があまりに少なすぎ笑)。そこに目をつむれば結構楽しめます。

【60】

 

■「MERCY マーシーAI裁判

 ロシア製ハリウッド映画の始祖でもあり、スクリーン・ライフ手法の発明者でもあるティムール・ベクマンベトフが送る、その二つを融合させた近未来サスペンス。

 凶悪犯罪が増加する近未来。敏腕刑事のレイヴンは、バディを組んでいた同僚警官が捜査中に殉職し、犯人が裁判によって無罪放免となったという苦い過去から、AIによる厳格な裁判制度の制定を提唱し、AI裁判所である「マーシー裁判所」が設立された。しかしある日、レイヴンが目を覚ますと、妻殺しの容疑で自らがマーシー裁判所に拘束されていた。レイヴンは冤罪を主張するが、事件前の記憶は断片的だった。無実を証明するには、AIが支配する世界中のデータベースから証拠を集め、AI裁判官が算出する「有罪率」を規定値まで下げなくてはならない。それがかなわなければ即処刑という状況の中、レイヴンは残された90分で真実にたどり着こうと奔走する…(映画.comより)

 と言うわけで映画は防犯カメラ、スマホの映像など様々な映像素材を駆使して展開されるわけですが、スクリーンライフ映画って本当にすごいなあと素直に思います。防犯カメラ映像にしたって、スマホの映像にしたって、SNSにしたってその物語に合うようにそれらしい映像を作らなけらばいけないわけで、そういう素養が全く無いおっさんにとっては本当素直に驚嘆するわけで。なのでこの映画にもまずは作り手側の工夫に素直に感動したりしました。

 で、お話。いやまあスクリーンライフを最大限にいかすお話として考えられているので、それについては素晴らしいと思いますし、なんだか昔ながらのB的SFっぽくて良いのですが、それ以上でもそれ以下でも無いのが辛いところ。クリス・プラットやレベッカ・ホールデンなんてAクラスのキャストを使ってのこのお話ってもの80年代のスピルバーグ製作濫造期っぽくてなんだか懐かしい感じもしますが、それはやっぱり昨今ではちょっと古いかなあなんて印象もありました。

とはいえそれも含めてのロシア製ハリウッド。これはこれで充分楽しい映画でした。

【70】

 

■「ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ2

 前作も全くダメだったのに何故か観てしまった続編。いやまあ前作があんまりだったから、流石に反省してるでしょうよと一縷の期待を込めたのですが…いやあ前作に増して酷い映画でした。

 これ一応保良触れ込みじゃ無いかと思うのですが、とにかく怖くない、というかそもそもホラー映画舐めすぎ。いかにもとてつけたようなありきたりのホラー演出をアリバイ的にやって、しかもセンスゼロで新しい事をやってやろう的な気概もゼロ。シナリオははちゃめちゃ、キャラはブレブレ(と言うか全員宇宙人に並に理解不能な行動ばかりなのでハテナの嵐でした)、そもモンスターが絶望的に可愛くないし怖くもないときた日にゃ何をどうすりゃいいってもので。一番ムカつくのが作り手側のやる気の無さ。全編とりあえずデートムービー作っときゃいいんでしょ的な舐めた感じがたまらなく不快で、しかもラストはまさかの“続く“。しかもその引き自体なんだかとってつけた感満載。昨今稀に見るクソ映画でした。流石に3作目は観ません(断言)。

【50】

 

□「思い、思われ、ふり、ふられ(アニメ版)

 おっさん的には背中がかゆくなりまくりですが、アニメなのでなんとか我慢出来ました。この手のものをアニメにする意味がやっとわかった気がしました。

【60】

 

□「#真相をお話しします

 物語と比較して全編通してあまりに軽すぎるのが不快。ストーリー自体はなるほど面白いのだけれど、役者、特に主役二人の力不足があまりに厳しく、それにつられてか映画全体が安っぽいドラマになってしまってるのが非常に勿体なく感じました。大森氏はともかく、菊池氏の大根ぶりとスター性の無さは役者以前の問題かと。

【60】

 

□「ストレンジ・ネイチャー」

 ポリコレ的に結構きわどい描写が多いので、ある意味問題作。

【50】

 

