誰でも小説の登場人物に自分を重ね合わせると思うんだけど、
『スプートニク』の“すみれ”も
わりとそうされやすい女の子に見える。
『背中』とか、読む人読む人「ハツって私に似てるかも」
(正直自分もそう思いました)と言っていて、挙句綿矢さんまでもが
「友達に、私に似てると言われました」とコメントしていて
日本女子総ハツみたいな感じだったんだけど、
“すみれ”はもう少しマイノリティなのではないか。
まあ、そうあることを祈ります。というのも、
今度は“すみれ”が自分に似ているような気がしたので。

“すみれ”と似ているなあと思った部分は
色々とあるんだけど、例えば
黒縁のいかつい眼鏡をかけちゃう辺り。
「ディジー・ガレスピーみたいなセルロイドの黒縁の眼鏡」は、
象徴的に使われる「装身具」とは対極にあるもので
どちらかというと「装備」的なもの。
そういうものを通して世の中を見る/見られたいという気分がある。

そして何と言っても、まずい部分が同じ。
(“すみれ”が自分の「できないこと」を一気に喋るシーンがある
しみじみ誰かと似ているなと思う時は、
まずい部分に関してが多い。でもそれって結構心地よかったり?

煙草は吸わないけど、自分も切符を失くすし、食事を採り忘れる。
同じ22歳だとか、この年になるまで、ほとんど迷わなかったとか。

“ミュウ”は“すみれ”の初恋の人なんだけど、
彼女は自分の先輩に似ているような気がした。
“ミュウ”は30代後半で本当は真っ白な髪をしていて、先輩はまだ20代。
だから正直どこが似てると思ったのかよくわからないんだけど、
強いて言うなら名前が似ているかもしれない。
例えば、いわゆる容姿の整った人には毎日出会う。
でも心が震えるくらいに美しい人は、人生で数人。
先輩はそういう、数少ない人だ。
もちろん“すみれ”のように、特別な感情は持っていないのだけど。

そうそう、一時期何も知らないで
メアドを“sputnik”にしていました。