毎週日曜日アップの予定が・・・。3連休で気が緩んでしまいました。

帰国までいよいよあと1週間ちょい。狭い日本の家(狭い居場所か?)に向けて断捨離をする一方、なるべくゴミを出したくないので、引き取り手を探したりと結構難儀してます。しかし時々思うのですが、いつか世界中の人間の活動空間が飽和した場合、ザックリ言って工場で毎日生産されるモノの量とほぼ同じだけのゴミが出るということになるのでしょうか(リサイクルは僅かとすると)。なんだか恐ろしいことです。

 

さて、今回は「やばい日本語」の続きをやりたいと思います。

 

まず「浸透する」。受験英語的には"Penetrate"が思い浮かぶのですが、Penetrateはどちらかというと矢のように「突き刺す」「〜を突き抜ける」の語感が主体です。なので「考え方の浸透」のような場合には使わない方が無難かと思います。1:1対応の動詞が見当たらないので、状況に応じて(重たい順に)"ingrained"、"understood"、"familiarized", などを使い分けるしかないと思います。

 

例えば、Once the new policy is understood by everyone involved in the process, let's xxx (新しいポリシーが浸透したら、xxxしよう)、The new culture needs to be deeply ingrained into the entire organization. (新しいカルチャーを十分に浸透させなければ)、など。ちなみに"Ingrain"は長期的に深く根付くイメージなので、あまり軽いものに使わない方が良いと思います。また、日本語のこだわりを捨て、人を主語にして"Once people become familiar with the new practices, xxx"(新しいやり方が浸透したら)なども良いと思います。

 

ちなみに、「浸透ファミリー」に片足突っ込んでる"Entrench"というのがありますが、これはどちらかというとネガティブな意味で定着、浸透、染み付いてる(主に悪癖、悪い風習などが)感じで使われることが多いので、注意が必要だと思います。"This kind of bureaucracy is deeply entrenched in our corporate culture"などと、ちょっと嫌そうな顔で言うイメージ。

 

次は「無理に〜する」です。素晴らしい日本語ですが、英語ではオリジナルの語感を多少諦めることも大事かと思います。でないと「理=Reason(able)」などが思い浮かんだりしてハマることがあると思います。「無理するなよ」はその状況次第で"don't try too hard", "don't aim at perfection", "don't push him too hard; otherwise he might crack(無理に追い込むと、ヤツ潰れるぞ)"などなどいろいろあり得ると思います。

 

人に対して「無理に〜させる」などの場合は"Force"が使えます(「強制xx」はだいたい"forced xx")。ルールなどを(本来目的が違うのに)「無理に適用する」とか、合わないカテゴリーに「無理に当てはめる」といった場合には、私は"force fit"を使ったりします(Writefull4万ヒットくらい)。ただ、やはりある程度諦めも肝心で、「このルールは無理がある」などと言う場合は"this rule is not suitable for (to) this case"くらいで手を打たざるを得ないと思います。

 

最後に、最近気になった軽めのものを3つほど。

  • 形骸化・・・就職協定のニュースでよく使われますが、英字新聞の記事2つ見たところでは、直訳を避けて迂回してるようです。"No longer strictly observed"とか言う感じでしょうか。Not practicalも使えると思います。
  • やる気(がある・がない)・・・これもピタッと来る訳語がないので、「名詞+有る無し」の形を諦めて、Motivated、Enthusiastic、Engagedなどを使うと良いと思います。「彼、イマイチやる気ないみたいだね」なら"he seems disengaged"とか"He seems to have lost enthusiasm", "He got demotivated"など、ニュアンスに応じて使い分ける。EagerやWillingはもう少し個別具体的な場面で使う感じ。辞書にはDriveが出てきますが、こっちは逆にもっと根本の性格的なものを指すイメージがあります。
  • 努力する・・・ビジネス日本語では口癖のように出てきますが、多くの場合訳そうとするとヘンです(We will strive to xxxとか)。余程「努力のプロセス」に力点があるのでない限り、言わない・訳さないのがベストかと思います。普通に「〜します」と言えば、そこに努力も含まれてると思えば良いのでは。
それではまた来週。今度は日曜までに書きます。