最近ブログの主旨と異なる投稿ばかりだ。
苦しい時期を書き起こすのは、なかなか難しい。
という事で、また#投稿ネタに乗ってみる。
庭にある金木犀が咲き、先日の雨でアッという間に散った。
気象庁によれば、今年の夏はこの125年間で一番暑かったようで、毎年9月の終わり頃に咲くのだが、今年は10月中旬に満開となった。
私は金木犀の香りが一番好きだ。
家を選ぶ時に、金木犀の木が玄関のドアを開けてすぐの場所にある事も、決め手になったくらい好きだ。
香りは音楽などと同じように、その時の記憶を鮮明に思い出させる力がある
小学生の時、近くに公園があり、そこには金木犀の木があった。
家に帰り宿題を済ませ、金木犀の香りがとても心地よくて、公園を一人でブラブラとした。
金木犀は大体一週間程で散ってしまうが、そのたった一週間の事をよく覚えているほど、私にとって金木犀の香りは特別だ。
季節の中で秋も一番好きだ。
小学生の頃、みんなは春が一番好きだといい、私は秋が好きだと言ったら、変だと言われた。
秋はこれから寒くなる物悲しさというか、切なさのようなものを秘めているのがいい。
小学生の時、一人で金木犀の香りを嗅ぎながら公園をブラブラとしていた時の、何者にも縛られていない自由なひと時が幸せだった。
家に帰れば家族との時間で、それは到底心が安らぐものではなかったし、リビングでの家族団らんの声を聞きながら、お風呂に入り、自分の部屋でもくもくと9時に寝る準備をするだけだ。
今年は13歳になり歩く事もままならなくなったヨボヨボの愛犬を隣に座らせ、金木犀の香りをゆっくりと嗅いだ。
もう介護が必要になった愛犬だが、どうも来年は一緒に金木犀を堪能できそうにない。
何かあった時のために加入していた、人間よりも高い動物保険も結局役に立たなかった。
延命だけのために命がけで手術する方法もあるには、ある。
動物病院に行くだけでパニックになり、飼い主に病院に置き去りにされ、状況を把握できず、いたずらに不安にを煽るよりは、手元に置いて安心させ、痛みだけをセーブできる治療を選択した。
二人で一緒に玄関に座り、金木犀の香りに包まれ、ポカポカした日に当たり、愛犬は気持ち良さそうにウトウトとしていた。
なんだか切なくて鼻の奥がツーンとして込み上げるものがあったが、とても貴重な時間なように感じた。
これから先、金木犀の香りを嗅ぐ時には、きっとこの幸せな時間を想い出すだろう。