昨日の夜、電話でパルコは母に言ったの。



「お母さんは、浮気じゃないって言ってるけど、あれは浮気だよ。


心の浮気の方が、相手は傷つくことだってあるんだよ」って。




それでも、


「私はこれっぽっちも悪気はなかったし、浮気してるつもりなんて思ってもなかった」


って言い張るから、







「んじゃね


今はお母さんお父さんのこと好きじゃないから、たとえる人がいないんだけど・・・


もし、大好きな相手がいたとする。その人をととても信用してたとする。


その人が、お母さんがしたように他の女の人と散歩に行ったり、メールしたり、


ましてやあんなメモ書きを書いてたりしたら、どう思う?」って聞いた。








そしたら、しばらく黙って





「私・・・・ホントに人をすきになった事がないんだ・・・そう・・・


だから、嫉妬する気持ちとかがわからない・・・・相手の立場になる事が出来ない


  そっか・・・・・そうだったんだ。今、初めて分ったわ・・・・


               パルコと話してると、冷静になれるよ・・・・」





っていった。








学校を卒業して、バスガイドになった母。


その時付き合ってた人がいたというけど、文通程度の付き合いだったって。


母の恋愛は、その子供じみた恋愛だけ・・・




父とはお見合いで会って、次に会った時は、結婚式だったって聞いた事がある。





結婚してすぐ兄が産まれ、恋愛感情なんてできる前に母となった。


あっという間に三人の母となり、必死に子育てに専念した。


ある程度落ち着くと、今度は子供の非行に悩まされた。


子供は大人になっても、離婚だ借金だと、母を悩ませ続けた。


母は、わき目も振らずに結婚生活を続けてきた。






ただ世間知らずだったから、今まで父とやってこれたのかもしれない。


毎日、がむしゃらに頑張ってたから。







女としての人生なんて母にあったのかな?


嫉妬するほど、人を好きになった事がないという女。


パルコはそんな母を、可哀そうだと思った。




母はたった一度の人生を、ホントの恋を知らずに終えるのかもしれないね・・・