3Fから1Fの玄関まで


物凄い勢いで


引き摺り下ろされた彼女は


一瞬何が起きたのか


わからないほど


あっと言う間の出来事に


泣いて謝ることしか出来なかった



何事かと



祖父母は



2Fの部屋から



降りてきて



治太郎を咎めた



晴絵:いったい何があったっていうんだい!可哀想に。。。泣いて謝ってるじゃないか!


治之助:可哀想に…こんなに小さいのに、治太郎叱り過ぎだよ!!!



治太郎:叶雨が店のレジのお金を盗んだんだよ!!!それも一度や二度じゃなく三度も!!!だから、これから警察に連れて行く。うちの子でも何でもないって叱ったんだ。
 


祖父母:えー



晴絵:本当かい?叶雨…あんた、そんな事したのかい?


叶雨:ご、ごめ、ごめんなさい


晴絵:どうしてそんなことしたんだい?


叶雨:お、おと、お友達に、よ、よろ、よろこんでほしくて、ガチャ、ガチャガチャあげ、あげたの、そし、そしたら叶雨も、う、うれ、うれしいから



晴絵:そうかいそうかい、そうだったのかい。いいかい、叶雨。でもね、どんな理由があっても、お金っていうものは、盗んだりしちゃいけないもんなんだよ。叶雨がプレゼントしてもらったものが、盗んだお金で買ったものだったって、あとからわかったら、嬉しいかい?


叶雨:う、ううん。う、うれ、うれしくない。


晴絵:そうだろう、そうだろう。じゃあ一生懸命働いてからもらったお金で、プレゼントされたらどうだい?


叶雨:うれ、うれしい


晴絵:うんうん、そうだろうそうだろう。もう二度とお店のお金を盗んじゃいけないよ!おばあちゃんとちゃんと約束できるかい?


叶雨:う、うん、ご、ごめ、ごめんなさい



晴絵:治太郎、叶雨もちゃんと反省してることだし、許してやっておくれ



治太郎:。。。ああ、わかったよ。ただし、次やったら、叶雨、絶対に警察に連れて行くからな!


叶雨:う、うん、ご、ごめ、ごめんなさい。



こうして


この事件は


祖父母によって


助けられた事で


幕を閉じた