依存から、いつでも手元にケータイを置く。

講義を聞いていても、ノートをとっていても、

視界に入る場所にあるようにする。

メール受信すると、音を切っていても

画面が発光するから見逃さない。

 

でも、自分が視線を外したすきに

画面はまったく別のものを映しだす。

視線を外した視界の中だけで

ケータイは真っ青な空を映している。

どこか田舎の農場から見上げた、

目の奥が痛むように青い空を

ちぎって浮かべたような綿雲が飛んでいく。

雲だけが生き、時間は止まっている。

 

非の打ちどころのない、完全な平和。

 

ケータイにに目をやる。

何もない。

真っ暗な画面が、退屈そうに

天井を映しているだけだ。