そんなある日、通院日を迎えていた明人。明人はアスペルガー症候群が発覚してから、毎月一度の通院を繰り返していた。

明人は、独り言を言ったり生きるための手段で極端に勉強をしたり、元々コミュニケーションが苦手だったのに、いじめや理不尽などでさらに恐怖に感じコミュニケーションが苦手に感じたりしていたが、その不器用さが原因でもあり、担当医者は二次障害に陥ってそれが慢性化していたことを見落としてしまっていた。

というのも、担当医者が昔のことを知りたいが故に自分史みたいなものを紙に書いてメモ、記録して読ませてほしいといった内容を言ったからだ。

明人は、過去のいじめや恐怖に感じているもの、極端なこだわりなどをこと細やかに記録し、それを担当医者に見せた結果、こういうことが判明した。

「ごめん。吉良さん。私、完全にあなたが二次障害に陥っていたこと見落としていました」

「二次障害・・・・・・」

「極端な独り言や過去の理不尽、いじめ、親に対する恐怖、人に対する不安や人目が気になるところ、そして極端なこだわりにそれを遂行しないと気が済まなくなり不安になるところ。半分はアスペルガー症候群が原因のものです。しかし、それらはもう吉良さんの中で、生きるための手段で我慢しなくちゃならないものになっていませんでしたか?」

「そういわれてみればそうですね」

「それが、元々が独特のあった行動や考え方などが、否定や不当な評価などによって、恐怖や不安が生み出され、それらやこだわりが強迫観念となっていて、さらに極端な行動になったりしていたようです。つまり吉良さん、精神疾患にもすでに中学時代から陥ってしまっていました。これは、強迫性障害です。私が気づかなかったことも誤算でした」

強迫性障害とは簡単に言うと、特定の物事、こだわりなどが強迫観念になって、極端に常識と外れた行動を起こしたりする病気のことだ。明人は、それをしないと気が済まなくなるなど、そこまでの禁断症状に陥っていたのだ。さらに、明人の場合は自覚していても、やらないと気が済まなくなるほどの重症だった。医者の説明だと、極端な独り言やそういう行動は、明人の中にあった観念からのものでもあることも判明したのだ。

「アスペルガー症候群自体は治療できませんが、二次障害である強迫性障害は病気ですので投薬治療が有効です。即効性のあり、吉良さんにあまり抵抗のないそんな薬を出します。もう慢性化してしまっていますが、それでも、これは治療できますので、少しでも明るい生活が送れるように、強迫性障害は治療しましょう!それだけでも極端な行動は改善できるはずです!」

「わかりました。実は職場の人間で、独り言を直せというスタッフがいたため、それが余計ストレスになっていたんです。その人は精神疾患とかそういうのに無知そうで、信じてくれなさそうな人だったので、困っていたんですよ」

「そういう人よくいますよね。いくら口で説明してもそういうのを信じない人。でも、それは治療したら、完全にアスペルガー症候群による癖は直りませんが改善はされますので、その人をぜひ驚かせましょう!」

「はい!」

こうして明人の二次障害の治療が始まった。


(25)に続く。