またもや人生の分岐点の母。
どうするのか、相当悩んだと思う。
父親の違う子供二人を抱えて、二度の離婚とは、当時としてはかなり厳しい環境になる。
もう後はない、まさしく崖っぷちである。
一体どうなってしまうのか・・・。
そこへ、なんとか方を付けるために、大親分が出張ってきたのである。
お父さんの実の母親の登場である。
この、お父さんの母親というのが、生きるか死ぬかの修羅場を、何度もくぐり抜けてきたかのような女性だった。
まるで荒々しい男性が女性の衣装を身にまとったような、女性用の洋服から激しい気性だけが突き抜けてくるような、強烈な個性を放っていた人物である。
生まれてこのかた、見た目だけで、これ以上の気性の激しい人物に未だかつて出会った事のない私は、初めて会った時には恐怖さえ覚えた。
母とこの姑は、普段はあまり上手くはいっていないように見えた。
裏表のない性格であったが、何でも遠慮なしに、オブラートに包んで話をするなんて事は皆無で、ズバズバと言いたい事は言う。
気の強い母が、嫁としてグッと耐えてきたのを、何度も見てきた。
しかし、今回は違った。
家に入るなり、息子を隣に座らせ、「〇〇さん(母)、本当に申し訳ない。」と突然、二人して土下座したのである。
母も負けて劣らず、気の強い人間だが、この姑の前では格が違った。
そして、その強烈な姑は、その場で息子であるお父さんに、愛人へ電話させたのである。
「もう二度と会わない」「仕事は辞める」
この事を約束させ、落とし前をつけたのである。
私の義理のおばあちゃんにあたる、この姑は私が20歳の時に亡くなった。
だけど、この激しい気性のおばあちゃんは、血の繋がった実の孫である妹と、義理の孫である私を、分け隔て接した事が一度もない。
今想えば、つくづく、後悔ばかりだ。