待ち合わせは


確かわたしが


希望した場所だった


○ちゃんに会える


抱っこさせてもらえるかもしれない


そんな淡い期待を抱いて


待ち合わせ場所へ向かった


ところが


待っていたのは


女性ただ一人


あれ?


○ちゃんは?


しかもわたしの記憶では


どちらかといえば


派手な出で立ちの


ギャル系だった筈なのに


スーツ姿で落ち着いていて



間逆だったのだ



恐らくこれも全て計算だった


女性:こんにちは


わたし:こんにちは


女性:どこでお茶しましょうか?


わたし:どうしましょうね…


心の声:○ちゃんは?○ちゃんが居るっていうから来たのに…


女性:わたしこの辺全然分からなくて


わたし:あっじゃあよく行く所があるんでそこでもいいですか?


女性:はい、じゃあそうしましょう


○ちゃんは?


のたった一言が


中々言い出せなかった


それでも


店に着き


落ち着いたので


やっと聞くことができた


わたし:今日は○ちゃんは一緒じゃないんですか?


女性:あっなんか熱が出ちゃって、連れてくるのやめました


わたし:あっそうなんですね〜大丈夫ですか?会いたかったので残念です。


十中八九、嘘だった


1歳未満の熱を出した子どもを


置いて遊びに行くなんて


あり得なかったのに


まだ大人になりきれてないわたしは


そこまで考えが及ばなかった


今にして思えば


最初の電話で洗脳の適性検査をし


適性があると見なされたわたしは


次の電話で


子どもが大好きだという


弱みに付け込まれ


○ちゃんを連れて行くという言葉の


餌を撒かれ


それが餌だとは


露ほども思わないわたしは


まんまと


食いついてしまったのだ