明けましておめでとうございます。今年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。
私にとっては6年ぶりの日本の正月でした。相変わらずCynicalに「年一回なのに『初』詣じゃねーだろ」などとほざいてましたが、ふと気づくと、日本語にはCynicalであることをポジティブかニュートラルに表現する言葉が見当たりません(あったら教えてください)。
私は自分のCV(Resume)にも"a critical thinker"と書いてるのですが(一般通念に囚われず物事を客観的に分析して本質を見極める、という意味で)、辞書では「批判的思考」とあり、学術的な意味はともあれイメージは悪いです。Cynicalの訳も「ひねくれ」とか「皮肉」。Sarcasticならそれで良いとして、CriticalとかCynicalはそれほどネガティブじゃありません。今も長男とその話をしてたのですが、「古来日本人は、社会通念に疑問を挟むことを良しとして来なかったからじゃね?」と言ってました。そうかもしれません。
さて、それもあって「やばい日本語」シリーズ復活です。便利な言葉ほど、英語にしようとするときに詰まります。まずは日本語→日本語で置き換えてみることが基本です。
1、問題意識
まずアルク辞書のトップは"problem consciousness"。ちょっと我々の使い方には合わなそうです。以下、場面に分けてみます。
最初に「これが私の問題意識です」といった「解決すべき課題に関する自分の考え」の場合ですが、すでにその課題について話しているなら、シンプルに"thoughts"(或いはview)で良いでしょう。もし文脈がない(例えば真っさらな状態からメモを起こす)ならば、"These are my thoughts (views/ideas) on how to improve our profitability."などとすれば良いでしょう。提案書やスライドの表題として書く場合は、すっきりと”Issues"とか"Issues and (Recommended) Solutions"などで良いと思います。
「このままではジリ貧になるという問題意識があるんです」の場合は「〜と案じている」ということですから、"I have a concern that we are on the path of steady decline"で良いと思います。
「(その点について)彼女は鋭い問題意識を持っている」の場合は、「危機感」みたいな意味ですから、"She has a valid concern"とか "She has a keen awareness"といった表現で良いでしょう。
一般論としての「問題意識」(「問題意識が旺盛な人」とか「問題意識を高める」)ならば、"aware"とか"awareness"でしょう。We need to raise awareness of environmental problems.(環境問題に関する問題意識を高める)など。
2、牽制する
「ヤツが変な動きをしないよう牽制しないと」のような「間接的な警告」と言う意味ですが、これは非常に迷います。ビジネスで「牽制機能」というと"control function"だし、一塁ランナーへの「牽制球」だと"pick off"だし・・・。
直接的な行為を取らない場合は、"Keep (hold) xxx in check"が最も汎用的かと思います。例えば「秀吉は家康を牽制すべく駿府に有力大名を置いた」のなら、"Hideyoshi appointed xxx to keep Iyeyasu in check"と言う感じで。ただ、"keep xxx in check"の意味領域の中心は「見張る、抑制する」だと思うので、それは一応意識すると良いでしょう。"Keep inflation in check"(インフレに注意する、抑える)、"Keep your emotions in check"(感情を抑える・コントロールする)などのように使います。
直接的な行為を伴う場合は、"warn agaist"が有用かと思います。あと、自分は使ったことないですが、友人(かなり知的な人)に聞いてみたところ "shot across the bow"(相手の船首前方への威嚇射撃)も紹介されました。
- I wanred against making that stupid decision by presenting likely consequences. それが故に起きそうな(悪い)結末を語ることで、その動きを牽制した。
- I fired a shot across the bow to pre-empt that stupid decision. 意味は同じです。"Pre-empt"は「未然に防ぐ」「先手を打って回避する」といった意味で、このような文脈と相性が良いと思いますので、これも是非ツールボックスに加えることをお勧めします。
また来週に!