仲間達は注文をしたメニューをそれぞれ取りに行っていた。


「お前相変わらずカレーうどんだな。飽きないか?」

マッシブがルースに言た。

「いいぢゃんか!好きなんだから、
ここに一味を入れて凄っく辛くして汗いっぱい欠いてさ。
食うのがツウなんだよ!へっへ」

ルースが照れる。

「いいじゃないの~。マッシブさん、
好きな物を食べれる幸せ。

食べたくても、食べれない子供達も居るんだから、
からかわないの。」

あゆがマッシブに言って、カルーが呟く。

「そうだよ。僕達は食事が出来る事に感謝しないといけないよ。」


「だな、有りがたく飯を食おうぜ。」

旅人が言った。


マッシブが言た。

「悪りぃ、からかって。すまん。ルース」

「いいって事よ。気にすんなて。マッシブ。
俺は小さい時から、施設で育って凄く、
カレーうどんが出る度に喜んで食ってたよ。

あん時は、辛くて泣いて食ってた時を想い出すな。

てか!何言わすんだ!飯だ、飯!」


「ルースさん。」

あゆが言って誰かが居ない事に気付く。


「あれ?ヨッシーさんは?」

周りを見渡す限り、ヨッシーは見当たらない。


「あっ。ヨッシーならまた外に行ったみたいだよ。」

ジョニーがあゆに言っていた。


「そうなの?どこに行ちゃったのかな?」


「分からないよ?俺も。」



ジョニーも首を傾げながら言っていたところに
ヨッシーが帰って来た。

「あ~悪いな、また腹痛。てか、ジョニー、
おでん無い?俺ちおでんが食いたいんやけど」


ヨッシーの裾に血痕が着いていた。

「無いよ。季節的にやって無いよ。」

ジョニーがヨッシーに言って、
ヨッシーは残念そうな顔をしていた。

「じゃあ親子丼はあるか?」

ヨッシーはジョニーに聞いた。


「もちろん!あるよ!
ここの親子丼は鶏肉からこだわってるから、旨いよ。」

ジョニーが自慢気に言った。

「じゃあそれの大盛り!」

ヨッシーは喜んだ顔で注文した。

ジョニーが言っていた。


「はいはい。了解。て!チケットは?」

「はぁ?マジで~!」

ヨッシーはおどけて言っていた。

「はいはい。早く券売機で買って来てよ。作っとくから。」

ヨッシーは渋々チケットを買いに行くがキョロキョロとしていた。


仲間達は席に着き始めていた。


「ヨッシーお先に」旅人が言って席に着く。

「ヨッシーさん、あそこの自販機の横に券売機があるからね。
先に席に行くね。」

あゆが場所を教えて席に着く。


仲間達は席に着きヨッシーを待ってる様子だった。

「ヨッシー、余りここ使わないから忘れてるんだろな。
てか、この前と違う所に券売機があるからな~」

マッシブが仲間に言っていた。

「そうだな、アイツ、ひとりで良く行動するタイプだからな。」

旅人が仲間に言っていた。

「一匹狼タイプ!!」

ルースがいつものジョークで笑わそうとしてる。


「無理すんなって。お前、少し変だぞ。」

旅人は仲間の様子を瞬時にわかっていた。


「本当だよ。無理はしないで。」カルーが呟く。

「辛い事を思い出させたかも、知れないが、
無理に明るくする事は無いぞ。なぁルース。」


「すまん。」ルースが呟く。