□「バース/リバース

 とにかくイヤーなお話。マッドサイエンティストとシングルマザーの関係性は面白いけれど、とにかく生理的にも精神的にもなかなかに来る映画でした。

【60】

 

■「カリギュラ 究極版

 かの伝説の最低映画がまさかの再編集&4Kで究極版として蘇るなんて、いやー長生きはするもんです。上映時間178分。超豪華なセットの中で、ひたすら変態

狂人の狂態を見せられる、ある意味拷問のような映画体験。それがこうして日比谷の一等地で体験出来るとは。いやー本当に貴重な体験をさせていただきました。

 初公開版はちゃんと18歳を過ぎてからビデオかなんかで鑑賞しておりますが、めくるめくお姉様方の狂乱とマルコム・マクダウェルの超絶ハイテンションしか記憶にございません。なので体感的にはほとんど初鑑賞でした。

 で。究極版。なるほど、悪虐皇帝カリギュラの伝記として、普通に観れる映画になっております。まあ普通と言っても豪華絢爛すぎるセットと、意地でも画面に必ず映る裸のお兄さん・お姉さんたちのくんずほぐれずのプロレスを敢えて無視すればの話ですが。とにかく全編濃厚。不健康に脂ぎった場末の売れないラーメンが、何故か三つ星レストランのメニューで出て来るようなそんな映画でありました。合わない人はとことんダメで、妙に波長が合う人にはたまらない、金粉まみれのB級グルメのような狂った映画でありました。

 ただ正直ハイテンションが通常営業の狂人を3時間弱観るのは結構きつかったです(苦笑)。

【70】

 

□「ワールド・エンド・サーガ 世界感染

 ちょっと想像と違う系のサバイバルホラー。少女二人のロードムービー的な感じ。ツボはきっちり押さえてるし出来自体は悪くないけれど、ありきたりといったらありきたり。

【60】

 

□「アンドロメダ 人類移住計画

 チープでB級な「アド・アストラ」。アイデア自体は結構面白い。

【60】

 

□「グランド・クロス ジャッジメント・デイ」

 世界の破滅の物語が半径5キロで展開するB級映画の見本のような映画。ディザスター映画では無くファンタジー映画ですのでお間違え無き様。

【55】

 

■「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ キルケ―の魔女

 古のガンヲタとして、そして宇宙世紀主義者のおっさんとしては1作目はもう素晴らしいの一言でして。ファースト至上主義ではないし、やっぱり作画は綺麗でリアルな方がいいジャンくらいの軽い感じというか、どちらかというと世界観と物語が好きという方向性なので、そういう意味では前作はもうたまらない映画でした。その続編という事で、否が応でも期待は高まったわけですが、いやーまさかこんな“映画“を観せられる事になろうとは…

 お話は前作の続きで3部作の2作目。マフィティ=ハサウェイと不思議少女ギギ、そして連邦軍のケネスとの関係が、アデレード侵攻作戦が進む中でより深く複雑になっていく様を、超絶映像と、徹底したリアリズム演出で描いたこの映画、これはもうロボットアニメというより、立派な戦争映画。とにかく映像が圧巻。ロボットアニメのヒーロー性を一切排除、徹底したリアリズムとディティール、そしてあくまで人間目線で、宇宙世紀105年の世界を構築。圧政に立ち向かう主人公側なのにあくまでテロリストとして描かれるマフティと、体制に疑問を持ちながら、あくまで任務としてそれに対抗する軍人ケネス、そんな二人の中で今の自分に悩みつつも感受性の強さ故の優しさで行動してしまうギギ。その物語も含め、はなから大人向けというか、マニア向け(エンディングテーマがアレですからさもありなん)。そこに振り切れるだけの力量がガンダムというIPにある事自体がなんともすごいというか、凄まじいというか。1作目からして状況説明等が親切じゃなく、逆襲のシャア未鑑賞だと正直全くわからないだろうお話だったのが、今回は更に不親切。それでもその圧倒的映画力で「何かすごいものを観た」と思わせるのは本当に凄いことで、これはもうある意味ガンダムを超えた映画体験なんだと普通に感動してしまいました。

 正直1回目はその迫力に圧倒されて細かいところを勢いで観てしまった感があったのですが、2回目で実はかなりきちんと作られている事が判明。倒叙人物の所作、目線、服装からレイアウト、果てはMSの動きに至るまでものすごく考え、練られているのがわかり改めて感動した次第です。

