明人と一緒にダンスをやるのは、ハート・クリーンの古参メンバーの一人、花井蓮二(はない れんじ)と亜豆凛(あずき りん)の二人。そして、常にハート・クリーンと切磋琢磨してダンスの練習に励み、親交の深いダンスグループセツナのメンバーから中井海人(なかい かいと)という、見るからにヴィジュアル系が好きな男の合計三人だ。
ちなみに蓮二は今年二十七歳になったばかり、凛も先月二十三歳になった。海人も今年二十四歳だ。だから、話もしやすかった。早速踊ったのが、海人が推していたヴィジュアル系バンドの曲で「女々しくて」という曲だ。一時期は福岡市内でよく流れていた有名な曲だ。明人と海人の二人が振り付け通りに完璧に踊っている姿を見て、たまたま見に来ていた人達やファンはみんな拍手喝采。後から遅れてきたハート・クリーンのメンバーもやってきた。
「リュウさんこんにちは!」
「おー。瑠香ちゃん。お疲れ!」
「あっきーと海人君すごくうまいね。特にあっきー。何か変わったことでもあったの?」
「どうやろうね」
人当たりのよさそうなセミロングのかわいらしい女性は新妻瑠香(にいづま るか)で、ハート・クリーンのメンバーで、自分の興味のあるようなダンスや曲だと創作ダンス活動にも参加し、普段は、清掃活動やお年寄りや子供とのレクレーションがメインの福祉活動をメインに参加している。見た目がトロそうでほんわかしているけれども、コミュニケーションを積極的にとり、行動力がすごく高い。メンバー内でも「できる子」で評判だった。
圧巻させられたのは二曲目だった。
黒崎美来が、ボーカロイドと呼ばれるソフトで作られた人気曲の一曲「ワールズエンド・ダンスホール」をカヴァーして大ヒットさせたが、その歌で、カッコよくきれいに踊り、一曲目以上に、観客を魅了させてリュウさんや瑠香も驚かせた。バック宙とかはできないけれども、明人得意のステップで魅了させ、それだけでなく、一緒に踊る蓮二や凛、海人ともマッチングして周囲の歓声もすごいものだった。写真を撮るもの、動画に残す者もたくさん出るくらいだ。こうして、全四曲、およそ三十分のパフォーマンスは終わった。
華耶やリュウさんも絶賛していた。
「すごい。明人君、まるでプロのステージに立ってるみたい」
「あっきー、何か吹っ切れかけてるね。今日これからの清掃活動でまだ色々話してみよう」
ステージの後見に来てくれたファンからは拍手の嵐だけでなく、
「お疲れ様!」
という声援も多く飛び交った。
その後の清掃活動も、時間のあるファンや、清掃活動だけ参加をしに来た人も合わせて五十人を軽く越した。
明人や蓮二、凛や海人はリュウさんや瑠香に、
「お疲れ!」
と声をかけられると、みんなやり切った表情をした。