「てか?しみじみモード?」

ヨッシーが何も知らないで席に戻って来た。


「てか、怪獣が山の向こうに現れたらしいぞ。ほら!」

と言って窓の外を指、指した。


仲間がそれにつられ窓の外を見た。

とその時にルースにヨッシーがウインクして、
」ルースもウインクの意味をわかっていた。


「ガゥ~!」ヨッシーがおどける。


「もう~。ヨッシーさんヤメテよ~」あゆが言った。

「何処にも居ねえーじゃないかよ。」マッシブが笑う。


みんなもわかっていた。
一緒に仲間同士で笑い合った。


「飯、食うべ!早くしないと時間がねぇべ。」

マッシブが言う。


「だべ、食うべ。カレー汁飛ばさないようにね。」

旅人がルースに言った。


「あいあいさー」ルースもいつも様におどけて食べ始めた。


「いただきます。」あゆが言って食べ、


「いただきますか?」と言ってヨッシーが食べ始め。

「おう、食うべ、いただき。」旅人も食べていた。


「ヨッシーさん?」あゆが言った。


「あ?何?」ヨッシーが答えた。


「あの酔った人は?」あゆはヨッシーに聞いた。

「あっ。アイツ。トラックで寝てるわ。

酔ったらタチが悪いからや、あのアホ、
アル中で最近退院したばかりでや。呑むなって約束したのによ、
呑んだから、荷台に放り込んだ。」

ヨッシーは普通に答えていた。

「そうなの?」

あゆは同情した顔で言っていた。



ピーポーピーポー。

サイレンの音がヨッシーのトラックの辺りで停まった。

辺りは人だかりが出来ているのが窓から見えていた。



つづく

「すまん!俺の舎…

後輩が、君に迷惑を掛けて、

本当にすまない事をした。

この通り謝る。赦してくれ。」


ヨッシーは頭を床に擦りつけ謝った。



女性はまだ体を震わせていた。

「…。」


恐怖で声を出せないまま、女性は佇んだまま。

ひとすじの涙を流した。


あゆが後ろから、優しく抱きしめ頭を撫でながら、言った。


「…もう、終わったよ。大丈夫、もう大丈夫。」

女性を抱き寄せた。女性はわぁっと泣きじゃくった。


「…本当に…本当に…怖かったよ~」

あゆは何も言わず優しく抱きしめてた。


そこへ、ジョニーが来た。

「どうしたの?何があったの?」

少し目を腫らしていた。


カルーが説明をした。



「実はね。酔った人がこんなに暴れ、

店をこんなにしてしまったんだ。けど、

みんなが止めてね。

でね、酔った人はヨッシーの知り合いでね…」

ルースが説明に加わった。



「で、この有り様、なぁ。ヨッシー、もういいって、

誠意はあの子にも伝わったから、頭上げろよ。」

と言ってヨッシーの腕を引っ張り上げた。


「すまんな。みんなにも、仲間にも迷惑を掛けて、

アイツにはちゃんとおとしまえ着けさせたから、

店の壊したヤツ、弁償させてくれ。お嬢ちゃん。

本当に赦してくれな」



「もういいって姉ちゃんだってわかってくれてるよ。」


マッシブが言って肩を叩いた。


「…大丈夫…です…私」

女性が一言消えそうなか細い声で許してくれた。


旅人が言った。


「しょがねぇじゃねぇか、

酔っぱらいがヨッシーの連れなら、なぁ!