 マフティーのもろ学生運動のサークル然な若げの至り感(というかハサウェイはオタサーの姫ですね。)と、体制側として、狂った世界の見本としていやーな大人の部分を敢えて強調されてる大人なケネスとの対比や、その中で境遇ゆえの老成から徐々に解放されていくギギの物語がなんともスッと入って来る、恋愛映画としても本当によくできた映画でした。ハサウェイの狂気の深さの描き方や、ポストクレジットからも確実に悲劇が待っているであろう3作目(個人的には原作そのままのラストがみたい)への盛り上がりとしては最高の出来ではないかと思います。

 まあ敢えていうならMSが以前のガソリン車と違い、みんなEV自動車みたいなのはなんとも言えないところではありますが笑。

【80】

 

■「ランニング・マン(2025)

 かのスティーブン・キングが別名で発表した近未来SFディストピア小説2度目の映画化。とは言え前の「バトルランナー」は原作とは別物の脳筋バカB級SFアクションだったので(それはそれで違う意味で面白かったのですが)、実質初映画化と言っても良いでしょう。映画公開のかなり前に原作を読んでいたので、「バトルランナー」を観た時には、いろんな意味で脳から血が出るような思いをしたので、原作通りの映画化は待ちに待っていたところもありました。

 社会が一握りの富裕層と圧倒的多数の貧困層に分断され、多くの人々が過酷な生活を強いられている近未来。職を失い、重い病を抱えた娘の医療費にも困窮していたベン・リチャーズは、優勝者に巨額の賞金が与えられるデスゲーム「ランニング・マン」への参加を決意する。しかし、そのゲームの実態は、社会を支配する巨大ネットワーク企業が主催する世界最大のリアリティーショーであり、挑戦者の命懸けの逃走劇を全世界の観客が視聴するというものだった。逃走範囲は無制限。高度な殺人スキルをもったハンターたちが挑戦者を追跡し、さらには視聴者までもが懸賞金目立てで挑戦者を追いかけるという狂気のサバイバルが幕を開ける…(映画.comより)

 とまあ所ディストピアが舞台のデスゲームものなのですが、原作の発表が1982年。なんだかんだでその手のお話の走りと言っても過言ではないと思うのですが、だからこそなのか、物語自体、もはやちょっと古めかしい印象があってしまいました。と言うのもやっぱり社会を支配する巨大ネットワーク。ネット社の現在ではどうしてもこの巨大ネットワークが主催するリアリティショーへの熱狂が嘘くさいというか、古い設定だと感じてしまいますし(実際、現代社会でもうこの手の一般人含めた全世界熱狂のコンテンツってあり得ないと言うことをみんな知ってるからこそ余計に)、その熱狂から発生する救世主という結構ありがちな物語で使用するにはもう「ランニングマン」という設定自体が古臭いし、なんとなればフジテレビ如きがTV番組にしてしまうくらいのありきたりさになってしまってるのがなんとも切ないというか悲しいというか。グレン・パウエルを始めとする役者陣(ジョシュ・ブローリンの役柄もちょっと古臭い)や流石のエドガー・ライトはそれなりの仕事はしているけれど。ちょっと時代がズレた感。そういう意味でも結構勿体無い映画だった母というのが正直な印象でした。

 エンタメとしては十分楽しめるので決して悪い映画では無いのですが。

【70】

 

□「ドント・ムーブ(NETFLXオリジナル映画)」

 きちんと作られた、良く出来たシチュエーションサスペンス。全体にレベル高めだししっかりした作りだけれど、それ以上でもそれ以下でも無い所がなかなかに難しい。

【65】

 

 ここでお得なポッドキャストをご紹介!台東区の銭湯「有馬湯」をキーステーションにお送りする映画やその他社会のもろもろについて私の友人であるアラフィフ男どもが熱く激しく語りまくるポッドキャスト「セントウタイセイ.com」。かなりマニアックなものから有名どこの邦画を独特すぎる視点で時に厳しく、時に毒々しく、だけど基本は面白おかしく語りつくしておりますので、是非聞いてやってくださいませ。

よろしくお願いします‼