私は高校時代から大学時代にかけて数回、不登校・引きこもり状態となり、その後ニートとなり、23歳で人生初の家出をしました。その後、精神クリニックのショートケアでリハビリをした後、就労移行支援事業所に通所することになりました。

簡単に言うと私は、学校生活がうまくいかず、そのまま社会人になることが出来なかった人です。未熟なまま年を重ね、何かを始める自信を失っていました。

そんな私が社会へ復帰するための道筋として、就労移行支援事業所がありました。

 

私がウィング・ビートに通所して良かったことは3つあります。

1つ目は物の言い方を覚えたことです。

以前は自分の一言で、人の機嫌を損ねたり、場の空気を悪くしてしまうことがありました。当時の私は「正しい」か「間違っている」のどちらかで判断してしまい、間違ったものを正さなければと考えてしまっていたのかもしれません。

自分の意見を主張すれば相手の反論があり、討論の末に良い結果が生まれる。そんなことを期待していたこともありましたが、そんな人間関係を求める人は周りにはいませんでした。(今にして思えば、私もそのような人に心を許したいとは思わないです。)

ウィング・ビートに通所して分かったことは、自分の『気持ち』を『伝える』ことが大切だということ、そして伝え方には形があるということです。

この形をいくつか実践することで、伝えるときの雰囲気を柔らかくできただけでなく、私自身も伝える際のハードルを下げることが出来ました。

 

 2つ目は自分のエネルギー出力に意識を向けることができたことです。

 以前の私は物事に取り組むときの姿勢は100%か0%で極端でした。調子の良いときは何でもやれる気がして100%の力で取り組むのですが、調子が乗らないと途端にガタがでて、全くダメになってしまうことがありました。

 ところで、ウィング・ビートでは通所時間のほとんどが個別作業です。人と関わらずに作業することは慣れないとかなりしんどいですが、その代わりに、自分と向き合う時間が増えるということでもあります。自分の調子の悪いときや、無理をした時にはそのプログラムの結果にしっかり反映されます。その結果から、自分はどのくらい頑張ると良い結果が出るのか、自分のエネルギー出力をコントロールすることを学びました。

 

 3つ目は実習が自信を掴むきっかけになったことです。

 ウィング・ビートでは近隣の子ども文化センターや図書館に、清掃や軽作業の実習に行きます。これは通所者の多くが経験する実習です。私の場合は、これが社会で働くことの第二歩でした。(高校卒業時の1か月間にも、短期バイトで軽作業と引っ越しで働いたことがあったのですが、当時は必死で一生懸命にやっていたので、働く自信には繋がっていませんでした。)

 ウィング・ビートで学んだことを外で活かす機会として、自分の話し方や、エネルギー出力がどれほど通用するのか試すことが出来ました。

 ウィング・ビートの実習の多くは工賃が出ないため、厳密にいうと業務ではないのですが、お客様のいる環境で作業し、それが認められることは、社会でやっていく自信をつけるきっかけになりました。

 人から見て、一般的に見て、社会から見て、実績になるかどうかよりも、まずは自分がやってみて手ごたえを感じたことが、自信のはじまりなのだと思います。

 

 ウィング・ビートでの活動を経て、私は自分の進路を決めることができました。

 繊細さの悪いところと、鈍感さの悪いところ。どちらも持ち合わせているこの性格とは、残念ながらずっと付き合っていかなければならないのだと思います。

 それでも自分のために生きるために、自分の望みを叶えるために、ウィング・ビートで身に着けたことを活かしつつ、これからもひとつずつ学んでいきたいと思います。

 ありがとうございました。

 

 

 (利用者:Y.Y.)