…お嬢さんも許してる事だし、俺もお前の仲間を許すよ。

だから、元気出せ!ヨッシー!お前には似合わないぜ。」


と言って笑顔をみせた。


「お~旅人が笑った。キモ!」ルースが茶化した。

「悪かったな!気持ち悪くて!!」

不機嫌そうな顔をする旅人。


「本当に大丈夫?」「はい…大丈夫です」

あゆが女性に話掛けていた。


女性はフラフラとその場を立ち去った。


あゆは心配そうに女性の後ろ姿を見送った。


「大丈夫かな?…あの子」カルーが言う。

「大丈夫だよ。あの子は。」

周りは何もなかった様に元通りになっていた。


「かたづけは俺にさせてくれ」

ヨッシーは仲間に言ってかたづけ始めた。

「何言ってんだよ。仲間だろう」


と言って旅人が手伝いだした。


「水臭いぞ、俺もやるぞ。」マッシブが加わった。


「もうヨッシー、ひとりで抱えこまないの。私もやる~。」

あゆが言ってイスを並べだし、カルーも黙って黙々と動いている。


ルースも床に落ちた割箸を拾い。

ジョニーも箒で割れた破片を掃いていた。

「ありがとう。」ヨッシーは仲間に感謝を改めてしていた。


みんなで整理すれば、あっと言う間に終わっていた。


仲間は何事もなかった様に振る舞っていた。


「あ~腹減った。メシメシ。」誰かが言った。


何気無い気遣いに、ヨッシーは泣きそうになっていた。

「おう!腹減ったな!メシやメシ!」






「嫌がってるじゃないか!いい加減にしろ!」


旅人が男に怒鳴りつけ、男が凄んで来た。


「あん?上等じゃねぇか!やるのか?あんちゃん。

ヒック、この俺様に盾つくのか?

あん、ゴラ~!俺の兄貴が黙ってねぇぞ!

ヒック、あん!やんのか?」

男はビール瓶を掴むやいなやテーブルに叩きつけた。


ルースがその腕を掴み、仲間が取り囲んだ。



あゆは女性を離れた場所に連れて行き、抱きしめた。

「もう、大丈夫。」


振り向き男に言い放った。

「あたしは、あんたを赦さない!」

あゆが男に向かって行く。


「あゆちゃん危ないから来ないで。」

カルーがあゆを制止させ一言、言った。


一触即発の空気が流れた。



カルーが口を開く。

「あの娘が嫌がってるのに許せない。」

「おう、俺も嫌いだ、女に手を出すヤツは。」

マッシブが言った。


「お前だけは、ただですませねぇ!!」

旅人の怒りが絶頂に達していた。


「へっ、そう言う事。」

ルースが言ってビール瓶を取り上げた。



とその時。一人の男が現れた。



独り言の様な妙な鼻唄を歌いながら。

「てか!てか!腹痛た、てか!昨日から腹痛い、

てかてか!あ、そうか!2、3日前に買ったスパゲッテェー、

食ったからか?スッキリしたてか!てか!てか?

ん?

なんじゃこりゃあ~!?」



テーブルは乱れ、イスは倒れ、箸立は床に散乱してあった。



「あれ?ヨッシー?」

あゆが不思議そうに言った。


「よう!あゆ、何やってんの?てか、なんじゃこの状況!

マッシブに旅ちゃん、カルーも居るし後、誰だっけ?」

ルースに指を指していた。


「俺だよ!俺、俺!」


ヨッシーは手をポンと叩いた。

「あ!俺オレ詐偽の方!?」


「そうそう俺、詐偽師。 
って違うよ!ルースだよ!ルース!」


「あっ、やっとわかった!

てか、お前!何してんねん?おう!!」



男はヨッシーの姿を観るなり後退りをして
急におとなしくなっていた。


「てかお前酒飲んだんか?おい!!

俺がトイレに籠ってる時に何したんや!

お前に聞いてんねん!

返事しろ!ボケ!」


男が答える。「はい。」


「あん?なんやて?聞こえへん。 飲んだんか?」

ヨッシーは鬼の形相になっていた。


男がかすれた声で答える

「はい、飲みました、」


と同時に男の喉をわし掴んだ。


「お前な俺との約束、破たんか?」


振り向きヨッシーの顔は素に戻りあゆに聞いた。

「あゆ、このアホ、何したん?」

「ううん。運動会してたの」

「はぁ?運動会?そっか、ちょっとコイツ借りるで。
ワリィな。みんな。いいか?マッシブ!ルース!カルー!旅ちゃん。」


と言って旅人の肩をポンと叩いて男を引きずり出した。


周りはシーンと静まりかえっていた。


「大丈夫かな?」あゆが呟く。


「大丈夫ってヨッシーの事?」

ルースがあゆに聞き返した。


「う~う違うのあの男の人。」

「やっぱり。」ルースもわかっていた。


ほどなくヨッシーだけが戻って来た。


すると、女性の所へ行き、土下座して謝った。





つづく


「ダメだよ。今は少しだけそっとして上げなきゃあ、ねぇ。」


あゆが旅人に言った。


それを聞いてカルーが口を開いた。

「今はジョニーを見守って上げた方がいいよ。

それが優しさだよ」


旅人も頷いて言った。

「それもそうだな。アイツを見守ってやるのも仲間だよな。」


「そうだよ。俺も同じなら、そっとしてて欲しいからな。

俺も失恋した時は何もかも、捨ててしまいたい気分だったから。」

マッシブが言った。


「そうだよな、俺達、仲間だからさ、そっとしてやるべ!

