さて前回、可算・不可算は「輪郭をイメージできるか」という話しをしましたが、言うは易し西川きよし、正直自分もイメージが掴みきれないのが実情です。そんな状態で「単数か複数か」を語るのも非常におこがましいのですが、以下の事例で、分かってる(と思ってる)部分をお話しさせて頂きます。
まず「ガイドライン」。日本語で「ガイドラインズ」と複数になってる文書はまず見ませんが、英語では9割方"guidelines"かと思います。なぜかと言うと、ある程度まとまった文書としてのガイドラインには多くの「線(ライン)」が出てくるから。例えば、誰が何を承認できるかの権限規定など、何通りもの決め事がありますよね。「日米防衛ガイドライン」も英文版はThe Guidelines for Japan-US Defense Coorperationとなっています。もちろんその中の一つについて議論してるなら単数もアリだと思います(We need to have aspecific guidelinefor remote working in emergency situationsとか)。
次にResult。ガイドラインほどではないですが、複数形"results"をよく見ます。特に「調査結果」のような文脈でそうだと思います(The survey results indicate xxxとか)。我々は「一つの調査レポート」として捉えがちですが(だから単数にしてしまう)、英語人の頭の中にはレポートに載っているいくつもの「表やデータ」がイメージされており、これら一つ一つが"result"なので、その集積は"results"となるようです。もちろん、もっと漠然としたものであれば単数が妥当だと思います(The result of our new sales promotion was satisfactoryとか)。よく使う"As a result"も同様で、その後に言うことが、その前に言ったことの「一つの結果」だから単数です。(尚、Writefullのアプリで見ると、"a result"は殆どの場合"as a result"で使われているようです。)
今回はこの辺にして、もっと包括的な整理ができるようになった時点でまた書かせて頂きます。こう言うと身も蓋もないですが、まあさほど神経質になる必要はないのかもしれません。ただ、いざという時(ニュアンスの違いを表現すべき時)には役立つかなと思うので、引き続き研究してまいります。
次回はついに鬼門の「The」ですが、文法ばかりだと煮詰まってくるので、一旦別の話題を挟むかもしれません。