なまかだからな!てか、メシ取りに行くべ!」

ルースが言った。


「って、なかまだろう?なまかって!悟空かお前は!」

旅人がルースに突っ込みを入れた。


みんながドッとうけて、ルースがおどけた。

「へっへ。さぁメシ取りに行くべ。」




ガッシャーン!

周りが急に騒がしくなった。


「なぁ姉ちゃん、いいだろう!ヒック、嫌がるなって、

減るもんじゃあるまいし、ヒック、なぁ!一緒に飲もうって!

なぁ、なぁて!おい、逃げるなって、なあ!!」



周りの人達は静けかえっていた。


「やめろよ!」


旅人が女性を助けに入った。

すかさず仲間が駆け付けた。


周りの人達はただ見守っていただけだった。



「なんだ、てめぇ~ヒック、おいどけよ、

姉ちゃんと一緒にヒック、飲むんだよ、邪魔すんなよ、

てめぇ。ヒック」


旅人は女性の盾になり憚っていた。


「相当酔ってんな、ヤッコさん」

ルースが言った。


「お嬢さん、知り合いなのかい、この人と。」

旅人が女性に聞いて女性が答えた。


「いえ、全然知らない人です。」


女性はもの凄く怖がってる様子だった。




つづく

売店は相変わらず込み合っていた。


「しかし、いつも込んでるな。ここは!腹がペコペコだよ。

席空いて無いか?」


マッシブがつぶやく様に言った。


それをなだめる様にあゆが言った。

「いい事じゃない。忙しいって事は、ねぇ。」


「そうだよ…」 カルーがつぶやく。


「びっくりするぢゃん!カルー。

急に口を開くと、ドキッて心臓が口から飛び出すぢゃん。

アハッ。まぁカルーのいい所なんだけど」 ルースが茶化す。


「もぅ。ダメだよ、冗談でも言っちゃ~!

カルーさんが居るからいつも助けてもらってるでしょ?」

あゆがカルーをかばう様に言った。


「…そんな事無いよ。」カルーがつぶやく。


「あ~ぃつぃまちぇ~ん。あ、席空いてる~♪」

ルースは空いてる席を取りに行った。

「あ、俺!カレーうどんね。大盛り!」

振り向きざまに言った。


旅人がさりげなく言い放った。

「逃げたなアイツ。」

みんながうなずき、笑った。



仲間は券売機へチケットを買いに行った。

テーブルに着きテーブルをみてつぶやく。

「誰だよ、テーブル汚いぢゃん。あっ!ジョニー!ふきんある?」


仲間達は毎日このサービスエリアで食事を済ませている。

自然と顔みしりになり、仲間意識が生まれる。


「あっ!いらっしゃい。今日はひとり?珍しいね!

てか、…仕事中にあだ名で呼ぶなよ。恥ずかしいぢゃん。」

少し小声で言ったジョニー。


「あ!悪りぃつい癖で、めんご。」言い訳をするルース。

「てか、この前の彼女とは上手く行ってる~?」


「やめてくれよ、その話は、てか、今度話すよ。」

ジョニーは寂しげな顔をして立ち去った。


すれちがう様に仲間がテーブルにきた。


「どうした?アイツ、沈んだ顔してたみたいだけど。」


旅人がジョニーの変化に気が付いていた。

仲間もジョニーを見送って気ずいていた。


「なぁ、今度アイツ誘って飲みに行くか?」